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情報誌 「新風」(かぜ)

2026年4月号Vol.142

【寄稿】地方税務手続きデジタル化、これからのこと

株式会社TKC 自治体DX推進本部 武長浩史

 地方税務手続きのデジタル化は、これまで地方税ポータルシステム「eLTAX」を中心に制度や技術的な整備が進められてきました。
 eLTAXは、2005年1月の法人住民税等の申告から運用を開始し、その後、給与支払報告書や公的年金支払報告書の電子的提出へと対象が拡がりました。10年には全団体がeLTAXに接続し、24年度には法人住民税等の利用率が約9割に達するまでに普及しています。さらに、22年度の税制改正により電子申告等の対象が全ての申告・申請等の手続きへと拡大されました。
 そして、19年には「共通納税システム」の運用を開始し、eLTAXを通じた電子納付も可能となりました。
 23年以降は、「地方税統一QRコード」(eL-QR)を用いた電子納付の仕組みが導入され、取り扱い件数も急増。26年度からは、その範囲が地方税以外の公金分野まで拡大し、さらなる利用拡大が見込まれています。

地方税務手続きデジタル化、これからのこと

デジタル完結へ一段と加速

 27年度からは、いよいよ「納税通知書等のデジタル化」が始まります。これにより、納税者は、eLTAXを通じて納税通知書等を電子的に受け取ることができるようになります。
 固定資産税、自動車税・軽自動車税を対象にスタートし、27年度は法人、翌年度には個人分の運用が開始されます。電子的送付を申請した納税者には、翌年度から紙の納付書は送付されず、電子的に受け取った通知を確認し、そのまま納付も可能です。まさに通知から納付までデジタルで〝一気通貫〟に完結できる仕組みであり、納税者の利便性は大きく向上します。
 将来に向けては、「税証明書のデジタル化」の検討も進んでいます。中でも請求件数が多く、デジタル化のニーズが高い納税証明書等は、eLTAXを活用した実装が検討されています。また、行政手続きにおける証明書添付の在り方も協議されており、添付省略などの措置により、納税者のさらなる利便性向上が期待されます。
 eLTAXを中心としたこれらの取り組みにより、税務行政を取り巻く環境は急速にデジタル化が進展し、税務手続きはデジタル完結へと着実に前進しています。これらの施策は、社会全体の持続性を支える重要な基盤であり、自治体においても継続的かつ確実に推進していくことが求められます。

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