2026年4月号Vol.142
【ユーザー事例】市民視点で、本庁・18拠点どこでもカード交付
マイナンバーカード交付予約・管理システム > 福島県福島市
市民・文化スポーツ部 スマート窓口推進課スマート窓口推進係 係長 菅野 誠 氏 / 荒木雄大 氏 / 山田愛美 氏
- 住所
- 福島県福島市五老内町3番1号
- 電話
- 024-535-1111(代)
- 面積
- 767.72平方キロメートル
- 人口
- 267,976人(2026年2月1日現在)
集中管理で多拠点展開を実現
──「スマート窓口推進課」について教えてください。
菅野 当初、マイナンバーカードに関する業務は市民課の登録係が担当していました。その後、業務量の増加に伴い専門係を新設。この時に将来を見据えて「スマート窓口推進係」と命名されました。昨年度には課として独立し、現在、カードの申請・交付にかかる業務に加えて、〝書かない窓口〟の導入など窓口サービスのDX推進も担うなど、課の役割は拡大しています。
現在、カード交付事務は、スマート窓口推進課(本庁舎六つの窓口)のほか、市内18カ所の支所等でも対応しています。カード交付は原則予約制としていますが、本庁では予約なしの来庁にも随時対応しています。さらに臨時窓口の開設(木曜夜間と土曜日)や、住所地区に関係なく〝希望する拠点〟でカードを受け取れるなど、市民のさまざまな生活スタイルに合わせてサービスの充実を図っています。
──多拠点運用のために、事務や管理体制での工夫はありますか。
荒木 福島市では、5年前に「マイナンバーカード交付予約・管理システム」を採用しました。カードの普及により新規交付の件数は落ち着きましたが、最近はカード・電子証明書の更新、再発行が増えたほか、特急発行への対応など業務の幅は広がっています。その中で〈職員の負担軽減〉と〈市民の利便性向上〉を実現するために、システムは欠かせない存在となっています。
現在、カードは本庁で一括管理し、予約内容に応じて各支所等へ移送しています。管理業務を本庁に集約することで、支所等の負担を最小限に抑えるとともに、予約なしで本庁窓口を訪れた方にも柔軟な対応を実現しています。
カードの受け取りは、市民に希望する日時・場所を事前に予約していただいています。ホームページからの直接予約のほか、電話による予約や簡単な問い合わせ対応はコールセンターに委託しています。電話予約は毎月2,000件を超え、外部委託することで職員の負担軽減に加えて、〈カードの更新か、電子証明書の更新か〉などを確認して予約ミスを防ぎ、スムーズな窓口対応につなげています。
──システム活用の効果は。
荒木 第一に、カード発行一覧表の読み取りや届いたカードの自動仕分けで、効率的に管理台帳を作成できることです。自動化により、職員は空いた時間を窓口対応などのコア業務に充てることができる──これがシステム活用の一番のメリットだと思います。
またカード管理情報を一元的に確認でき、さらに予約情報とも連動しているため、申請から交付まで一連のカード状態を全拠点でリアルタイムに把握できます。設定変更も一括で全拠点に適用できるので、個別管理が不要です。その結果、業務が統一され、多拠点でのサービスができていると考えています。もしシステムがなかったら、こうした運用には耐えられないでしょう。
さらにシステムの操作面も分かりやすく、人事異動があってもこれまで問題なく業務を継続してきました。
山田 大量に届くカードの仕分け作業の自動化を可能としているのが、システムと自動連携する「カード情報自動読み取り機」です。カードを読み取るだけで交付時来庁や申請時来庁、エラーカードなどを自動で分類でき、作業の効率化・正確性が図れています。最近では1日に多くても200~300枚ほどですが、以前は500枚を読み取ることもありました。これをもし手作業で処理していたら相当な負担となり、仕分けミスも発生します。こうした手作業から解放されることでミスも減り、職員はその時間を窓口対応など別の業務に充てることができます。
また、通知書の送付日や返戻日なども台帳で一元管理しているため、市民からの問い合わせにもシステムを見ながら的確に対応できて便利です。
荒木 さらに台帳検索も容易で、例えば〈電子証明書の有効期限が切れる人〉などもすぐに調べられます。そうした処理も一つのシステムで完結できるのはありがたいですね。
複雑化する業務に備える
──今後の課題や展望は。
菅野 今後、カードへ氏名のふりがなが記載できるようになることに伴い、追記欄が満欄となり、再発行となるケースが増えることが見込まれます。また、次期カードの導入や在留カードとの一体化なども予定され、これに伴う新たな業務の発生も想定されます。TKCにはぜひ迅速な情報発信と、一層の機能強化を期待しています。
カードの独自活用という点では、すでに「シルバーパスポート」などに取り組んでいますが、空き領域の多目的利用には十分な注意が必要でしょう。例えば、独自利用領域の一部が読み取り不能となるだけで再発行せざるを得ないケースも想定され、その場合、同じカードに搭載した運転免許証情報まで使用できなくなる恐れがあります。これらを踏まえて、市民の利便性向上にどうつなげていくか、しっかり考えていかなければなりませんね。
窓口サービスのDX推進では、今年2月から証明書発行手続きで書かない窓口を導入し、来年度には住民異動が伴う手続きでも対応する予定です。これらのサービス基盤にはマイナンバーカードを筆頭とした本人確認書類が欠かせません。加えて、オンライン申請による〝行かない窓口〟の拡充も不可欠でしょう。
マイナンバーカードを核に、今後も市民にも職員にも便利で優しいスマート窓口の実現へ、積極的に取り組みたいと考えています。
左から、菅野係長、荒木氏、山田氏
掲載:『新風』2026年4月号