事務所経営
FX4クラウドで経理業務を劇的に効率化し、経営改革・事務所改革の波に乗ろう!
FX4クラウド10,000社突破座談会
とき:平成29年9月28日(木) ところ:TKC東京本社
優良関与先の離脱防止に向けて平成23年6月にサービスを開始したFX4クラウドが、平成29年8月10日、利用社数10,000社を突破した。うち、35%の中堅企業がTKC以外の会計ソフトからFX4クラウドに移行しているという。FX4クラウドへの関心が高まっている中、特に直近3年間で積極的にFX4クラウドを推進した3名の会員に推進方針や提案の切り口、導入によるインパクトなどについて幅広く語り合っていただいた。
毎月の巡回監査で5カ年計画を確認し関与先の成長ステージに合わせて提案
──本年8月10日、サービス開始から約6年でFX4クラウド利用社数が1万社を突破いたしました。TKC会員先生方のご支援の賜物です。本日は、特に直近3年間で多くのFX4クラウドを導入いただいた先生方にお集まりいただきました。まずは、先生方の事務所のFX4クラウド推進方針や提案の対象先についてお伺いできますか。
山塚陽平会員
山塚 今、事務所の重要方針として①経営②税務③リスクマネジメント──の三つの支援を掲げていて、最も重視しているのはやはり①経営支援です。お客さまが黒字になって初めて、節税や万一のためのリスクマネジメントという話ができるので。したがって、お客さまの黒字経営に活きる仕組みが作れるFX4クラウドは、まさに事務所方針ともぴったりはまるものでした。
また、当法人(税理士法人創経/理事長=岡田紀夫会員)も現在は35名の従業員がいますが、従業員が増えてくるとベクトル合わせも改めてしなくてはいけない。その意味で、FX4クラウド推進は分かりやすい旗印になりました。結果としてベクトルが一つにまとまり、35人全員が「まずは1社提案しよう!」と同じ方向を向くことができました。
推進に当たっては、最初は売上5億円以上の企業から提案活動を始めました。「数字が早く見たい」という社長のニーズに応えられるMR設計ツールや部門設計、そして企業側・事務所側の両方で随時数字が見られるクラウドの利点をアピールして提案していました。
三好 私は非常にシンプルな理由で、「便利だし、FX2を使っているならFX4クラウドに切り替えたらいいじゃないか」くらいの感覚なんですよね(笑)。ですから全件が提案対象です。うちはそこまで規模が大きいお客さまがなく、社長が経理をしているような会社も多いのですが、経理担当者が別にいる会社にFX2を入れると、経理の人のパソコンに入っているだけで社長は数字を見ない、ということも少なからずありました。クラウドにすれば見てもらえるな、と思って、FX2からFX4クラウドに随時移行していただいている最中です。
もともと毎月の巡回監査で、決算予測を立てて継続MASで作った5カ年計画をチェックしているんです。例えば前月より粗利が1%でも2%でも上がっていれば、社長にその理由を尋ねて、それをずっと続けられたら決算時にはこう、5年後にはこういう数字が出せる会社になります、というのをお見せしています。 このとき、「売上〇〇円になったら従業員を1人増やしましょう」「企業防衛の標準保障額も見直したほうがいいですね」「会計ソフトも新しいものにしましょう」といった将来像まで含めてお話ししているんですね。それで経営計画通りに、成長軌道に乗ってきたお客さまがここ2~3年で一気にFX4クラウドに切り替わってきたという感じです。
畑中孝介会員
畑中 うちは部門別管理が不要な業種や、創業当初で資金余力のない企業はe21まいスター、部門別管理が必要な企業はすべてFX4クラウドという、両極端戦略です(笑)。成長意欲がある企業なら仕訳は将来必ず増えるので、今のうちに仕組みを作っておいたほうがいい。だから売上3000万円の企業にもFX4クラウドを導入いただいています。
──本を100冊持っている人が、100冊しか入らない本棚は買わないですものね。
畑中 ええ。ある小売業の社長は、3年後には売上を現在の3000万円から3億円まで伸ばしたいという夢をお持ちでした。ところが全社合計の売上データしか取っていなかったので、「商品別や販売チャネル別のデータをきちんと取りましょう。それを手間なくできるのはFX4クラウドだけです」と提案して導入いただきました。
その前提にあるのは、「本当に経営者のためになるデータを提供するのが会計事務所の仕事」という思いです。その第一歩は、セグメント(部門)で細分化されたデータをきちんと出すこと。それをするには、階層もグループもたくさん作れて、MR設計ツールもあるFX4クラウドがやっぱり最適なんですよね。
会社に眠るエクセル資料を掘り起こしMR設計ツールで経営資料として出力する
──FX4クラウド推進の方針を出されて、職員さんの反応はいかがでしたか。
山塚 「ファーストペンギン」になってくれた職員が良いスタートを切ってくれたのが大きいですね。他の職員がうらやましがるんです、「今度は自分も」と。ですから現場の士気は最初から高くて、ほとんどの職員が積極的に提案先を探してくれました。プレゼンの場に理事長や私が同席したこともありますが、私たちは一言二言挟むだけで、ほぼ担当職員が仕切っている。非常に頼もしく感じています。
──職員さん自ら積極的に提案された背景には、どんな工夫が?
山塚 それこそ担当SCGに、ものすごい回数のFX4クラウド研修をしていただいたんですよ(笑)。当法人では、必ず全員参加のもとで月曜日に朝礼をしているんですが、その後の30分~1時間弱で研修会をしてもらい、FX4クラウドの機能や操作方法、他事務所の成功事例についても紹介してもらいました。事務所のキックオフイベントとしてTISCやシス研の見学会もセットしていただきました。それから一気に推進が進みましたね。SCGが親身になって支援してくれて、本当に助かりました。
三好建弘会員
三好 FX4クラウドについては、いまは私1人が提案している段階です。というのも、TKC会員ではなかった事務所を承継したので、まだTKCシステムを勉強中の職員が多いのです。
ただ、いずれはFX4クラウドも提案してもらいたいので、今はローカルベンチマーク(ロカベン)を切り口にして、非財務情報を集めてくれと職員に言っています。ロカベンには細かい項目がたくさんあるので、社長からヒアリングしながら一つひとつ項目を埋めていけば、担当職員もその会社のことをよく理解できるようになります。会社のことがよく分かって初めて、何の勘定科目が重要で、どういう部門分けをすれば経営に活きるかが分かるので、FX2からの切り替えも提案しやすいと思っています。でも、山塚先生のお話を聞くとSCGに支援してもらう方法もあるんだなと(笑)。
畑中 東京・大阪を中心に、FX4クラウド提案・導入のポイントをお伝えする「クラウドサミット」を開催しているのですが、参加者から意外に多く聞くのが、「全部自分で立ち上げなければいけないのか」という不安の声です。センターに支援してもらえることをご存じない方が結構多いんだなと驚きました。
──ぜひ担当のセンターまでお声掛けください。立ち上げも含めて、お困りごとがあればご支援させていただきます。畑中先生の事務所はいかがですか。
畑中 最初の1~2件目は私が提案していました。でも、その後職員も仕訳連携やMR設計ツールの使い方を覚えたので、最近は職員たちからも「あの企業に提案していいですか」という話が出始めています。先日のIT導入補助金の2次募集以降も自主的に提案して進んでいる先が何社かあります。
必ず私がするのは、セグメントの設計です。社長との面談でどんなデータが欲しいのか、今使っている経営資料は何かを全部あぶりだします。さらに経費精算一覧表や営業推移表のような、会社に眠っているエクセル資料を掘り起こして見つけてあげることを心掛けています。すでに作られている資料があれば、それをFX4クラウドに読み込めばいいですし、MR設計ツールで出力することもできます。
社長との面談時には、担当職員にも必ず同席してもらいます。そうすると、社長は何を重視しているか、今までの月次試算表では何が物足りなかったのかが分かるので、利益管理表の設計や科目体系の見直し、巡回監査での助言内容など、その後の業務改善につながっていきます。
セグメント分析で巡回監査日が早まり社長が心待ちにしてくれるように
司会/飯塚真規TKC専務
──山塚先生と畑中先生の事務所では職員さんが積極的に提案されているとのことですが、その理由は何だと思われますか。
山塚 職員たちに聞くと、比較的ルーティン業務に偏りがちな日常業務の中で、自分の提案が通るという経験はものすごく面白かったと。モノを売る商売ではないですし、会議室を借りてプレゼンするような機会もあまりなかったので提案は嫌がるかなと思ったんですが、いざやってみると快感だったと言う職員が多かったですね。
畑中 端的なのは、FX4クラウドの導入で巡回監査日が早まりました。FX2を使っていたときは、「絶対締められないから25日以降に来て」と言われていたお客さまが、セグメント分析が進むとその結果を早く知りたいので、「10日までに来て」と。しかも、以前は社長がいるかどうかも分からなかったのが、今では社長本人が職員の到着を楽しみに待ち構えているそうなんです(笑)。
セグメント分析をして社長が喜ぶ姿を目の当たりにしているから職員のモチベーションが上がり、社長が喜ぶ経営資料を改めて考えるようになったり、ほかの企業でも提案してみたいと思うようになったんじゃないかと思います。実際、今まで数字に興味がなかった社長が変動P/Lを見られるようになったので、職員から「変動P/Lの月別推移表があったほうがいいのでは」という提案があり、MR設計ツールで作ってもらいました。非常に喜んでいただいたようです。
約6300の仕訳のうち97%が省力化 手入力による経理作業が劇的に減少!
──関与先さんの変化について、もう少し詳しく教えていただけますか。
畑中 経理業務面では、仕訳読込テンプレートの活用で物理的な作業量が劇的に減ります。
例えば、ある製造業の中堅企業では、今まで派遣の方に経理業務を依頼していて、ずっと手入力されていたのですね。それがFX4クラウドを入れて、入出金データは銀行信販データ受信機能から読み込み、売上関係のデータは販売管理システムから、そしてエクセルで作られていた仕入台帳・小口現金出納帳・部門振替などのデータは仕訳読込テンプレートから読込をしたところ、約6300あった仕訳のうち約97%が省力化され、手入力で行う仕訳は約170にまで減りました。なおかつ、今PX4を導入している途中なので、それが済めばさらに30~40の仕訳が減るだろうと見込んでいます。
また、ある企業からは「決算のスピードが上がった」と喜ばれました。FX4クラウド導入前は決算整理業務に3日ほどかかっていたのが、導入後は10時間まで短縮できたんです。今度は8時間にしようという話をしています。
三好 FX4クラウドは複数担当者で入力できるのも強みですよね。FX2だと経理担当者の1台のパソコンに情報を集めていきますが、FX4クラウドであれば部署や拠点が異なっても入力できるので、経理業務が分散化できるし作業時間の効率化もできる。営業部が作っている営業報告書をそのまま読み込むこともできるし、経理業務は楽になっているはずです。なので経理担当者はどちらかというと入力からデータのチェックに回っていくようなイメージです。
畑中 確かに、経理の仕事の中身が変わっていっていますね。経理業務を効率化していくと今度は分析や検証に使える時間が増えていくので、セグメントや決算書の分析をする「攻めの経理」に転じる方が増えてきました。そうすると巡回監査で聞かれることは何かを先回りして準備したり確認したりしておいていただけることも増え、巡回監査での指摘事項もどんどん減っていっています。
仕訳を事前チェックできるから巡回監査時は社長との会話に充てられる
──そうすると、巡回監査にかかる時間も短縮されていますか?
三好 劇的に減りました。巡回監査に行く前に事務所からFX4クラウドにアクセスしているのですが、そこで気になる仕訳を抽出しておいて、巡回監査で重点的にチェックしているのも大きいです。以前は、巡回監査先で証憑書類の有無を確認したり、資料がなかったら届くまで待ったりというようなこともありましたが、そういったことがほぼなくなりました。巡回監査に半日かかっていた企業が1時間ほどで終わるようになったので、社長とお話しする時間にたくさん充てられるようになりましたね。
山塚 事務所から事前にアクセスして見られるのは本当に便利ですよね。顧問税理士は別のTKC会員の先生で、うちがセカンドオピニオンで関与している企業があるのですが、FX4クラウドを導入いただいたおかげで双方の事務所から税務管理や仕訳チェックができる。TKC会員同士かつクラウドだからこそできることなので、ありがたいなと。
畑中 今、うちでは巡回監査日の2日前くらいにデータを見るようにしていて、「この取引は何だろう」「外注比率がちょっと変だな」など何か気付いたことがあればコメントを出して、事前に確認しておいてもらったり、証憑書類を準備しておいてもらったりしています。
それから、消費税の課税区分のチェックは簡単なので、事務所チェックの段階でインターンの学生に見てもらっています。消費税の研修をした上で、輸出や海外取引といった部分を重点的にチェックしてもらい、仕訳パターンに合致しないものだけ洗い出してもらうようにしました。これも事務所にとっては利点の一つですね。
人別・部門別の変動P/Lで個人レベルでのマネジメント意識が向上
──関与先さんの経営改革につながった事例があれば教えてください。
畑中 セグメントを取るようになると、経営分析がどんどん細密になってきます。
例えばあるITの会社では、今までチーム別に取っていた部門の最小単位を個人にしたんです。そうするとグループ別・個人別のP/Lが出るので、どのグループが・誰が・何が問題なのかがはっきり分かるんですね。値付けが悪いのか、それとも働き方が悪いのかといったところまで含めて明確に出る。ですから、先ほど三好先生が言われた非財務情報との連携がどんどん進んでいき、新たな経営課題が見つかるケースも多いです。
しかも、FX4クラウドは経営課題を解決しようとすると使う機能が増えていくんですよね。はじめは仕訳連携だけだったけれど、部門別がきちんと見たいからMR設計ツールを使うようになるし、入金管理が課題だと分かれば今度は支払管理機能を使おう、といったようにどんどん膨らんでいく。そうすると事務所が提供するサービス内容も業務の幅もレベルアップしていくので、お客さまも事務所もお互いに好循環で成長していけるんです。この教育研修効果が、FX4クラウドの大きな特長の一つかなと実感しているところです。
山塚 部門をどれだけ細かく設定してあげるかは重要ですね。ある会社では、今までは、現場で人が足りなくなったら粗利や人件費などを考えずに「人が足りないから入れてくれ」と言う現場責任者が多かったそうなんです。ところがFX4クラウドで部門別管理をしたらとんでもない数字が突き付けられてしまったので、「どうやって人件費予算内に収めていこうか」といった工夫が生まれてきたと聞いています。最初は反発もあったそうですが、一つひとつの現場で、責任者はもちろん最終的には個人レベルでマネジメントの意識を持ってもらえれば、会社全体としては非常に大きなプラスになりますよね。
実際、その会社ではさらに発展して、共通費の按分の仕方についても現場の方から議論が起こったそうです。「パソコン台数や経費の割り当てが違う」など結構細かいのですが、共通費の按分方法で経営課題が見つかることもあるので、私たちもその会社の本当の姿というか、現状を改めて知ることができました。
業務効率アップを実感した社長が知り合いに紹介してくれるようになった
──FX4クラウドがきっかけで関与先拡大につながった、ということはありますか?
三好 私を知り合いによく紹介してくれる社長がいるんです。FX4クラウドでさらに業務効率がよくなったことを実感されていて、ほかの社長にも伝えてくれています。事実、その社長からのご紹介で3件ほど関与先が増えました。
畑中 経営者ご自身ではなく、社労士さんや弁護士さんなど士業の方が広めてくれることはあります。士業の方から中堅企業をご紹介いただいて、FX4クラウドを入れたら社長が喜んでくれたそうで、「紹介してくれてありがとう」とその社長が士業の方に感謝の言葉を伝えてくれたようです。それ以降、その士業の方はよくうちの事務所に中堅企業を紹介してくれるようになりました。
事務所の限界利益がアップし顧客満足につながるサービス展開が可能に
──ご了承をいただいているのでお話しすると、ある先生がFX2からFX4クラウドに31社切り替えたところ、限界利益が25%増加したそうです。これは金額にすると十数社の新規関与先を獲得するのと同等のインパクトで、職員さんへの還元や事務所の設備投資にも使えるようになって非常によかった──というお話をお聞きしました。事務所経営の観点から見て、同じような影響がありましたら教えていただきたいのですが。
畑中 うちは定価の半額ほどで導入いただいているので、収益面での効果はそれほど大きくはないですね。直接的な収益面よりも投資的な教育効果を狙っていて、お客さまとの信頼関係強化や、経理業務効率化の「その先の仕事」のための先行投資をしているという考えです。
坂本孝司TKC全国会会長が言われる会計・税務・保証・経営助言の「職業会計人の四つの業務」のうち、今後も伸びしろがあるのは保証業務と経営助言の分野だと個人的には思っています。将来的には税務相談もAIでできる時代になるといわれていますから。
その中で、経営助言の分野で報酬をいただくきっかけが、今年5月からスタートした早期経営改善計画策定支援だと捉えています。FX4クラウドはお客さま・事務所双方の作業時間を短縮することができますから、私としては早期経営改善計画策定支援等に充てる時間を買っているような感覚です。
三好 うちはすべて定価で導入いただいていますが、同グループの2社目に関してはシステム利用料の複数社値引きの設定がありますよね。ですから収益自体は上がっていると思います。ただ個人的には、収益アップよりも関与先離脱防止の面での効果が大きいかなと感じています。FX4クラウドは既存のお客さまの業務とかなり連携するので、その後他のシステムに切り替えるのが難しくなりますからね。
山塚 うちも定価での提供なので、事務所にとっての粗利は増えています。それでも、FX2は「高い」と言われたことが何度かありますが、FX4クラウド導入後に「高い」と言われたことは今のところないですね。
というのも、単価がアップしたことで、顧客満足度アップにもつながる動きが事務所内に出てきたからだと思います。実は、事務所でもFX4クラウド等で個人別・顧客別にP/Lが出せるようにしているんです。担当先ごとに報酬、経費、粗利等を出しているので、従業員には「過剰なサービスをしてはいけない」という意識が強くあります。今までも、もっと精緻な経営資料を作ってあげたかったけれど過剰サービスになってしまうかなと及び腰になっていた部分も少なからずあったはず。それが、FX4クラウド導入で粗利がアップしたことで、今まで作りたかった経営資料を堂々と作成することができる。お客さまも気兼ねなくご要望を言っていただけるようになるし、それにお応えできるようになったのが一番よかったですね。
──職員さん自らが、単価がアップした分どう付加価値をつけるかを考えて動かれるようになったと。
畑中 山塚先生が言われたことは私もすごく大事だと思っていて、FX4クラウドは、事務所にとっての研修費と試験研究費ともいえるのではないかと。つまりFX4クラウドを導入するとどんどん業務の幅が広がっていくので、職員の教育研修にもなり、職員が新しいサービスを生み出していく試験研究にもなるという捉え方もできると考えています。
「会計事務所の報酬はこれくらい」との固定観念をFX4クラウドで壊したい
──いかに経営に肉迫したサービスを提供していくかという着眼点でFX4クラウドをお選びいただき、徹底活用いただければお客さまからの評価も上がり、職員さんのモチベーションも高まり、結果的に事務所経営にも良いインパクトをもたらすという事例をお話しいただきました。最後に、これから事務所で取り組みたいことについてお話しください。
山塚 事務所内で、「FX4クラウド100件導入」という目標をぶち上げたんです(笑)。既存のお客さまの切り替えはある程度一巡したので、これからはFX4クラウドを切り口に新規顧客を獲得していきたいと思います。実は経理のアウトソーシングを受託する別会社があるのですが、経理の合理化を切り口にFX4クラウドを提案して受託できた、という事例が出てきたので、FX4クラウドを看板とした提案活動にもっと取り組みたいなと思っています。
三好 うちはまずはTKCに全面移行することと、その上ですべてのお客さまにきちんとしたサービスを提供していきたいと思っています。それから、どうしても「会計事務所の報酬はこれくらい」というような固定観念が職員にはあるので、それを壊していきたいなと。それにはFX4クラウドがいい切り口になるかなと感じていますね。
畑中 実は、東京から50キロ圏外のところに財務会計すらまともにできていないという中堅企業が結構眠っているんですよね。それなのに、月額10万円超の顧問料を支払っているという企業が多く、まさにブルーオーシャン。だからそういった企業を対象として、FX4クラウドで経理業務を劇的に効率化して、経営にもっと役立つデータを提供していきたい。
それから、山塚先生が言われた経理のアウトソーシングですが、私も経験があります。あるお客さまから「経理担当が辞めてしまったので、経理業務をお願いできませんか」というご依頼がありました。でもFX4クラウド+銀行信販データ受信機能+TDSを活用すれば、あらゆるデータが自動で読み込まれるので、実際に事務所側で作業するのはエクセルの読み込みだけ。数時間程度で対応できます。結果的に企業の自計化にもつながるので、経理のアウトソーシングという切り口からも、中堅企業の自計化推進はできるかなと感じているところです。
──先生方、ありがとうございました。11月から、継続MASで策定した予算を部門別に展開できるクラウドシステムが提供予定です。さらにSX4のレベルアップで、インターネットバンキングや定期売上取引の登録もできるようになる予定です。いずれもFX4クラウドと連携し、部門別予算管理・商品別管理がもっと効率的にできるようになります。
TKCでは、今後も「会計で会社を強くする」システムの開発・レベルアップを随時行ってまいりますので、ぜひご期待ください。
(構成/TKC出版 篠原いづみ)
(会報『TKC』平成29年11月号より転載)