2024年4月号Vol.134
【TKC サポートインフォメーション2】かんたん窓口システムシステム一つで
多様な住民接点を創出
『自治体DX推進計画』の重点取組事項に、自治体フロントヤード改革の推進が掲げられました。
「かんたん窓口システム」は、タブレット端末等でライフイベントに応じた手続き案内や申請書を作成するクラウドサービスです。
対象手続きを限定せず、用途に合わせて柔軟に利用できることが評価され、現在100団体以上に採用されています。フロントヤード改革の観点から、特に注目される特長をご紹介します。
〈住民との接点の多様化・充実化〉では、転出入届と関連する手続きに加えて、各課の「書かない窓口」も〝接点〟と捉え、さまざまな場面でシステムを活用することが重要と考えています。
かんたん窓口システムでは、職員が受付画面(手続きや入力項目、作成する申請書)を自由に設定できます。例えば、単独事業として実施する高齢者向けの給付申請など、住民異動と連動しない申請も手軽に実現。申請データを出力し、バックヤードで活用するなどの運用も可能です。
また、各課窓口で対面による申請手続きに利用するだけでなく、システム一つで〝多様な住民接点〟をかんたんに創出できるのも大きな特長です。一例が「ワンストップ窓口」です。この窓口運用では複数の手続きの専門知識が職員に求められますが、かんたん窓口システムの利用により、必要な手続きを判定でき誰でも容易に住民に案内、申請書の作成が行えます。
最近では、証明書交付など〈手続き件数が多く、申請書の記載項目が少ない申請〉で「セルフ窓口」を実現するケースや、本誌6~7ページでご紹介した尾花沢市の「移動市役所」のような活用例も登場しています。
フロント&バックを一体改革
昨年スタートした「引越し手続オンラインサービス」では、申請管理システムや住基システムとも連携。「スマート申請システム」との組み合わせで、対面が必要な手続きをオンラインで申請し、来庁時に転出入届と合わせてスムーズに各種手続きが行えます。このようにシステムを核として、フロントヤードからバックヤードまで、申請手続きにかかる業務全体の一貫したデジタル化が可能です。
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TKCではフロントヤード改革を支援するため、システム標準化後のデータ連携や「公共サービスメッシュ」についても分析・検討を進めています。ぜひ、ご期待ください。
掲載:『新風』2024年4月号