2021年1月号Vol.121

【TKC サポートインフォメーション2】福祉相談支援システム相談支援業務の負担軽減へ
システムを機能強化

 相談支援に携わる職員負担は、相談件数の増加や内容の複雑化により、今後も増大していくものと予想されます。
 そこで、さらなる業務の負担軽減を目指して「TASKクラウド福祉相談支援システム」の大幅な機能強化を図ります。
 なお、以下にご紹介するタイムラインで表示する「福祉相談支援システム、方法およびプログラム」は特許を取得(特許第6780144号)。また、「ジェノグラム上にエコマップを複数レイヤで描画する機能」は特許出願中です。

1 生活支援記録法(*)に基づくデータ登録・表示

 生活支援記録法(以下、記録法)に定義された項目単位で、支援実績を登録できるようにします。また、項目の追加や入力済み項目の並び替えも可能とします。
 記録法には、当面の対応予定を記載する項目「P(プラン)」があり、予定を立てれば、後日、その実施記録が発生します。これらの関連する経過記録をひも付けて時系列(タイムライン)に表示することで、相談支援の流れを容易に把握できるようになります。さらに、未実施のものについて対応予定もチェックできます。
 また、タイムライン表示は長期にわたる伴走型支援や、世帯に対して複数の職員・機関が関わる複雑なケースでも全体像を分かりやすく表示できます。

2 ジェノグラム、エコマップ作成機能の強化

 「ジェノグラム」とは、支援を必要としている住民の家族構成を表現する際に用いる表記法のことです。また、「エコマップ」とは、住民を取り巻く関係者・機関とその関係性を表現する際に用いる表記法のことです。
 相談支援業務の遂行には、ジェノグラムおよびエコマップの作成が不可欠です。今回の機能強化により、これらを作成する際に複数の層に分けて描画し、それらを重ねて表示できるようになります。
 例えば、世帯員ごとにエコマップを分けて作成しておくことで、その世帯員の関係者のみに絞って確認できるようになります。このほかにも、アイデア次第でさまざまな使い方が考えられます。

◇   ◇   ◇

 TKCでは、蓄積された相談支援内容の利活用も重要と考えており、これらのデータを分析して今後の施策検討に生かせる機能の研究も進めています。
 また、2021年4月稼働で国が構築を進める「要保護児童等に関する情報共有システム」との連携にも対応します。
 福祉相談支援システムは継続した機能強化により、今後も業務効率化と住民福祉の向上を支援してまいります。ご期待ください。

*生活支援記録法(F–SOAIP)
 嶌末憲子氏(埼玉県立大学准教授)らによって開発された項目形式の記録法。記録時間の短縮や多職種間での情報共有のさらなる円滑化等の実現が期待できる。
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