2022年7月号Vol.127
【TKC サポートインフォメーション1】消費税関連システム会計事務のDX推進支援へ
「インボイス制度」に対応
来年10月1日から「適格請求書等保存方式」(インボイス制度)が導入されます。これは複数税率に対応した仕入税額控除の新方式で、制度導入後は売手・買手ともに新たな義務が課されます。
具体的には、売手は買手(課税事業者)の求めに応じて「適格請求書」(インボイス)を交付し、その写しの保存が求められます。一方、買手は仕入税額控除の適用を受けるため、原則として売手から交付されたインボイス等の保存が必要となります。
これに伴い、市区町村でも消費税を扱う各種システムの改修が想定されます。なお、TKCでは以下の対応を予定しています。
1 改修予定のシステム
・公会計システム
・公営企業会計システム
・水道料金システム
・公共施設案内・予約システム
2 システム改修の概要
売手として、インボイスを交付する機能を提供します。そのため、適格請求書発行事業者に付与される登録番号を管理し、インボイスの要件を満たす納入通知書等を発行できるようにします。
また、交付したインボイスを調定にひも付けて電子保存するようにします。これにより、既存の調定検索機能から簡単に確認できるほか、「電子帳簿保存法」にも準拠します。
買手としては、売手のインボイスを伝票データと併せて保管。これにより、電子決裁の際に伝票とともに確認することができます。
さらに公営企業会計システムでは、①免税事業者の仕入税額控除計算、②税額計算における積上げ/割戻し計算を選択する──機能を提供し、消費税申告にかかる業務負担軽減を支援します。
電子インボイス対応も予定
制度では、インボイスを電子データで運用する「電子インボイス」の利活用も想定されています。
電子インボイスをネット上でやり取りするための国際標準仕様が、「Peppol(ペポル)」です。現在、これに対応した日本版仕様の制定が、TKCも参加する「デジタルインボイス推進協議会」で進められています。
電子インボイスの活用により、売手・買手ともに請求等にかかる業務の効率化や生産性向上が期待されます。TKCでは、市区町村の「財務会計事務のDX推進」を支援するため、公会計システムでの対応を予定しています。
なお、今後も本誌やフェアなどで、これらの最新情報を随時提供してまいりますので、ぜひご期待ください。
掲載:『新風』2022年7月号