TKC全国会とは

全国会活動

いま、TKC全国会が目指すもの
TKC全国会結成の目的と
50周年(2021年)に向けての具体的活動

中小企業の経営動向から

 以下のグラフは国税庁の資料(『国税庁50年史』)等から、日本の法人税申告書の黒字申告と赤字申告の割合を示したグラフです。この黒字申告法人割合の推移について分析してみると次の事実が分かります。

①1952年〜1974年頃 黒字申告法人割合が約70%の時代。
②1975年〜1992年頃 黒字申告法人割合が約50%の時代。
③1993年以降      黒字申告法人割合が約30%の時代。

 このデータはわが国の法人全体の数字ですが、その約99%が中小企業であることから、この推移がそのまま中小企業の経営動向であったことが分かります。すなわち、戦後30年間においては法人の約7割が黒字(利益企業)でしたが、1990年代に入ってこれが逆転し、いまや法人の約7割が赤字(欠損企業)となっているという事実です。その最初の歴史的転換点は「円の変動相場制への移行」(1973年)であり、2回目は「バブル経済の崩壊」と「ソ連の崩壊による冷戦の終結」(共に1991年)にあり、さらに「リーマンショック」(2008年)が赤字企業の増加に拍車をかけたと思われます。

 なお、国税庁の発表(ホームページ:2015年10月)によると、2014事務年度における全法人の黒字申告割合は30.6%で、前年比1.5ポイント増となっています。過去最低であった2010年事務年度の25.2%からは4年連続で上昇しているものの、依然として約7割の法人が赤字となっています。

 このような経営動向は、会計事務所に対するニーズを大きく変化させています。

会計事務所に対するニーズの変化

 黒字法人割合が約70%の1950年代から1970年代半ばまでは、節税対策がニーズの中心であり、青色申告制度に基づいて会計帳簿の「記帳代行」を行うことが大いに役立ちました。しかし、1990年代に入って赤字法人割合が約70%となると、会計事務所の中小企業に対する最大の貢献策は「黒字決算の実現支援」と「適正な税務申告」となってきました。一方でIT技術の進歩は低価格なクラウド会計ソフトの普及をもたらし、すでに会計記帳は中小企業において自ら簡単にできる環境が整っています。こうしたことからも会計事務所は「記帳代行」を行うだけでは中小企業への貢献を果たすことができません。

 中小企業においては、黒字決算の継続的な実現、すなわち自社の生き残りのために経営戦略が真剣に模索されています。私たち税理士はこのような新しいニーズに的確に応えていかなければなりません。

TKC全国会結成の目的

 TKC全国会結成の目的は、その会則の前文に以下のとおり示されています。

 TKC全国会は、我が国職業会計人の職域防衛と運命打開とを目的として開発されたTKCのコンピュータ会計システムを利用する職業会計人が、その事務所の業務水準の向上と関与先企業等の育成発展とを祈願して結成した血縁的集団であり、その目指すところは、自利利他──自利とは利他をいう──の理念の実践により、確固とした職業倫理と使命感とを堅持しつつ、社会と企業の発展に貢献することにある。

 今日、日本経済を支える中小企業は、依然として厳しい経済環境にさらされており、私たちTKC全国会の結成目的の実現はまだ道半ばにあるといわざるをえません。

 一方で、私たち税理士に対する中小企業の支援者としての社会的な期待がこれまで以上に高まってきています。私たちは、こうした社会的な期待に応え、TKC全国会の結成の目的を実現するためにも「中小企業の支援者」としての役割を積極的に果たすことが求められています。

戦略目標達成のためのロードマップ

 TKC全国会では、こうした社会的な期待に積極的に応えるため、2014年1月17日に開催した「TKC全国会政策発表会」において、2014年からの統一行動テーマを

Chance,Change and Challenge
未来を拓く。TKC会計人の新成長戦略2021!

とし、政策課題と戦略目標を実現するためのロードマップを発表しました。

 このロードマップでは、創設50周年(2021年)までの期間を3つのステージに分け、以下の活動テーマを設定し、積極的な活動を展開しています(図1)。

図1

  • ●第1ステージをChance:
    2014~2016年
    TKC会員事務所の総合力強化と会員数の拡大
  • ●第2ステージ Change:
    2017~2018年
    事務所総合力を発揮し、
    高付加価値体制を構築
  • ●第3ステージ Challenge:
    2019~2021年
    TKCブランドで社会を変える

第2ステージの活動

図2

 2014年から2016年の3年間では、第1ステージとしてTKCシステムの活用によりTKC会員事務所の総合力を強化するとともに、会員数を拡大する期間と定め、TKC会員事務所の体質改善に取り組んできました。

 これに続き、2017年1月から2018年12月までの第2ステージでは、第1ステージの運動を通じて強化してきた事務所総合力を発揮し、「中小企業の支援者」として中小企業の発展のために運動を行う期間と定めています。

 第2ステージにおいては、「会計で会社を強くする」の考え方のもと、TKC全国会の事業目的に定める以下の2つを重点テーマとして運動してまいります。

 私たちは、こうした中小企業の支援者としての運動を通じ、税理士に対する社会からの期待に応え、日本経済の発展に貢献してまいります。


(『TKC全国会のすべて 2017年版』より転載)