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実務・研究上重要と思われる「注目の判例」を
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2026.01.13
司法警察員がした押収物の還付に関する処分に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告事件、検察官がした押収物の還付に関する処分に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告事件 new
LEX/DB25574583/最高裁判所第三小法廷 令和 7年11月10日 決定(特別抗告審)/令和7年(し)第177号、令和7年(し)第178号
警視庁組織犯罪対策部組織犯罪対策第二課司法警察員は、ホテルのロビーにおいてAが持参した不動産購入代金1億5000万円等在中のスーツケース1個を持ち去り窃取したという窃盗被疑事件について、申立人使用の自動車を捜索してスーツケース1個を差し押さえ、同課司法警察員は、同日、A及びその母親で前記1億5000万円の所有者とされるBを立ち会わせて本件スーツケースを開け、その中から主文掲記の現金1500万円を発見し、本件現金在中の本件スーツケースを前記窃盗被疑事件の被害品と認めてAに還付した後、Aから改めて本件現金及び本件スーツケースの任意提出を受けて領置し、本件現金は、その後、東京地方検察庁検察官に送致され、保管されているところ、申立人は、ホテルのロビーにおいてAに対し一時的に預かる旨うそを言って同人が持参した不動産購入代金1億5000万円等在中のスーツケース1個の交付を受けてだまし取ったという詐欺の公訴事実で起訴されたが、無罪判決を受け、同判決は、検察官から控訴がなく、確定したことから、申立人は、本件現金の還付を請求したが、東京地方検察庁検察官は、還付請求に応じず還付をしない処分をしたため、申立人は、司法警察員がした本件現金在中の本件スーツケースをAに還付する処分のうち本件現金を還付した部分の取消しを求めて刑訴法430条2項の準抗告を申し立てたところ、原決定が、本件還付処分に違法はないとして、前記準抗告を棄却したため、申立人が特別抗告を申し立てた事案で、原決定は、取り消されるべき本件還付処分が有効であることを前提に、申立人が押収処分を受けた者に当たらないとして本件還付拒否処分を是認しており、刑訴法222条1項、123条1項の解釈適用を誤った違法があり、これが決定に影響を及ぼし、原決定を取り消さなければ著しく正義に反するものと認められるとして、各原決定を取り消し、警視庁司法警察員がAに対して押収物を還付した処分のうち現金1500万円を還付した部分及び東京地方検察庁検察官が申立人に対してした前記現金1500万円の還付をしない処分をいずれも取り消した事例。
2026.01.13
道路交通法違反、過失運転致死(変更後の訴因危険運転致死、予備的訴因過失運転致死)被告事件 new
LEX/DB25624014/さいたま地方裁判所 令和 7年 9月19日 判決(第一審)/令和6年(わ)第1579号
被告人は、〔1〕酒気を帯び、呼気1リットルにつき0.15mg以上のアルコールを身体に保有する状態で、普通乗用自動車を運転し、〔2〕前記車両を運転し、最高速度が30km毎時と指定された狭隘な一方通行路を西方から東方に逆進するにあたり、優先道路と交差し、交通整理の行われていない交差点に、その進行を制御することが困難な時速約125kmの高速度で進入したことにより、被害者(当時51歳)運転の普通乗用自動車左側面部に自車前部を衝突させ、その衝撃により、同人運転車両を路外に逸脱させて建物等に衝突させ、同人に外傷性大動脈解離の傷害を負わせ、同人を同傷害により死亡させたとして、道路交通法違反、過失運転致死(変更後の訴因:危険運転致死、予備的訴因過失運転致死)の罪で、懲役9年(予備的訴因が成立するに留まる場合懲役6年)を求刑された事案で、被告人は、道路の状況や自己の高速度走行の状況を認識したうえで本件運転をしたものであり、故意に欠けるところもないから、進行を制御することが困難な高速度による危険運転致死罪が成立すると認められるとしたうえで、被告人の刑事責任は誠に重大であるところ、保険により相応の賠償がされることが確実であり、物損についても支払済みであることは大きく考慮すべきであるし、被告人が、自己の判断の誤りや交通ルールを遵守することの重要性について考えを深めていることが認められるが、故意の行為により被害者を死亡させた事件を行った当時18歳の少年であった被告人について、保護処分を相当とする理由は認められないとして、被告人を懲役9年に処した事例(裁判員裁判)。
2026.01.06
現住建造物等放火、殺人被告事件 
LEX/DB25574581/札幌地方裁判所 令和 7年 9月17日 判決(第一審)/令和5年(わ)第27号
被告人は、A(当時71歳)及びB(当時51歳)ら14名が現に住居に使用し、かつ、同人らが現にいる無料低額宿泊所「C」(本件施設)に放火して前記Aを殺害しようと考え、前記Bら他の入居者が死亡するかもしれないことを認識しながら、本件施設213号室の当時の被告人方居室及び2階廊下等に灯油をまいたうえ、殺意をもって、ライターで紙片に火をつけ、これを用いて同居室内のカーテンに点火して火を放ち、その火を本件施設の床面及び壁等に燃え移らせ、よって、本件施設を全焼させて焼損するとともに、本件施設201号室において前記Aを、本件施設206号室において前記Bを、それぞれ焼死させて殺害したとして、現住建造物等放火、殺人の罪で懲役30年を求刑された事案で、本件犯行当時の被告人には、善悪の識別に従って自分の行動をコントロールできる能力が失われていた疑いが残るといわざるを得ず、完全責任能力を有していたとは認められないし、心神耗弱であったとも認められず、責任能力が失われていたとの合理的な疑いが残るから、被告人による本件行為は、心神喪失者の行為として罪とならない(刑法39条1項)として、被告人に無罪を言い渡した事例(裁判員裁判)。