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実務・研究上重要と思われる「注目の判例」を
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「注目の判例」バックナンバーへ

2026.06.16
損害賠償請求控訴事件 new
LEX/DB25628826/東京高等裁判所 令和 8年 3月12日 判決(控訴審)/令和7年(ネ)第3343号
第35期ないし第37期竜王戦を主催した1審原告らが、1審被告は、1審原告らの許諾を得ることなく本件各竜王戦の棋譜を利用した本件各動画をインターネット上の動画配信サイトである「YouTube」において配信して、1審原告らの営業上の利益を侵害し、これにより1審原告らに損害が発生したと主張して、1審被告に対し、民法709条に基づき、各金員及び遅延損害金の支払を求め、原審が、上記の請求のうち第35期竜王戦及び第36期竜王戦に関する部分について、1審原告Y社の請求につき、一部認容し、その余を棄却し、1審原告連盟の請求を棄却したところ、1審原告ら及び1審被告がそれぞれ控訴し、なお、1審原告らは、当審において、第37期竜王戦に関する請求として、金員及び遅延損害金の支払を求める請求を追加した事案で、1審原告らの利益を保護することは、棋士の保護や将棋の普及発展に寄与するものであり、1審原告らの営業上の利益を保護する必要性は高いといえるところ、1審原告らは、本件各竜王戦を開催するために、それぞれ多額の費用及び多大な労力をその営業活動に投下していること、本件各配信と1審原告らの棋譜を利用した営業活動とは、本件各竜王戦の棋譜を知りたい顧客を奪い合う競合関係にあり、本件各配信は、1審原告らの営業活動による収益モデルを成り立たなくするおそれのある行為であること、本件ガイドライン及び本件運用細則では、本件各竜王戦の対局当日に初手から終局までを通しての棋譜を利用することの許諾は与えていないところ、1審被告は、このことを認識しながら、1審原告らに無断で、1審原告らが投下した費用及び労力にフリーライドしてその棋譜を利用したものであり、本件各配信の態様は悪質であることを考慮すると、本件各配信は、「特段の事情」があるものとして、不法行為を構成するというべきであるなどとして、1審原告らの本件各控訴をいずれも棄却し、1審被告の本件控訴に基づき、原判決中1審原告Y社に関する部分を変更し、1審原告らの追加請求を一部認容した事例。
2026.06.16
更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件 new
「新・判例解説Watch」租税法分野 令和8年11月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25627914/東京高等裁判所 令和 7年10月30日 判決(控訴審)/令和5年(行コ)第78号
東京地方裁判所より破産手続開始決定を受けた株式会社C(破産会社)とその顧客との間で「オーナー制度」という仕組みの下でされた取引のうち「Aコース」(本件取引)の実態は金銭消費貸借契約に基づく顧客からの預り金であるのに、出資法などの関係法令に違反していないように装うため、破産会社において、会計上本件取引を買戻特約付売買契約であるかのように処理し、これに基づいて本件課税期間における消費税等及び法人税等の確定申告を行っていたと主張して、破産会社の破産管財人である控訴人が、本件課税期間の消費税等及び法人税等に係る更正の請求を行ったところ、Z税務署長から、更正をすべき理由がない旨の各通知処分を受けたため、被控訴人・国を相手に、本件処分の取消しを求め、原審が、本件取引の少なくとも一部については、その実質が金銭消費貸借契約にほかならないと認めたものの、更正の請求の対象となる本件取引等の額について立証がなく、更正すべき金額の立証もないから、更正すべき理由があるとは認められないとして、控訴人の請求をいずれも棄却したところ、これを不服として控訴人が控訴した事案で、更正の対象となるべき本件取引等について特定した立証がなく、そうである以上、本件取引のうち「F2」第8期以外の部分について、そのすべてが同様に金銭消費貸借契約としての実質を備えていると仮定したとしても、本件課税期間における消費税等及び法人税等につき、本件取引の特定等、本件における更正の請求に係る事実関係の立証がなく不明というほかないのであるから、本件各確定申告について更正すべき理由があるとの控訴人の主張は、採用することができないとして、本件控訴を棄却した事例。
2026.06.09
不正競争行為差止等請求事件 
「新・判例解説Watch」知的財産法分野 令和8年9月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25574947/最高裁判所第二小法廷所 令和 8年 4月24日 判決(上告審)/令和7年(受)第356号
上告人甲社は、デザイナーである乙から上告人製品に係る著作権を取得し、上告人丙社は、上告人甲社から同著作権の独占的利用権を取得し、上告人製品を製造販売等しており、他方、被上告人は、被上告人各製品を製造販売等しているところ、上告人らが、被上告人に対し、被上告人による被上告人各製品の製造販売等の行為が、上告人らの商品等表示として周知又は著名なものと同一の商品等表示を使用する不正競争行為(不競法2条1項1号、2号)に該当する、仮に該当しないとしても、上告人製品について、上告人甲社が有する著作権及び上告人乙社が有するその独占的利用権の各侵害行為(著作権法21条、27条)に該当するなどと主張して、差止めや廃棄、損害賠償を求め、第一審が請求を棄却したことから、上告人らが控訴し、控訴審が控訴をいずれも棄却したところ、上告人らが上告した事案で、量産実用品の全体又は部分における形状等が、観念上、機能に由来する構成とは別個に、思想又は感情の創作的な表現として把握することができるものである場合には、当該量産実用品の全体又は部分は、著作権法2条1項1号にいう著作物のうち、美術の範囲に属するものに当たるというべきであるとしたうえで、本件椅子は、量産実用品であって、上告人らは、約66度の略L字型を成して床面から立ち上がっている2本の脚を有し、当該2本の脚の間に座面板及び足置板が床面と平行に固定されるようになっている点において創作性が認められるから、本件椅子が著作物に当たると主張するが、上記の点は、子供用の椅子としての機能に由来する構成である脚、座面板及び足置板の配置による形状が美感を起こさせるものであることを基礎付ける事情に過ぎず、本件椅子の全体又は部分における形状等は、子供用の椅子としての機能に由来する構成としてしかこれを把握することができないから、当該構成とは別個に、思想又は感情の創作的な表現として把握することができるものではなく、よって、本件椅子は、著作物に当たるとはいえないとして、本件上告を棄却した事例(補足意見あり)。