2026.02.10
建物明渡等請求本訴、損害賠償請求反訴事件

LEX/DB25574725/最高裁判所第二小法廷 令和 8年 1月 9日 判決(上告審)/令和6年(受)第1046号
本件本訴は、国が所有する国家公務員宿舎の居室について、国から使用許可を受けた被上告人・福島県が、各居室をそれぞれ占有し、または占有していた上告人らに対し、上告人P3に対しては、国の上告人らに対する所有権に基づく明渡請求権を代位行使すると主張して居室の明渡しを求め、上告人らに対し、上告人らの各占有により被上告人の使用収益権が侵害されたとして、不法行為に基づき賃料相当損害金の各支払を求め、本件反訴は、上告人らが、被上告人知事の政策判断や被上告人職員らの嫌がらせ等により精神的苦痛を受けたと主張して、国家賠償請求権に基づき慰謝料の一部等の支払を求めたところ、第一審が、上告人らは本件各建物につき占有権原を有せず、また、被上告人が国の明渡請求権を代位行使することが違法であるとはいえないとして、被上告人の本訴請求をいずれも認容する一方、上告人らの反訴請求をいずれも理由がないとして棄却したため、上告人らが控訴し、反訴請求における遅延損害金の請求をそれぞれ本訴請求の提起日から年3分の割合として、請求の拡張をし、控訴審が、原判決は相当であるなどとして、本件控訴をいずれも棄却し、当審における拡張請求をいずれも棄却したことから、上告人らが上告した事案で、被上告人が上記建物明渡請求権の代位行使をすることができるとした原審の判断は、結論において是認することができ、原判決に所論の違法はなく、また、所論は、本件判断は裁量権の範囲を逸脱する違法なものであって、上告人は本件建物について占有権原を有するにもかかわらず、これを否定した原審の判断には、法令の解釈適用の誤りがあるというものであるが、しかし、本件判断が違法なものであるか否かは、上告人の占有権原の有無に影響を及ぼすものではなく、前記事実関係の下において、上告人が本件建物について占有権原を有するとはいえないとした原審の判断は、正当として是認することができるとして、本件上告を棄却した事例(共同意見、意見、反対意見あり)。
2026.02.10
「結婚の自由をすべての人に」訴訟控訴事件
★「新・判例解説Watch」民法(家族法)分野 令和8年2月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
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LEX/DB25574739/東京高等裁判所 令和 7年11月28日 判決(控訴審)/令和6年(ネ)第1861号
法律上の性別を同じくする者との間で法律婚制度を利用することを希望する控訴人(原告)らが、民法及び戸籍法の諸規定が現行の法律婚制度を利用できる者を法律上異性の者同士に限定しているのは、日本国憲法24条1項、2項、14条1項に適合しておらず、これらの条項に違反する憲法違反があるにもかかわらず、被控訴人(被告)・国が、正当な理由なく長期にわたって、同性の者同士の婚姻を可能とする立法措置を講ずるべき義務を怠っていることが国家賠償法1条1項の適用上、違法の評価を受けるなどと主張して、被控訴人に対し、同項に基づき、慰謝料各100万円及び遅延損害金の支払を求め、原審が、控訴人らの請求をいずれも棄却したところ、控訴人らが控訴した事案で、〔1〕「本件諸規定が憲法24条1項に違反するか」について、同性の者同士の結合関係(同性の者同士の事実婚)が憲法24条の「婚姻」に含まれ、又はこれに同条1項の類推適用がされるとは解されず、同性の者同士が憲法上「婚姻」の自由を保障されているとはいえないから、本件諸規定が憲法24条1項に違反する旨の控訴人らの主張は、採用することができないとし、〔2〕「本件諸規定が憲法14条1項に違反するか」について、本件諸規定又は同性の者同士に係る家族に関する法制度の不存在によって生じる本件区別取扱いが憲法14条1項に違反する旨の控訴人らの主張は採用することができないとし、〔3〕「本件諸規定が憲法24条2項に違反するか」について、憲法24条2項違反に関する控訴人らの主張は、結局のところ、憲法24条1項違反と14条1項違反に関する主張と同趣旨であり、憲法24条1項、14条1項に違反しない本件諸規定又は同性の者同士に係る家族に関する法制度の不存在について、国会の立法裁量の範囲を超えるものとみざるを得ないような場合に当たるとする主張として採用することができないなどとして、本件各控訴をいずれも棄却した事例。
2026.02.03
残存費用等請求事件
LEX/DB25574693/最高裁判所第三小法廷 令和 7年12月23日 判決(上告審)/令和6年(受)第204号
被上告人は、T社が販売する戸建て住宅にLPガスの消費設備に係る配管及びガス栓を設置したが、本件消費設備の部品代金や設置費用、給湯器やそのリモコンの設置費用等をT社に請求しなかったところ、上告人は、T社から本件住宅を購入したことから、被上告人が、LPガスの供給等に関する契約の条項は、本件設置費用に関し、上告人に本件算定額の支払義務があることを定めた合意である旨主張し、上告人に対し、本件算定額である17万3775円及び遅延損害金の支払を求め、第一審が請求を棄却したことから、被上告人が控訴し、控訴審が、本件条項は、10年間にわたって上告人から被上告人に対して支払われるガス料金の中から回収することが予定されていた本件設置費用について、その未回収分を上告人において支払う旨の合意であって、違約金等条項に当たらないと判断し、被上告人の請求を認容したところ、上告人が上告した事案で、本件条項は、本件消費設備等の設置の対価を定めたものではなく、本件供給契約が供給開始日から10年経過前に解約されるなどして被上告人がその後のガス料金を得られなくなった場合に本件算定額の支払義務を負わせることで、短期間の解約が生ずることを防止し、本件供給契約を長期間維持することを図るとともに、併せて先行投資された本件設置費用に関して被上告人が被る可能性のある損失を補てんすることも目的の一つとするものというべきであり、実質的にみると、解除に伴う損害賠償の額の予定又は違約金の定めとして機能するものということができるから、本件条項は、違約金等条項に当たるというべきであり、以上と異なる見解の下に、本件条項が違約金等条項に当たらないとした原審の上記判断には法令の解釈適用を誤った違法があるとしたうえで、本件条項は、その全部について消費者契約法9条1号により無効となるというべきであるとして、原判決を破棄し、被上告人の控訴を棄却した事例。