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実務・研究上重要と思われる「注目の判例」を
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2026.07.14
所得税更正処分取消等請求事件 new
「新・判例解説Watch」租税法分野 令和8年9月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25575065/最高裁判所第三小法廷 令和 8年 6月23日 判決(上告審)/令和6年(行ヒ)第160号
Aの相続人である被上告人(一審原告)らは、Aの本件銀行に対する債務を相続し、その後、同債務についてAと本件銀行との間で成立していた一定額の分割金を支払った場合には残部について債務免除をするとの裁判上の和解に基づき、本件銀行から上記債務の分割金支払後の残部(本件債務)について免除を受けたが、その免除益に関する所得を申告せずに平成28年分の確定申告を行ったところ、本件債務の免除によって得た利益は一時所得に係る総収入金額に当たり、そこから所定の方法で算出した一定の金額を総所得金額に算入すべきであるとして、処分行政庁から所得税及び復興特別所得税の更正及びこれに伴う過少申告加算税の賦課決定を受けたことから、被上告人らが、上告人(一審被告)・国に対し、本件各処分の違法を主張して、その取消しを求め、第一審が、被上告人らの請求のうち、原判決記載の課税標準及び税額を超える部分についてのみ本件各処分を取り消し、その余を棄却したところ、被上告人ら及び上告人が、それぞれ控訴し、控訴審が、本件においては、本件債務免除益に所得税の課税をすることは、所得税法9条1項16号に反して許されず、本件各処分は、取り消されるべきであって、被上告人らの請求を全部認容すべきであるとして、被上告人らの控訴に基づき、第一審判決を変更し、上告人の控訴を棄却したところ、上告人が上告した事案で、本件においては、被上告人らがAを相続した後に本件債務の免除の効力が生じたのであるから、被上告人らが、これによる経済的利益を相続等により取得したということはできず、そして、本件相続に関し、本件債務が相続税法14条1項所定の「確実と認められるもの」に当たらず、相続税の課税価格に算入すべき価額からその金額が控除されないとしても、本件相続後に本件債務が消滅することによって生ずる経済的価値に対して相続税が課されるものではないから、上記経済的利益に所得税を課すことは、同一の経済的価値に対し相続税と所得税とを二重に課すものとはいえず、本件規定の上記趣旨に反するものではないというべきであり、したがって、本件債務の免除により被上告人らが受ける経済的利益は、本件規定所定の非課税所得には当たらず、上記経済的利益に所得税を課すことが、本件規定に反するということはできず、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、本件を東京高等裁判所に差し戻した事例。
2026.07.14
保険金、保険金反訴請求控訴事件 new
LEX/DB25629588/東京高等裁判所 令和 7年11月26日 判決(控訴審)/令和6年(ネ)第2464号
控訴人会社が、保険会社である被控訴人会社との間でサイバーリスク保険契約を締結していたところ、本件保険契約にいう「不正アクセス等」(不正アクセス)の被害を受けたと主張して、被控訴人に対し、既に支払われた保険金以外に、保険金7938万3319円及びこれに対する遅延損害金の支払を求め(本訴)、これに対して、被控訴人が、不正アクセスは存在せず、被控訴人が控訴人に対してこれまでに支払った保険金274万6988円は控訴人が法律上の原因なく利得したものであり、控訴人は悪意の受益者であるとして、不当利得返還請求権に基づき、同額及びこれに対する最後の保険金支払日である令和元年6月4日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息の支払を求め(反訴)、原審が控訴人の本訴請求を棄却し、被控訴人の反訴請求を274万6988円及びこれに対する令和元年12月9日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息の支払を求める限度で認容したことから、控訴人が控訴した事案で、本件業務委託契約の主たる対象である本件サイトは、本件申告被害期間において運用の実体があるサイトとして存在していたものとは認められず、その存在を前提とする本件申告被害の発生及び不正アクセスも認められないものというべきであるから、本件保険金の既払金は法律上の原因がないものと認められ、また、控訴人は、既払保険金を受領した時点からこのことについて悪意であったと認められるところ、被控訴人の不当利得返還請求権に基づく274万6988円の支払請求には理由があり、原判決は結論において相当であるとして、本件控訴を棄却した事例。
2026.07.07
法人税額等の更正及び過少申告加算税賦課決定処分取消等請求控訴事件 
「新・判例解説Watch」租税法分野 令和8年9月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25629366/東京高等裁判所 令和 7年 5月29日 判決(控訴審)/令和5年(行コ)第314号
一般社団法人である控訴人(原告)は、前身である社団法人の時代から、陸上自衛隊E演習場の土地及びF営舎地区の土地の所有名義人であり、これを国に貸し付け、国から受領した賃貸料を、本件演習場の土地及び本件営舎地区の土地の使用収益権者とされている会員に分配するとともに、そのうちの3%を控除して取得していたところ、控訴人は、平成25年4月1日に一般社団法人に移行したが、上記賃貸料及び分配金について、同移行後も、法人税、復興特別法人税及び地方法人税の申告対象としていなかったところ、処分行政庁が、平成30年3月27日、平成25年から平成28年までの各12月期の本件各事業年度について、平成25年4月1日から平成29年3月31日までの期間(本件期間)の上記賃貸料(本件各賃貸料)に係る収入が控訴人の収益に当たり、本件各受給者に対する分配金の支払が法人税法37条の寄附金に当たるなどとして、〔1〕本件各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、〔2〕平成25年及び平成26年の各12月課税事業年度の復興特別法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、〔3〕平成27年及び平成28年の各12月課税事業年度の地方法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分をしたことから、控訴人が、被控訴人(被告)・国に対し、本件各賃貸料収入は、控訴人に帰属せず、本件金員の支払は寄附金に当たらないとして、本件各処分の一部の取消しを求め、原審が控訴人の請求をいずれも棄却したため、控訴人が控訴した事案で、控訴人は、本件各賃貸借契約における単なる名義人に過ぎないというべきであり、本件各賃貸料収入のうち地権者に支払われた本件金員に対応する部分の収益を享受していないと認めるのが相当であるなどとして、原判決を取り消し、沼津税務署長が控訴人に対してした、各更正及び過少申告加算税賦課決定のうち一部を取り消した事例。