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実務・研究上重要と思われる「注目の判例」を
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2026.10.20
警察庁保有個人情報管理簿一部不開示決定取消等請求控訴事件 new
LEX/DB25640316/東京高等裁判所 令和 8年 2月 5日 判決(差戻控訴審)/令和7年(行コ)第195号
原告が、行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づき、警察庁長官に対し、行政文書の開示を請求したところ、警察庁の保有する保有個人情報管理簿122通につき、それぞれの一部を開示し、その余の部分には、情報公開法5条3号又は4号所定の不開示情報が記録されているとして、これを不開示とする旨の決定を受けたため、被告・国を相手に、不開示部分の取消し等を求め、差戻し前第一審が、本件処分のうち一部を取り消し、警察庁長官に対して同部分を開示する旨の決定をするよう命じ、本件処分のうちその余の取消請求については棄却し、またその余の義務付け請求に係る部分を不適法却下したため、原告が控訴し、控訴審が、全10項目のうち3項目の記載欄についてはいずれも3号情報又は4号情報に該当すると認められ、7項目の記載欄については、そのうち分類A及び分類Bの情報については3号情報又は4号情報に該当すると認められる一方、分類Cの情報についてはこれらの該当性を認めることができないとし、7項目の記載欄のうち分類Cに係る部分は、情報公開法6条1項に基づき、開示しなければならないとして、差戻し前第一審判決を変更したところ、原告が上告し、上告審が、控訴審は、別件各決定によっても開示されていない「備考」欄である別紙目録記載2及び3の部分についても、被上告人に対し、文書ごとに、小項目が設けられているか否か、小項目が設けられている場合に、それでもなお当該「備考」欄について一体的に本件各号情報が記録されているといえるか否か等について明らかにするよう求めたうえで、合理的に区切られた範囲ごとに、本件各号情報該当性についての判断をすべきであったということができるが、しかるに、控訴審はそれぞれ一体的に本件各号情報該当性についての判断をしたものであり、判決に影響を及ぼすことが明らかな違法があるとして、原判決中、一部を破棄し、当該破棄部分につき、本件を東京高等裁判所に差し戻し、上告人のその余の上告を棄却し、同棄却を受け差し戻された差戻し控訴審の事案で、本件文書67及び68の「備考」欄のうち「名称」欄の文言が記載されている部分を不開示とした警察庁長官の判断に、裁量権の範囲の逸脱又は濫用があるとはいえず、本件不開示部分の開示を求める控訴人の請求を棄却した原判決は相当であって、本件控訴は理由がないとして、本件控訴を棄却した事例。
2026.10.20
各生活保護基準引下げ違憲国家賠償等請求控訴事件 new
LEX/DB25575225/東京高等裁判所 令和 7年 3月27日 判決(控訴審)/令和4年(行コ)第216号
生活保護法による保護の基準(保護基準)は、昭和38年に定められてから今日に至るまで随時の改定を経ており、厚生労働大臣は、保護基準が定める生活扶助に関する基準(生活扶助基準)につき、平成25年改定、平成26年改定及び平成27年改定により順次その改定をした(本件改定)ところ、本件改定により、ほとんどの保護受給世帯について生活扶助基準が改定前の基準と比べて引き下げられることとなったことについて、東京都内において生活保護を受けている一審原告らが、本件改定によって健康で文化的な最低限度の生活に満たない生活状況を強いられており、本件改定は憲法25条、生活保護法3条、及び8条2項等に違反する違憲、違法なものであり、これを受けて行われた本件各変更決定も違憲、違法であると主張して、各処分行政庁である一審被告らに対し、各変更決定の一部もしくは全部の取消し等(本件各主位的及び予備的請求)を求めるとともに、厚生労働大臣による本件改定はいずれも国家賠償法1条1項の適用上違法であり、これらにより精神的苦痛を被っている旨主張して、一審被告国に対し、損害賠償金等の支払を求め、原審が、一審原告らの訴えのうち本件各主位的取消請求に係る訴え及び本件義務付けの訴えを不適法却下し、一審被告各地方公共団体に対する本件各予備的取消請求を認容するとともに、一審被告国に対する国家賠償請求を棄却したところ、一審原告ら及び一審被告各地方公共団体が控訴した事案で、本件改定は、生活保護法3条及び8条2項の各規定に違反する違法なものであり、本件改定に伴って各処分行政庁によりされた本件各変更決定も違法であるから、これらの決定の取消しを求める一審原告らの請求(本件各予備的取消請求)は、いずれも理由があるから認容すべきであり、一審原告らの一審被告国に対する国家賠償請求については、いずれも理由がないから棄却すべきであるところ、これと同旨の原判決は相当であるとして、本件各控訴をいずれも棄却した事例。
2026.10.13
建物明渡等請求事件 
★「新・判例解説Watch」行政法分野の解説記事の掲載を予定しております★
LEX/DB25575233/最高裁判所第二小法廷 令和 8年 9月14日 判決(上告審)/令和7年(受)第1337号
本件建物を所有している被上告人・目黒区が、東日本大震災による避難者である上告人に対してしていた一時使用許可の終了後も本件建物を占有したことを理由に、民法709条に基づく損害賠償請求又は不当利得返還請求として、損害金又は不当利得金及び遅延損害金の支払を求め、第一審が、被上告人が上告人に対して本件建物の使用許可を継続することなく退去を求めたことが、上告人の主張する憲法各条に違反すると認めることはできず、権利濫用又は信義則違反に当たると認めることもできず、上告人による本件建物の占有は、権原に基づくことなく原告の所有権を侵害する不法行為に当たるとともに、これにより上告人に法律上の原因のない不当利得を生じさせるものであったと認められるとして、被上告人の請求を認容したことから、上告人が控訴し、控訴審が控訴を棄却したところ、上告人が上告した事案で、所論は、被上告人が上告人に対して本件建物からの退去を求めることは権利の濫用又は信義則違反により違法と評価されるから、反射的に上告人の占有権原が認められ、被上告人の上告人に対する本件建物の使用料等相当損害金の請求は認められないにもかかわらず、これを肯定した原審の判断には、法令の解釈適用の誤りがあるというものであるとしたうえで、しかしながら、そもそも、仮に被上告人が上告人に対して本件建物からの退去を求めることが権利の濫用又は信義則違反に当たるとしても、これにより、上告人が本件建物を占有することによる使用料等相当損害金が発生しないことになるものではないから、所論は前提を欠くというべきであって、本件事実関係の下において、被上告人の上告人に対する本件建物の使用料等相当損害金の請求を認容すべきものとした原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はないとして、本件上告を棄却した事例(反対意見あり)。