2026.06.02
入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反、公契約関係競売入札妨害被告事件

LEX/DB25574945/最高裁判所第三小法廷 令和 8年 4月21日 決定(上告審)/令和6年(あ)第1657号
日南市副市長であった被告人が、職員の担任する市発注の工事等の入札及び契約等に関する事務を指揮監督するとともに、日南市指名競争入札参加者資格等審査委員会委員長として、同市発注の建設工事等の競争入札への参加資格及び指名について審査するなどの職務に従事する立場にありながら、b協会会長を務めていたc株式会社の代表取締役dに対し、予定価格の公表前に、職務上知り得た秘密である、予定価格に近似する概ねの査定決定額等を教示し(第1の行為)、また、同人の要望に応じ、指名業者の選定に際し、談合に参加しない建設会社を指名競争入札から排除することとなる取扱いを導入した選定をさせた(第2の行為)として、入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反、公契約関係競売入札妨害の罪で懲役2年を求刑され、第一審が、懲役2年、執行猶予3年間の刑を言い渡したところ、被告人が控訴し、控訴審が、弁護人らは、第一審において、法令適用の誤りや訴訟手続の法令違反及び事実誤認があったと主張するが、第一審判決の認定に論理則、経験則に反するところはなく、その他所論が主張するところを検討しても、明らかな法令適用の誤り及び訴訟手続の法令違反、事実の誤認はないとして、控訴を棄却したところ、被告人が上告した事案で、第1の行為は、官製談合防止法8条にいう「公正を害すべき行為」に当たり、第2の行為は、同条にいう「公正を害すべき行為」及び刑法96条の6第1項にいう「公正を害すべき行為」に当たるというべきであるから、(1)第1の行為について官製談合防止法8条違反、(2)第2の行為について同条違反、公契約関係競売入札妨害の各罪の成立を認めた第1審判決を是認した控訴審判決の判断は正当であるとして、本件上告を棄却した事例。
2026.06.02
懲罰取消等請求控訴事件

LEX/DB25628032/東京高等裁判所 令和 8年 4月15日 判決(控訴審)/令和7年(ネ)第3310号
刑事施設である喜連川社会復帰促進センターに受刑者として収容されていた控訴人が、その収容中に金属アレルギーを理由にひげをそることを拒否したところ、〔1〕本件センター第3区を担当する統括矯正処遇官(第3区長)により、控訴人に対し、有形力を行使してそのひげをそる措置がとられ、本件センターの職員2名においてその執行がされ、その後、〔2〕本件センター長により、控訴人に対し、ひげをそることを拒否したことを理由に閉居10日間の懲罰を科す決定がされ、その執行がされ、さらに、〔3〕東京矯正管区長により、控訴人が本件懲罰を不服としてした審査の申請を却下する旨の本件裁決がされたことについて、本件措置、本件懲罰及び本件裁決はいずれも国家賠償法上違法であると主張し、そのほかにも、〔4〕本件センターの職員から違法な各種処遇を受けたなどと主張して、被控訴人・国に対し、国賠法1条1項に基づき、慰謝料及び遅延損害金の支払を求め、原審が、本件措置について3万円、本件懲罰について15万円の各慰謝料とこれらに対する遅延損害金の支払を求める限度で控訴人の請求を認容し、その余の請求をいずれも棄却したところ、控訴人が控訴し、当審において、上記遅延損害金の請求を一部減縮した事案で、〔1〕控訴人のアレルギー症状が深刻なものであったとまでは認められないことを考慮しても、本件措置により控訴人が受けた精神的損害を軽視すべきではなく、その慰謝料は、10万円と認めるのが相当であり、〔2〕10日間の閉居罰により控訴人の自由が制約された程度等を考慮すれば、本件懲罰による控訴人の慰謝料は、15万円と認めるのが相当であるとして、原判決を変更し、被控訴人に対し、控訴人に25万円及び年3%の割合による金員を支払うことを命じ、控訴人のその余の請求をいずれも棄却した事例。
2026.05.26
難民不認定処分取消等請求控訴事件
★「新・判例解説Watch」国際公法分野 令和8年7月上旬頃解説記事の掲載を予定しております★
LEX/DB25628234/東京高等裁判所 令和 8年 4月15日 判決(控訴審)/令和7年(行コ)第229号
カメルーン共和国の国籍を有する外国人である被控訴人(原告)は、英語圏カメルーンの自由及び自立・独立を求める政治組織であるcの構成員であることを理由に迫害を受けるおそれがあるなどとして、令和5年法律第56号による改正前の出入国管理及び難民認定法61条の2第1項の規定に基づき難民認定の申請をしたところ、法務大臣から難民の認定をしない処分を受けたため、被控訴人は、本件不認定処分について審査請求をしたが、法務大臣から、本件審査請求を棄却する旨の裁決を受けたことから、被控訴人が、控訴人(被告)・国に対し、本件不認定処分の取消しを求めるとともに、難民の認定の義務付けを求め、原審が被控訴人の請求をいずれも認容したところ、控訴人が控訴した事案で、cの末端構成員に過ぎない被控訴人についてカメルーン政府当局から拷問を伴う身体拘束その他の人権の重大な侵害の危険があることを否定することはできず、そのほか、控訴人が当審において種々主張する点を検討しても、上記認定判断を左右するものは見当たらないから、被控訴人は本件不認定処分時において難民に該当すると認められるから本件不認定処分は違法であって取り消されるべきであり、本件義務付け請求は適法であって本件口頭弁論終結時においても難民に該当すると認められるから認容されるべきものであるとして、本件控訴を棄却した事例。