2026.01.27
旅券不発給処分無効確認等請求事件

LEX/DB25574628/大阪地方裁判所 令和 7年 9月30日 判決(第一審)/令和4年(行ウ)第182号
日本国民である父の子として出生し、日本の国籍を取得し、その後カナダ市民権法5条1項に基づき、自らの申請によりカナダ市民権を取得した原告が、〔1〕主位的に、自己の志望によって外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失うとの国籍法11条1項の規定は憲法に違反して無効であると主張して、(1)原告が日本の国籍を有することの確認、(2)外務大臣が原告に対してした一般旅券の発給をしない旨の処分が無効であることの確認、(3)外務大臣が一般旅券を発給することの義務付け、並びに(4)同項の改廃をしなかった立法不作為、同項を周知しなかったこと及び原告に対する本件処分は国家賠償法上違法である旨主張して、同法1条1項に基づき、原告の被った損害のうち一部の金員及び遅延損害金の支払を求め、〔2〕予備的に、法務大臣が原告の国籍喪失届を不受理として原告に在留資格を付与しなかったことは国賠法上違法である旨主張して、同法1条1項に基づき、原告の被った損害のうち一部の金員及び遅延損害金の支払を求めた事案で、国籍法11条1項の規定は、立法目的に合理性があり、立法目的と手段との間の合理的関連性も認められるから、立法府の裁量権の範囲を逸脱するものではなく、憲法10条、98条2項、31条及び11条に違反するともいえず、また、国籍法11条1項の規定は、憲法11条、13条、22条2項の規定により保障される権利を侵害するものでもなく、これらの各規定に違反するともいえず、さらに、国籍法は、重国籍の防止又は解消方法につき、同法11条1項の適用対象となる自己の志望によって外国の国籍を取得した場合とそれ以外の場合とで一定の区別を設けているものの、そのような区別を設けることの立法目的には合理的な根拠があり、かつ、その区別の具体的内容は上記の立法目的との関連において不合理なものではなく、立法府の裁量判断の範囲を超えるものでもないから、上記の区別は、憲法14条1項に違反するともいえないなどとして、本件訴えのうち、一般旅券の発給の義務付けを求める部分を却下し、その余の請求をいずれも棄却した事例。
2026.01.27
未受領配当金等請求事件
★「新・判例解説Watch」民法(家族法)分野 令和8年3月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
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LEX/DB25624487/大阪地方裁判所 令和 7年 3月14日 判決(第一審)/令和6年(ワ)第6068号
共同相続人の一部である原告らが、相続財産である株式につき、相続開始から遺産分割審判確定までの間に発生した配当金のうち、自己の法定相続分に相当する金員の支払を、株主名簿管理人である被告・信託銀行に求めたところ、これを拒絶されたことから、上記株式の発行会社に対する配当金支払請求権が侵害されたと主張して、被告に対し、民法709条に基づき、それぞれ、損害賠償金(上記各金員相当額及び弁護士費用)並びに遅延損害金の支払を求めた事案で、配当金支払請求権は、株式(株主権)の内容を構成する剰余金の配当を受ける権利が具体化したものであるから(会社法454条参照)、共同相続された株式につき、相続開始後に配当金支払請求権が発生した場合にも、当該債権は当然に相続分に応じて分割されることはなく、共同相続人の一部が、発行会社等に対し、自己の相続分に相当する金員の支払を請求することはできないと解するのが相当であって、被告が原告らの求めを拒んだことが、原告らの本件各株式の発行会社に対する本件各配当金の支払請求権を侵害するものとして不法行為法上違法であるとする原告らの主張は、前提を欠くものというほかないとして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2026.01.20
勾留請求却下の裁判に対する準抗告の決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25574633/最高裁判所第一小法廷 令和 7年11月27日 決定(特別抗告審)/令和7年(し)第1043号
賄賂被疑事件に係る被疑者について、勾留請求却下の裁判に対する準抗告(却下)の決定に対し、特別抗告がされた事案で、原々審は、勾留の必要性がないとして勾留請求を却下し、これに対し、原決定は、原々裁判を取り消したものであるが、原決定は、罪証隠滅の現実的可能性の程度について、原々裁判が判断の基礎としたものとほぼ同一の事情を指摘するのみで、これらの事情に関する原々裁判の評価が不合理であるとする理由を実質的に示すことができていないといわざるを得ず、原々裁判と異なる判断をした理由を示したものとはいえないから、勾留の必要性を否定した原々裁判を取り消して、勾留を認めた原決定には、刑訴法60条1項、426条の解釈適用を誤った違法があるとして、原決定を取り消し、本件準抗告を棄却した事例。