2026.10.06
建物買取代金請求事件

LEX/DB25575211/最高裁判所第二小法廷 令和 8年 8月28日 判決(上告審)/令和6年(受)第2169号
賃借権の目的である土地の上にある区分所有建物の専有部分の持分を譲り受けた上告人が、これに伴う賃借権の持分の譲渡について借地権設定者である被上告人が承諾しないため、当該専有部分の持分につき借地借家法14条所定の建物買取請求権を行使したとして、被上告人に対し、当該持分の時価相当額及び遅延損害金の支払を求め、上記持分について建物買取請求権が成立するか否かが争われている事案の上告審において、賃借権の目的である土地の上にある建物の持分について、建物買取請求権は成立しないと解するのが相当であり、このことは、譲渡の対象が区分所有建物の専有部分の持分であっても異なるものではないから、本件持分について建物買取請求権は成立しないというべきであり、所論の点に関する原審の判断は正当として是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。
2026.10.06
自動車運転過失致死被告事件

LEX/DB25640350/福岡地方裁判所 令和 8年 7月22日 判決(第二次第一審)/令和6年(わ)第1019号
被告人が、普通貨物自動車を運転し、時速約40ないし50kmで進行し、進路前方左側を走行するP2(当時48歳)運転の原動機付自転車を追い越そうとするにあたり、同所先は緩やかに湾曲しているうえ、進路前方の見通しが悪かったのであるから、追越しを差し控えるべきはもとより、あえて追い越すのであれば、対向車両の有無及びその安全を確認するとともに、同原動機付自転車の動静に注意し、その安全を確認しながら進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り、漫然追越しを開始した過失により、対向進行してきた普通乗用自動車を認めた際、同車との衝突を避けるため、同原動機付自転車を十分に追い越さない状態で左急転把し、同原動機付自転車に自車左側後部を接触させて運転制御を困難にさせ、対向車線に逸走させたことにより、同原動機付自転車を前記普通乗用自動車前部に衝突させて路上に転倒させ、よって、同人に心破裂、大動脈損傷の傷害を負わせ、前記傷害に基づく出血性ショックにより死亡させたとして、自動車運転過失致死の罪で禁錮1年8か月を求刑され、差戻前第一審が、被告人の犯人性を認めるには合理的な疑いが残るとして、被告人に対して無罪の言渡しをしたため、検察官が控訴し、控訴審が、差戻前第一審の前記判断は論理則、経験則等に照らし不合理であり、明らかな事実誤認があるとして差戻前第一審判決を破棄し、本件を地方裁判所に差し戻し、被告人が上告したが、上告審が上告を棄却した後の、差戻後第一審の事案で、控訴審判決時から実質的に証拠関係が変動したとは認められないから、当裁判所は破棄判決の拘束力から解放されないとしたうえで、判示の過失及び当該過失行為と被害者死亡という結果との間の因果関係は優に認められるから、被告人について自動車運転過失致死罪が成立すると認定し、被告人は、自動車運転者としての基本的な注意義務に反して無理な追越しをしようとしたうえ、対向車両との衝突を避けようとして、追越しの対象車両である原動機付自転車に接触したのであるから、被告人の過失を軽視することはできず、本件事故により被害者が死亡したという結果はもとより重大であって、被告人の刑事責任は相応に重いというべきである一方、交通違反歴も含めて被告人に前科前歴が見当たらないことなどの事情も考慮するとして、被告人を禁錮1年8か月に処し、3年間その刑の執行を猶予した事例。
2026.09.29
損害賠償請求事件
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LEX/DB25628649/岡山地方裁判所 令和 8年 4月15日 判決(第一審)/令和5年(ワ)第886号
本件は、国選弁護人である原告Aが、岡山刑務所職員により、ICレコーダー使用に関し事前申告させられたうえ、接見後に録音内容の確認をさせられた行為は、接見交通の秘密を侵害するとして、国を被告として国家賠償を求めた事案である。裁判所は、事後検査は接見内容そのものを確認する点で接見への立会いと実質的に同等であり、接見交通の秘密に反し、刑訴法39条1項に反すると言わざるを得ないとする一方、事前申入れは録音機等の持込み確認にとどまり秘密を没却しないとして違法とはいえないとした。もっとも、職員は通達に従って上記行為を実施しており、当時これが明白に誤った解釈であるなどの特段の事情はないとして、国家賠償法上の違法を否定し、原告の請求を棄却した。