2026.05.12
損害賠償請求事件

LEX/DB25627777/大阪地方裁判所 令和 8年 3月27日 判決(第一審)/令和5年(ワ)第4966号
タイの刑事事件により禁固刑の有罪判決を受け、同国内で服役後、刑を言い渡された者の移送及び刑の執行における協力に関する日本国とタイ王国との間の条約及び国際受刑者移送法に基づき日本に移送され、甲府刑務所において上記タイの刑罰を受刑し、後にタイの恩赦を受けて釈放された原告が、主位的主張として、〔1〕令和2年8月15日に発効したタイの恩赦によって、遅くともその時点で刑期が満了したにもかかわらず、甲府刑務所長が法律上の根拠もなく令和3年4月30日まで禁錮受刑者として原告の身体拘束を継続した行為は違法であるとともに、〔2〕法務省矯正局長、法務大臣及び東京地方検察庁検察官には、原告の刑期を適切に把握すべき義務を負っていたにもかかわらず、それを怠ったことは違法であるとして、また、予備的主張として、〔3〕被告が、令和3年3月19日に、原告に恩赦があった旨の通知をタイから受けながら、法務大臣が直ちに原告の釈放を命じなかったことが違法であるとして、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、不当な身体拘束による精神的苦痛に対する慰謝料の支払等を求めた事案で、法務大臣は遅くとも令和3年4月5日には原告に対して国際受刑者移送法26条の措置を講じなければならなかったとして、原告の請求を一部認容した事例。
2026.05.12
傷害致死被告事件

LEX/DB25626780/宇都宮地方裁判所 令和 8年 3月10日 判決(第一審)
被告人が、当時の被告人方又はその周辺において、被害児(当時生後約7か月)に対し、その頭部に外力を加える何らかの暴行を加えて延髄損傷を含むびまん性脳損傷の傷害を負わせ、同人を前記びまん性脳損傷によって死亡させたとして、傷害致死の罪で懲役8年を求刑された事案において、本児の死因が延髄損傷を含むびまん性脳損傷であることについては、十分な積極立証があるといえず、他の死因の可能性も残るから、常識に照らして間違いないとはいえず、相当の疑いが残るとし、検察官は、本児の死因が(外因性の)延髄損傷を含むびまん性脳損傷であることを前提に、主張立証を組み立てているから、この点に相当の疑いが残る以上、その先の検討をするまでもなく、本件公訴事実については、犯罪の証明がないことになるとして、被告人に対し、無罪を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2026.05.07
各廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反被告事件
LEX/DB25574913/最高裁判所第三小法廷 令和 8年 4月 7日 決定(上告審)/令和6年(あ)第1479号
産業廃棄物中間処理施設を設置して産業廃棄物処分業を営んでいた被告会社は、中間処理施設において、公共下水道内に産業廃棄物である汚泥及び一般廃棄物である汚水を放流させて廃棄物を捨て、産業廃棄物管理票に虚偽の内容を記載して交付するなどしたとして、被告人A(被告会社の代表取締役で中間処理施設の業務の統括管理者)及び被告人B(被告会社の実質的経営者で業務全般の統括管理者)が、各廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反の罪で起訴され、第一審が、被告会社を罰金5000万円に処し、被告人A及び被告人Bをそれぞれ懲役3年に処し、被告人Bに対し5年間、被告人Aに対し4年間の刑の執行を猶予したことから、被告人らが控訴し、控訴審が、被告会社による不法な公訴受理の主張は採用できず、また、被告人Aによる法令違反、事実誤認の主張はいずれも採用できないなどとして、本件各控訴を棄却したところ、被告人らが上告した事案で、被告会社の弁護人の上告趣意のうち判例違反をいう点は、事案を異にする判例を引用するものであって、本件に適切でなく、その余は、単なる法令違反の主張であって、刑訴法405条の上告理由に当たらず、本件において破産手続開始当時に被告会社の代表取締役であったAを被告会社の代表者として関与させた第1審の訴訟手続を是認した原判決及びAを被告会社の代表者として関与させた原審の訴訟手続に法令違反はないとし、また、被告人Bの弁護人らの上告趣意は、憲法違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、刑訴法405条の上告理由に当たらず、不法投棄罪の成立を認めた第1審判決を是認した原判決は相当であるとし、なお所論に鑑み、破産会社を被告人とする刑事事件が係属している場合には、破産手続が終了したとしても、刑訴法339条1項4号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」に当たらないから、公訴棄却の決定をすべき場合に当たらず、下水道法の罰則は、不法投棄罪の特別規定ではなく、同罪の適用を排除する趣旨のものでもないから、みだりに廃棄物を捨てたものと認められる場合には、不法投棄罪が成立するというべきであるなどと判断して、本件各上告を棄却した事例。