2026.08.25
強盗致死、器物損壊被告事件

LEX/DB25575141/仙台地方裁判所 令和 8年 6月25日 判決(第二次第一審)/令和6年(わ)第194号
被告人が、氏名不詳者らと共謀のうえ、(第1)A(当時45歳)から金品を強奪しようと考え、上記A方において、同人に対し、氏名不詳者が、殺意をもって、上記Aの背後からその頸部を腕で絞めつけるなどの暴行を加え、よって、その頃、同所において、同人を頸部圧迫に基づく急性循環不全により死亡させたうえ、同人ほか1名所有又は管理の現金100円及び鍵2個等50点在中のビジネスバッグ1個等4点(時価合計約28万8500円相当)を奪ったが、被告人には殺意がなく、(第2)上記A方室内壁面に設置されていた株式会社B建設所有のテレビドアホンモニター1台を、その配線を切断するなどして壁面から取り外し(損害額1万0800円)、もって他人の物を損壊したとして、強盗致死、器物損壊の罪で起訴されたところ、第一審判決は、被告人を懲役23年を言い渡したが、控訴審判決は、第一審が認定した強盗致死罪の共同正犯の成立を認めることはできないとし、原判決には事実の誤認があるとして、原判決を破棄し、第一審に差戻しを命じ、差戻後の第一審判決の事案で、(1)強盗致死の共謀の有無について、間接事実〔1〕〔2〕それぞれによる共謀の推認ができず、また検察官の主張する共謀による説明以外にも、本件で認められる事実関係の全体を合理的に説明できる仮説が存在する、すなわち、共謀を認定するにはなお合理的な疑いが残るものというほかないから、本件公訴事実第1(強盗致死)について共謀があったと認定することはできないとし、(2)器物損壊の共謀の有無について、本件モニターの損壊について被告人がCらと共謀していたと認めることにも合理的な疑いが残るというべきであるから、本件公訴事実第2(器物損壊)についても共謀があったと認定することはできないとし、以上によれば、本件公訴事実については、いずれも犯罪の証明がないとして、被告人に無罪を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2026.08.25
保護決定取消請求控訴事件(住宅扶助の認定削除取消訴訟)

LEX/DB25640064/東京高等裁判所 令和 7年 8月21日 判決(控訴審)/令和7年(行コ)第110号
控訴人(原告)は、処分行政庁から、生活保護法に基づく保護開始決定(一時扶助)を受け、その後生活扶助、住宅扶助を支給する旨の保護変更決定を受け、控訴人がAとの間の賃貸借契約に基づいて居住するアパートの居室に係る家賃は、以降、処分行政庁により代理納付がされていたところ、控訴人は、Aから本件賃貸借契約を解除する旨の意思表示を受けたことから、処分行政庁から、住宅費の認定を削除する旨の保護変更決定を受けたため、控訴人が、被控訴人を相手に、本件処分の取消しを求め、原審が、本件賃貸借契約の解除後の賃料相当損害金は住宅扶助の対象とならず、住宅費の認定を削除する旨の本件処分は生活保護法56条に違反しないとして、控訴人の請求を棄却したところ、控訴人が控訴した事案で、契約当事者であるAと控訴人の間には、本件解除による本件賃貸借契約の終了につき争いがあったと認められるところ、処分行政庁が、本件処分当時、本件賃貸借契約の終了につき当事者間に争いがあるかを把握しようともしないまま、本件解除の効力が確実に生じたものとして、控訴人は本件貸室の不法占有者であるとして、その住宅費の認定を削除したことは、控訴人の実際の必要の相違を考慮して、有効かつ適切に控訴人の住宅扶助の需要を検討したとは認め難く、また、処分行政庁が行った保護の不利益変更は、同法56条所定の正当な理由があるとはいえないから、本件処分は違法であるなどとして、原判決を取り消し、処分行政庁が控訴人に対してした保護決定(変更)を取り消した事例。
2026.08.18
措置命令取消請求控訴事件
LEX/DB25575120/東京高等裁判所 令和 8年 6月10日 判決(控訴審)/令和7年(行コ)第263号
一審原告(原告)は、「A」と称する糖質カット炊飯器を一般消費者に販売していたところ、消費者庁長官が、本件商品につき原告がした各広告表示について、不当景品類及び不当表示防止法(令和5年法律第29号による改正前)7条2項の規定により、同法5条1号に該当する表示(優良誤認表示)とみなされるとして、原告に対し、同法7条1項の規定による措置命令をしたことについて、原告が、一審被告(被告)に対し、前記措置命令の取消しを求め、原審が、本件各表示は、本件認定のうち炊き上がり認定部分に相当する表示をしたものとはいえないから、同法7条2項の適用の前提を欠き、当該表示を優良誤認表示とみなして行った本件措置命令は違法であるとして、原告の請求を認容したことから、被告が控訴した事案で、一般消費者が、本件各表示により、本件商品の品質等について著しい優良性を認識するおそれがあるとはいえないから、本件認定は、本件各表示の意味内容自体を誤って認定したものというほかないところ、原告の請求を認容した原判決は相当であるとして、本件控訴を棄却した事例。