2026.10.13
建物明渡等請求事件
★「新・判例解説Watch」行政法分野の解説記事の掲載を予定しております
★
LEX/DB25575233/最高裁判所第二小法廷 令和 8年 9月14日 判決(上告審)/令和7年(受)第1337号
本件建物を所有している被上告人・目黒区が、東日本大震災による避難者である上告人に対してしていた一時使用許可の終了後も本件建物を占有したことを理由に、民法709条に基づく損害賠償請求又は不当利得返還請求として、損害金又は不当利得金及び遅延損害金の支払を求め、第一審が、被上告人が上告人に対して本件建物の使用許可を継続することなく退去を求めたことが、上告人の主張する憲法各条に違反すると認めることはできず、権利濫用又は信義則違反に当たると認めることもできず、上告人による本件建物の占有は、権原に基づくことなく原告の所有権を侵害する不法行為に当たるとともに、これにより上告人に法律上の原因のない不当利得を生じさせるものであったと認められるとして、被上告人の請求を認容したことから、上告人が控訴し、控訴審が控訴を棄却したところ、上告人が上告した事案で、所論は、被上告人が上告人に対して本件建物からの退去を求めることは権利の濫用又は信義則違反により違法と評価されるから、反射的に上告人の占有権原が認められ、被上告人の上告人に対する本件建物の使用料等相当損害金の請求は認められないにもかかわらず、これを肯定した原審の判断には、法令の解釈適用の誤りがあるというものであるとしたうえで、しかしながら、そもそも、仮に被上告人が上告人に対して本件建物からの退去を求めることが権利の濫用又は信義則違反に当たるとしても、これにより、上告人が本件建物を占有することによる使用料等相当損害金が発生しないことになるものではないから、所論は前提を欠くというべきであって、本件事実関係の下において、被上告人の上告人に対する本件建物の使用料等相当損害金の請求を認容すべきものとした原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はないとして、本件上告を棄却した事例(反対意見あり)。
2026.10.13
生活保護開始決定義務付け請求事件
★「新・判例解説Watch」国際公法分野 令和9年1月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
★
LEX/DB25575232/最高裁判所第二小法廷 令和 8年 9月 9日 判決(上告審)/令和6年(行ツ)第372号
在留資格に基づいて本邦に滞在する外国人である上告人(原告・控訴人)が、主位的に、生活保護法に基づき、処分行政庁が令和3年12月1日付けでした控訴人の生活保護申請却下決定の取消し及び生活保護開始決定の義務付けを求め、予備的に、〔1〕永住的外国人等に対する保護措置について定めた昭和29年通知について、同保護措置が行政処分に当たることを前提に、その却下決定の取消し及び同保護措置の義務付けを求め、また、〔2〕仮に、同保護措置が行政処分ではないとしても、昭和29年通知が永住的外国人等ではない外国人である控訴人にも適用されるとして、昭和29年通知に基づいて、生活保護基準に従った給付を求めるとともに、給付を求める地位の確認を求め、第一審が、上告人の訴えのうち、〔1〕及び〔2〕の一部を却下し、その余の請求をいずれも棄却する旨の判決をしたことから、上告人が控訴するとともに、処分行政庁が上告人の生活保護申請を却下したことが違法であるとして、国家賠償法1条1項に基づき、上告人が被った損害及び遅延損害金の支払を求める請求を行政事件訴訟法19条1項により追加的併合するなど訴えを追加し、控訴審が、処分行政庁が、上告人の生活保護申請を却下した決定はいずれも適法であり、上告人を保護の対象としなかったことが違法であるともいえないなどとして、本件控訴を棄却し、控訴審における訴えを一部却下し、その余を棄却したところ、上告人が上告した事案で、民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは民訴法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告の理由は、明らかに上記各項に規定する事由に該当しないとして、本件上告を棄却した事例(反対意見あり)。
2026.10.06
建物買取代金請求事件
LEX/DB25575211/最高裁判所第二小法廷 令和 8年 8月28日 判決(上告審)/令和6年(受)第2169号
賃借権の目的である土地の上にある区分所有建物の専有部分の持分を譲り受けた上告人が、これに伴う賃借権の持分の譲渡について借地権設定者である被上告人が承諾しないため、当該専有部分の持分につき借地借家法14条所定の建物買取請求権を行使したとして、被上告人に対し、当該持分の時価相当額及び遅延損害金の支払を求め、上記持分について建物買取請求権が成立するか否かが争われている事案の上告審において、賃借権の目的である土地の上にある建物の持分について、建物買取請求権は成立しないと解するのが相当であり、このことは、譲渡の対象が区分所有建物の専有部分の持分であっても異なるものではないから、本件持分について建物買取請求権は成立しないというべきであり、所論の点に関する原審の判断は正当として是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。