注目の判例

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2017.01.17
損害賠償請求事件 new
LEX/DB25544474/大阪地方裁判所 平成28年12月 9日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第363号
原告が、大阪府警察署の留置施設に収容されていた際、警察官が原告を違法に留置保護室に収容しようとしたこと、警察官から暴行を受けたこと、防衛のために警察官に暴力を振るったにもかかわらず、警察官が内容虚偽の調書を作成し、公務執行妨害、傷害の事実で起訴された上、警察官が刑事裁判の公判期日において偽証をしたことによって精神的損害を被ったと主張し、被告大阪府に対し、国家賠償法1条に基づき、慰謝料等の支払を求めるとともに、上記公務執行妨害、傷害の捜査を担当していた検察官が故意に警察官に内容虚偽の供述調書を作成させたか又は必要な捜査を怠り、公判を担当していた検察官が故意に警察官に偽証させたか又は必要な注意義務を怠り、それによって精神的損害を被ったと主張し、被告国に対し、国家賠償法1条に基づき、被告大阪府と連帯して、慰謝料等の支払を求めた事案において、巡査長による違法な暴行があったとは認めらず、巡査長が原告を留置保護室に収容しようとしたことが違法であったとはいえないとし、また、副検事及び検事の行為が国家賠償法上違法ではないとしたが、大阪府警察の警察官が、巡査長及び巡査に働きかけるなどして両名の供述とは一部異なる内容が記載された供述調書を作成したことについては、被告大阪府は、原告に対し、慰謝料を支払う義務を負うとし、請求額を減額したうえで、認容した事例。
2017.01.10
離婚、損害賠償請求控訴事件、損害賠償等請求反訴事件、損害賠償請求附帯控訴事件
LEX/DB25544250/札幌高等裁判所 平成28年11月17日 判決 (控訴審)/平成27年(ネ)第226号 等
夫である被控訴人(当審反訴被告)甲が、妻である控訴人(当審反訴原告、附帯被控訴人)乙との間の婚姻関係は既に破綻しているとして、控訴人乙に対し、民法770条1項5号に基づいて離婚を請求するとともに、長男及び長女の親権者をいずれも控訴人甲と定めることを求め(第1事件)、また、控訴人乙が、被控訴人(附帯控訴人)丙に対し、被控訴人らの不貞行為により精神的苦痛を被ったとして、不法行為に基づく損害賠償請求権に基づき、賠償金の支払いを求め(第2事件)、原審が第1事件については、被控訴人甲の離婚請求を認容し、子らの親権者をいずれも控訴人乙と定め、第2事件については、請求を一部認容した事案において、原判決を変更し、控訴人乙の請求を一部認容し、被控訴人丙の賠償額を増額させた事例。
2017.01.10
入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反被告事件(美瑛官製談合 1審判決支持) 
LEX/DB25544203/札幌高等裁判所 平成28年10月 4日 判決 (控訴審)/平成28年(う)第142号
町立病院の放射線係長であった被告人が、本件医療機器の購入契約に係る本件指名競争入札に先立ち、公務員としての職務に反し、上記医療機器の製造会社の従業員に対して特定の納品会社に落札させるように指示したほか、同従業員と共謀し、特定の入札指名業者に対して町長の定めた予定価格を下回る仕切価格が記載された見積書を、残る5業者にそれを上回る仕切価格が記載された見積書を、それぞれ送付した結果、上記特定の指名業者に落札させて入札構成侵害行為に及んだとされた事案の控訴審において、被告人に前科がないことなど、原判決指摘の酌むべき事情を考慮しても、本件の罪質や犯情等に照らして、本件が罰金刑で処断すべき軽微な事案とはいえず、原判決の量刑は、刑期及び執行猶予期間の点を含め、重すぎて不当であるとはいえないとして、控訴を棄却した事例。
2016.12.27
地方自治法251条の7第1項の規定に基づく不作為の違法確認請求事件 
LEX/DB25448341/最高裁判所第二小法廷 平成28年12月20日 判決 (上告審)/平成28年(行ヒ)第394号
日本国とアメリカ合衆国との間で返還の合意がされた沖縄県宜野湾市所在の普天間飛行場の代替施設を同県名護市辺野古沿岸域に建設するための公有水面の埋立事業につき、沖縄防衛局が、前知事から公有水面の埋立承認を受けていたところ、被告(上告人。県知事)が本件埋立承認は違法であるとしてこれを取り消したため、原告(被上告人。国土交通大臣)が、沖縄県に対し、本件埋立承認取消しは違法であるとして、地方自治法245条の7第1項に基づき、本件埋立承認取消しの取消しを求める是正の指示をしたものの、被告が、本件埋立承認取消しを取り消さず、法定の期間内に地方自治法251条の5第1項に定める是正の指示の取消しを求める訴えの提起もしないことから、地方自治法251条の7第1項に基づき、被告が上記指示に従って本件埋立承認取消しを取り消さないことが違法であることの確認を求め、原審は、被告が、適法な指示に従わず、本件埋立承認取消しを取り消さないのは違法であるとし、原告の請求を認容したため、被告が上告した事案において、被告が上記指示に係る措置として本件埋立承認取消しを取り消さないことは違法であるとし、原告の請求を認容した原審の判断は、結論において是認することができるとして、上告を棄却した事例。
2016.12.27
遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件 
LEX/DB25448337/最高裁判所大法廷 平成28年12月19日 決定 (許可抗告審)/平成27年(許)第11号
Aの共同相続人である抗告人(Aの弟の子でAの養子)と相手方(Aの妹でAと養子縁組をしたB(平成14年死亡)の子)との間におけるAの遺産の分割申立てをし、原審は、本件預貯金は、相続開始と同時に当然に相続人が相続分に応じて分割取得し、相続人全員の合意がない限り遺産分割の対象とならないなどとした上で、抗告人が不動産を取得すべきものとしたため、上告した事案において、共同相続された普通預金債権、通常貯金債権及び定期貯金債権は、いずれも、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となるものと解するのが相当であるとし、最高裁平成15年(受)第670号同16年4月20日第三小法廷判決・裁判集民事214号13頁の判例の変更をすべきとした上で、本件預貯金が遺産分割の対象とならないとした原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原決定を破棄し、更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻しを命じた事例(補足意見、意見がある)。
2016.12.27
不当利得返還請求事件 
LEX/DB25448335/最高裁判所第一小法廷 平成28年12月19日 判決 (上告審)/平成27年(受)第1394号
主債務者から信用保証の委託を受けて上告人と保証契約を締結し、主債務者の借入金債務を上告人に代位弁済した被上告人が、主債務者は一定の業種に属する事業を行う中小企業者の実体を有する者でなく、被上告人は、このような場合には保証契約を締結しないにもかかわらず、そのことを知らずに同契約を締結したものであるから、同契約は要素の錯誤により無効であると主張して、上告人に対し、不当利得返還請求権に基づき、代位弁済金の返還及び遅延損害金の支払を求めたところ、原審が、上告人の請求を、遅延損害金請求の一部を除いて認容したため、上告人が上告した事案において、牛乳等の小売業を営んでいたA社が中小企業者の実体を有することという被上告人の動機は、それが表示されていたとしても、当事者の意思解釈上、保証契約の内容となっていたとは認められず、被上告人の保証契約の意思表示に要素の錯誤はないとし、原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決中上告人敗訴部分は破棄し、被上告人の請求は、破棄部分に関する第1審判決中上告人敗訴部分を取消した上、上記取消部分に関する被上告人の請求を棄却し、かつ、上記破棄部分に関する被上告人の控訴を棄却した事例。
2016.12.27
不動産取得税還付不許可決定処分取消請求事件
LEX/DB25448336/最高裁判所第一小法廷 平成28年12月19日 判決 (上告審)/平成28年(行ヒ)第6号
土地の取得に対する不動産取得税を納付した原告(控訴人・被上告人)が、当該土地上に建築された複数棟の建物につき同税が減額されるべき住宅に該当するとして、その還付を求める申請をしたところ、東京都都税総合事務センター所長(処分行政庁)からこれを還付しない旨の処分を受けたため、被告(被控訴人・上告人。東京都)を相手に、本件処分の取消しを求めたところ、原審は、本件処分は違法であり、原告の請求を認容すべきものとしたため、被告が上告した事案において、本件各建物は、1棟ごとの独立区画部分がいずれも100未満であって戸数要件を満たさないから、本件処分は違法であるとはいえないとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決を破棄し、原告の請求を棄却した第1審判決は正当であるから、原告の控訴を棄却すべきであるとした事例。
2016.12.27
殺人,銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件  
LEX/DB25448338/最高裁判所第一小法廷 平成28年12月19日 判決 (上告審)/平成27年(あ)第1856号
殺人、銃砲刀剣類所持等取締法違反の事実により、第1審裁判所は、第1回公判期日で、弁護人により、被告人が精神疾患に罹患していることを理由に公判手続の停止の申立てがされ、第2回公判期日以降、公判手続の停止に関する審理が行われ、第7回公判期日で、被告人が心神喪失の状態にあると認め、刑事訴訟法314条1項により、その状態の続いている間、公判手続を停止する旨決定した後、被告人の勾留の執行を停止する旨決定し、被告人は、措置入院を受け、被告人の入院治療はその後も続けられ、第1審判決まで約17年間にわたり公判手続が停止された審理経過を経て、第1審判決は、被告人について、非可逆的な慢性化した統合失調症の症状に脳萎縮による認知機能の障害が重なっており、訴訟能力はなく、その回復の見込みがないとし、公訴棄却の判決を言い渡したが、検察官が控訴し、原判決も、第1審判決と同様、被告人が訴訟能力が欠けており、その回復の見込みがないとしたいと判断した上で、公訴を取り消さない判断をした検察官の裁量を合理的でないと断定することはできず、検察官が公訴を取り消さないことが明らかに不合理であると認められる極限的な場合に当たるとはいえないとし、本件公訴を棄却した第1審判決は、刑事訴訟法338条4号の解釈適用を誤り、不法に公訴を棄却したもので、第1審判決を破棄し、第1審裁判所に差し戻しを言い渡したため、弁護人が上告した事案において、被告人に訴訟能力がないために公判手続が停止された後、訴訟能力の回復の見込みがなく公判手続の再開の可能性がないと判断される場合、裁判所は、刑事訴訟法338条4号に準じて、判決で公訴を棄却することができると判断し、これと異なる解釈に基づいて、公訴棄却を言い渡した第1審判決を破棄した原判決には、刑事訴訟法338条4号の解釈適用を誤った違法があり、この違法は判決に影響を及ぼすことが明らかであるとして、原判決を破棄し、本件公訴を棄却した第1審判決は正当であり,第1審判決には不法に公訴を棄却した誤りがある旨主張する検察官の控訴も理由がないとし、控訴を棄却した事例(補足意見がある)。
2016.12.27
風俗案内所営業権確認等請求事件 
「新・判例解説Watch」H29.2月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25448330/最高裁判所第一小法廷 平成28年12月15日 判決 (上告審)/平成27年(行ツ)第211号
京都府風俗案内所の規制に関する条例が、学校等の敷地から200メートル以内の地域を営業禁止区域と定めているところ、風俗案内所を営んでいた一審原告(上告人)が、条例は憲法22条に違反するなどと主張して、一審被告(被上告人。京都市)に対し、風俗案内所を営む法的地位を有することの確認等を求め、第一審が、一部請求を認容したため、双方が控訴し、控訴審では、本件条例は、風俗案内所に対する規制の必要性と合理性についての立法機関の判断にその裁量の逸脱又は濫用があったと認めることはできないから、憲法22条1項に反するとはいえないとして、一審被告の控訴に基づき、一審被告敗訴部分を取り消し、一審原告の請求を棄却したため、一審原告が上告した事案において、本件条例が、青少年が多く利用する施設又は周辺の環境に特に配慮が必要とされる施設の敷地から一定の範囲内における風俗案内所の営業を禁止し、これを刑罰をもって担保することは、公共の福祉に適合する上記の目的達成のための手段として必要性、合理性があるということができ、風営法に基づく風俗営業に対する規制の内容及び程度を踏まえても、京都府議会が営業禁止区域における風俗案内所の営業を禁止する規制を定めたことがその合理的な裁量の範囲を超えるものとはいえず、本件条例3条1項及び16条1項1号の各規定は、憲法22条1項に違反するものではないと解するのが相当であるとし、また、風俗案内所が青少年の育成や周辺の生活環境に及ぼす影響の程度に鑑みれば、風俗案内所の表示物等に関する上記の規制も、公共の福祉に適合する上記の目的達成のための手段として必要性、合理性があるということができ、京都府議会が同規制を定めたことがその合理的な裁量の範囲を超えるものとはいえないから、本件条例7条2号の規定は、憲法21条1項に違反するものではないと解するのが相当であるとして、一審原告の上告を棄却した事例。
2016.12.27
損害賠償等請求事件 
LEX/DB25544285/福岡地方裁判所 平成28年11月28日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第2399号
原告(弁護士)が所属する弁護士会から内部の委員会に懲戒処分を請求された事実等を報道したことについて、被告(NHK)には、弁護士会による事前公表を鵜呑みにし、必要な取材活動や反対意見に関する情報収集を行わず、原告の実名や個人情報を出して真実に反する報道をしたなどという不法行為があり、原告は上記報道により精神的苦痛を被ったと主張して、被告に対し、不法行為に基づき、慰謝料の一部である1000万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めるとともに、人格権に基づき、謝罪文書の提出や訂正報道を求めた事案において、原告の訴えのうち、給付請求として求められる特定を欠き、不適法であるとして却下し、原告のその余の請求を棄却した事例。
2016.12.20
覚せい剤取締法違反,関税法違反被告事件 
LEX/DB25448314/最高裁判所第三小法廷 平成28年12月 9日 判決 (上告審)/平成27年(あ)第416号
税関職員が行った郵便物の各検査等は、郵便物を破壊し、その内容物を消費する行為であり、プライバシー権及び財産権を侵害するものであるところ、捜査を目的として、郵便物の発送人又は名宛人の同意なく、裁判官の発する令状もなく行われたもので、関税法上許容されていない検査であり、憲法35条が許容しない強制処分に当たり、郵便物検査によって取得された証拠である郵便物内の覚せい剤及びその鑑定書等の証拠能力は否定されるべきであるのに、これらの証拠能力を認めた第1審判決及びこれを是認した原判決の判断は、関税法、刑事訴訟法の解釈を誤り、憲法35条に違反するとして弁護人が上告した事案において、上記郵便物検査等が、犯則事件の調査あるいは捜査のための手段として行われたものでないことも明らかであるから、これによって得られた証拠である郵便物内の覚せい剤及びその鑑定書等の証拠能力を認めた第1審判決及びこれを是認した原判決の判断は正当であるとして、上告を棄却した事例。
2016.12.20
損害賠償等請求事件 
LEX/DB25448307/最高裁判所第一小法廷 平成28年12月 8日 判決 (上告審)/平成27年(受)第2309号
上告人(1審被告。国)が日米安全保障条約等に基づき米海軍に使用させ、また、海上自衛隊が使用する厚木海軍飛行場の周辺に居住する被上告人(1審原告)らが、同飛行場において離着陸する米海軍及び海上自衛隊の各航空機の発する騒音等により精神的又は身体的被害等を被っていると主張して、上告人に対し、人格権に基づく航空機の離着陸等の差止め及び音量規制を請求するとともに、国家賠償法2条1項に基づく損害賠償等を求めた上告審の事案において、上記飛行場で離着陸する米海軍及び海上自衛隊の各航空機の発する騒音等により精神的又は身体的被害等を被っていることを理由とする被上告人らの上告人に対する損害賠償請求権のうち事実審の口頭弁論終結の日の翌日以降の分については、その性質上、将来の給付の訴えを提起することのできる請求権としての適格を有しないものというべきであるとして、被上告人らの本件訴えのうち原審の口頭弁論終結の日の翌日以降に生ずべき損害の賠償請求に係る部分は、権利保護の要件を欠くものというべきであって、被上告人らの上記損害賠償請求を平成28年12月31日までの期間について認容した原判決には、訴訟要件に関する法令の解釈の誤りがあり、この違法が判決に影響を及ぼすことは明らかである。したがって、原判決中上記将来の損害の賠償請求を認容した部分は破棄を免れず、上記部分に係る訴えを却下した第1審判決は相当であり、この部分について被上告人らの控訴及び被上告人らの附帯控訴を棄却し、その余の請求に関する上告については、上告受理申立て理由が上告受理の決定において排除されたので、棄却した事例(補足意見がある)。
2016.12.20
各航空機運航差止等請求事件 
「新・判例解説Watch」H29.2月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25448308/最高裁判所第一小法廷 平成28年12月 8日 判決 (上告審)/平成27年(行ヒ)第512号 等
神奈川県内に所在し、海上自衛隊及び米海軍が使用する施設である厚木海軍飛行場の発する騒音により精神的及び身体的被害を受けていると主張して、上告人(1審被告)に対し、行政事件訴訟法に基づき、主位的には厚木基地における一定の態様による自衛隊機及び米軍機の運航の差止めを、予備的にはこれらの運航による一定の騒音を被上告人(1審原告)らの居住地に到達させないこと等を求めた事案の上告審において、1審原告らの自衛隊機に関する主位的請求(運航差止請求)は,理由がないから棄却を免れないところ,これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中、1審原告らの主位的請求の認容部分は破棄し、1審原告らの自衛隊機に関する予備的請求に係る訴えは、いずれも主位的請求に係る訴えと実質的に同内容のものを当事者訴訟の形式に引き直して予備的に併合提起したものにすぎず、このような訴えを許容することは相当でないから、予備的請求に係る訴えのうち、原判決における主位的請求の認容部分と予備的併合の関係にある部分は、いずれも不適法として却下し、1審原告らのその余の請求に関する上告については、上告受理申立て理由が上告受理の決定において排除されたので、棄却した事例。
2016.12.20
詐欺未遂被告事件(だまされたふり作戦 二審も「受け子」無罪) 
LEX/DB25544184/名古屋高等裁判所 平成28年 9月21日 判決 (控訴審)/平成28年(う)第161号
被告人が、氏名不詳者らと共謀の上、氏名不詳者がB方に電話をかけ、同人に対し、電話の相手が被害者の息子であり、同人が現金を至急必要としている旨のうそを言い、その旨誤信させて、被害者から現金の交付を受けようとしたが、同人が警察に相談したためその目的を遂げなかった事実につき、無罪が言い渡され、検察官が控訴した事案において、被告人が、警察官から令状を呈示され捜索等を受けている正にその最中に、Eからの電話に対し、荷物が届いているので取りに来るよう告げるなど、詐欺の被害品を受領したことを認識していたのであれば通常考え難い会話をしていることなどにも照らせば、被告人が、郵便物の中身が詐欺の被害金等であるかもしれないと認識していたと認めるには疑問がある等説示した原判決の判断に、誤りはないとし、控訴を棄却した事例。
2016.12.13
電磁的公正証書原本不実記録,同供用被告事件 
LEX/DB25448306/最高裁判所第一小法廷 平成28年12月 5日 判決 (上告審)/平成26年(あ)第1197号
被告人(A社代表取締役)が、指定暴力団総長Bが不動産の所有者等になることを隠蔽するため不実の登記をしようと企て、同人及び不動産仲介業者Cと共謀の上、市内の宅地、畑等4筆の土地の真実の買主はBであるのに、A社を名目上の買主として、売主Dとの間で上記各土地の売買契約を締結した上、法務局で、上記各土地のうち3筆につき、売買を原因として、所有権が売主DからA社に移転した旨の内容虚偽の登記申請をするとともに、残りの1筆につき、売買予約を原因として、権利者をA社とする内容虚偽の所有権移転請求権仮登記の申請をして、いずれも虚偽の申立てをし、登記官をして、公正証書の原本として用いられる電磁的記録である登記簿の磁気ディスクにそれぞれその旨不実の記録をさせ、公正証書の原本としての用に供した事案(公訴事実第1)、同市内の原野の真実の買主はBであるのに、A社を名目上の買主として、売主Eとの間で上記原野の売買契約を締結した上、法務局で、上記原野につき、売買を原因として、所有権が売主EからA社に移転した旨の内容虚偽の登記申請をして、虚偽の申立てをし、登記官をして、登記簿の磁気ディスクにその旨不実の記録をさせ、公正証書の原本としての用に供した事案(公訴事実第2)、各土地上に建築された建物につき、所有者を被告人とする表題登記及び所有権保存登記の各登記申請をしたことが虚偽の申立てをしたことに当たり、当該各登記が不実の記録であるなどとして、被告人に電磁的公正証書原本不実記録罪及び同供用罪が成立するとした事案(公訴事実第3及び第4)の上告審において、各土地の所有権が売主らからBに直接移転した旨の認定を前提に、各登記の申請を虚偽の申立てであるとし、また、各登記が不実の記録に当たるとして第1審判決を破棄し、公訴事実第1及び第2について被告人を有罪とした原判決には、事実を誤認して法令の解釈適用を誤った違法があるとし、原判決を破棄し、公訴事実第3及び第4に係る建物に関する表題登記及び所有権保存登記についても、上記と同様の観点から検討すべきものであるところ、第1審判決の挙示する証拠によれば、建物の所有権の帰属に関する第1審判決の事実認定は相当であり、公訴事実第1及び第2について無罪とする一方で、公訴事実第3及び第4について有罪とした第1審判決は、被告人を懲役1年、執行猶予3年を言い渡した量刑判断を含め、これを維持するのが相当であるとした事例。
2016.12.13
損害賠償等、境界確定等請求事件 
LEX/DB25448300/最高裁判所第一小法廷 平成28年12月 1日 判決 (上告審)/平成27年(受)第477号
地番が838番6の土地の所有者である被上告人が、これを占有する上告人に対し、所有権に基づき、上記土地の一部の明渡し及び上告人が占有を開始した日から上記明渡し済みまでの賃料相当損害金の支払等を求め、本件仮差押えがされた時点で、本件建物とその敷地の一部である838番6の土地が同一の所有者に属していたことにより、本件建物につき法定地上権が成立するか否かが争われ、原審は、本件建物につき法定地上権の成立を否定し、被上告人の土地明渡請求を認容し、賃料相当損害金の支払請求を一部認容すべきものとしたため、上告人が上告した事案において、本件強制競売手続は本件仮差押えが本執行に移行してされたもので、仮差押えの時点では本件建物及び838番6の土地の所有権はいずれもAに属していたから、本件強制競売手続により上告人が本件建物の所有権を取得したことにより、本件建物につき法定地上権が成立したというべきであるとし、原判決中、被上告人の上告人に対する土地明渡請求を認容し、賃料相当損害金の支払請求を一部認容すべきものとした部分は破棄し、成立した法定地上権がその後消滅したか否か等について更に審理を尽くさせるため、上記部分につき本件を原審に差し戻しを命じた事例。
2016.12.13
労働契約上の地位確認等請求事件 
LEX/DB25448301/最高裁判所第一小法廷 平成28年12月 1日 判決 (上告審)/平成27年(受)第589号
上告人(被告・控訴人)との間で有期労働契約を締結し、上告人の運営する短期大学の教員として勤務していた被上告人(原告・被控訴人)が、上告人による雇止めは許されないものであると主張して、上告人を相手に,労働契約上の地位の確認及び雇止め後の賃金の支払を求め、原審は、雇止めの前に行われた2度の雇止めの効力をいずれも否定して労働契約の1年ごとの更新を認めた上で、労働契約が平成26年4月1日から無期労働契約に移行したとして、被上告人の請求をいずれも認容すべきものとしたため、上告人が上告した事案において、原判決中、被上告人の労働契約上の地位の確認請求及び平成26年4月1日以降の賃金の支払請求を認容した部分を破棄し、同部分に関する被上告人の請求につき、第1審判決を取り消し、同請求を棄却し、その余の請求に関する原審の判断は是認し、棄却した事例(補足意見がある)。
2016.12.13
損害賠償請求事件
「新・判例解説Watch」H29.1月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25544238/大阪地方裁判所堺支部 平成28年11月15日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第1506号
原告が、被告の設置管理する公園を催しの会場として使用するために原告がした使用許可申請に対し、被告市長がした不許可決定は違法であり、これにより原告は、上記催しの実施のために支出した準備費用相当額等の財産的損害及び原告の信頼や名誉の低下等の非財産的損害等を被ったと主張して、被告(松原市)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、損害金の支払等を求めた事案において、上記不許可決定時において、公園をまつりによる使用に供することによって、松原市都市公園条例3条3項3号に定める「公園の管理上支障がある」との事態が生ずることが、客観的な事実に照らして具体的に明らかに予測されたものということはできないから、上記不許可決定は、上記条例の解釈適用を誤った違法なものというべきであり、このような不許可決定を漫然と行った被告市長には、故意又は過失が認められるというべきであるとして、一部認容した事例。
2016.12.13
保全異議申立決定に対する保全抗告事件 
LEX/DB25448273/知的財産高等裁判所 平成28年11月11日 決定 (抗告審)/平成28年(ラ)第10009号
編集著作物たる判例解説雑誌[第4版](本件著作物)の共同著作者の一人である相手方(債権者)が、抗告人(債務者。出版社)が発行しようとしている判例解説雑誌[第5版](本件雑誌)は本件著作物を翻案したものであるから、本件著作物の著作権を侵害するなどと主張して、本件著作物の翻案権並びに二次的著作物の利用に関する原著作物の著作者の権利を介して有する複製権、譲渡権及び貸与権、又は著作者人格権(氏名表示権及び同一性保持権)に基づく差止請求権を被保全権利として、抗告人による本件雑誌の複製・頒布等を差し止める旨の仮処分命令を求める申立てをしたところ、地方裁判所が,この申立てを認める仮処分決定をしたため、これを不服とした抗告人が保全異議を申し立てたが、原決定は、本件仮処分決定を認可し、この原決定を不服とした抗告人が、原決定及び本件仮処分決定の取消し並びに本件仮処分申立ての却下を求めた抗告審の事案において、相手方は、本件著作物の著作者でない以上、著作権及び著作者人格権を有しないから、抗告人に対する被保全権利である差止請求権を認められないとし、相手方による本件仮処分申立ては理由を欠き却下し,これを認めた本件仮処分決定及びこれを認可した原決定をいずれも取り消し、本件仮処分申立てを却下した事例。
2016.12.13
国家賠償請求控訴事件
「新・判例解説Watch」H28.12月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25544237/福岡高等裁判所 平成28年11月11日 判決 (控訴審)/平成28年(ネ)第335号
死刑確定者として拘置所に拘置されている1審原告P1及び、同人による再審請求に係る弁護人として同人あてに冊子を郵送した弁護士である1審原告P2が、拘置所の職員において上記冊子の内容を検査した上、最終的に同拘置所長が1審原告P1に対し同冊子の閲覧を不許とする処分をしたことにより、1審原告ら相互間における秘密交通権等を侵害された旨主張して、1審被告(国)に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償としてそれぞれ330万円(慰謝料300万円と弁護士費用30万円の合計)及びこれに対する延損害金の支払を求め、原判決は、それぞれ2万2000円(慰謝料2万円と弁護士費用2000円の合計)及びこれに係る遅延損害金の支払を求める限度において1審原告らの請求を認容し、その余の請求を棄却したところ、1審原告らと1審被告の双方が、上記各敗訴部分を不服として控訴した事案において、原判決は相当であるとして、本件各控訴をいずれも棄却した事例。