毎年、花粉症によって当社の生産性がかなり落ちていると実感しています。今年は何らかの花粉症対策を行いたいのですが、簡単に行えて効果が見込める対策があれば教えてください。(不動産業)
環境省の発表では、2024年春の花粉の飛散量は例年より多くはならない可能性が高いとみているとのことです。
生産性が落ちているそうですが、ノバルティスファーマが昨年11月に20~40代2,000人に行った調査でも、花粉症のせいで仕事の能率が6~7割に落ちてしまうという人が7割以上に上りました。
職場に対策を求める人が67.5%で、職場が効果的な花粉症対策を行えば業務パフォーマンスの維持・向上につながるとの声が7割。具体的な取り組みでもっとも多いのは空気清浄器の導入(34.4%)でした。
個人レベルでの対策の基本は、花粉にさらされるのを防ぐことです。外出時には、マスクとメガネの着用を。衣服は、アウターはポリエステルや綿製品で、起毛のないものにしてください。
自宅での換気時には、花粉の侵入防止にレースのカーテン等で遮りましょう。掃除は掃除機だけでなく、濡れ雑巾やモップを使うと花粉の除去に効果的です。
体の防衛では、体力、抵抗力を落とさないようにしましょう。働き過ぎやストレス、睡眠不足、過度の飲食などは自律神経のバランスを崩し、免疫力を下げます。
飲食では、冷たい飲み物、お酒、唐辛子などの刺激物、甘い菓子類、動物性脂肪が多い食品などは、花粉症の症状を悪化させます。腸内環境を悪くすることからも、花粉症の人は慎みたいものです。
暴飲暴食すると翌日に花粉症の症状が悪化しますが、こういう場合、夕方まで食を断つと症状は緩和されます。
ただし、水分は適度に補給しないといけません。水分の不足は症状悪化の一因になりますが、とり過ぎもよくないと言われます。ぬるま湯が最適です。
花粉や症状を防ぐ新製品
口呼吸は、花粉症悪化の一因になります。鼻呼吸を取り戻すことで症状は改善してくるはずです。「あ・い・う」と口を動かし、「べー」と舌を出す口の運動が、口呼吸の改善に役立ちます。また、鼻うがいは症状の緩和に有効です。
サプリメントでは、免疫機能を高めるビタミンDや亜鉛、アレルギーを抑えるビタミンCやセレン、腸内環境を整えて免疫を高める乳酸菌産生物質、酢酸菌、茶葉の成分のエピガロカテキンガレート(EGCG)などが一定の評価を得ています。
最新情報としては口元にメッシュ素材を使用、通気性にすぐれ、花粉を99%カットする機能のマスク、専用の洗浄液をつけてブラシで鼻を洗う鼻洗浄ブラシ、シールを貼っている間は半永久的にメガネがくもらないという、曇り止めシールなどが発売されています。
花粉による鼻の不快感を軽減する機能性表示食品も登場。シソエキスを配合した飴です。
薬に関しては、鼻づまり改善成分のフェニレフリン塩酸塩を配合としている内服薬があります。古くから使われていた成分ですが昨年、FDA(米食品医薬品局)が「鼻づまりに効かない」との見解を発表しました。
日本でもこの成分配合の鼻炎薬は市販薬として何種類も販売されていますが、薬を選択する際には考慮すべきかもしれません。