Googleマップの口コミで悪評を書き込まれました。削除することはできますか。またできない場合はどのように対応したらよいでしょうか。（飲食店）
口コミは、購買行動に大きな影響を与える情報です。特に、国内利用率トップの検索エンジン「Google検索」や地図アプリ「Googleマップ」に表示される口コミは閲覧者が多く、集客への影響も無視できないものになっています。ですからネガティブな口コミを「削除したい」と思うのは自然な感情ですし、実際によく相談される内容でもあります。
しかしGoogleの口コミは、店舗側で自由に削除できる仕組みにはなっていません。口コミは元々お店を探す際に参考にするためのものであり、店舗側で削除できてしまうと、批判的な意見も含めて確認したい人にとって参考にならない情報となってしまうためです。「口コミを絶対に削除できます」と広告宣伝をしている企業がありますが、詐欺の可能性が高いといえるのでご注意ください。
では、ネガティブな口コミが投稿されてしまった場合はどうすればよいのでしょうか。これは状況に応じて①口コミに返信する②口コミをGoogleに報告するの2つに分けられます。
①の主な目的は、口コミを投稿した人だけでなく、口コミを見ている人に店舗側の考えを伝えることです。その口コミが誤解を招いたり悪印象を与えたりする内容なのであれば、返信によって改善できます。手順としては、まず口コミで批判されている内容が事実なのか、関係者に確認します。事実であれば謝罪し、改善可能な部分については改善する旨を伝えるとよいでしょう。事実でないのであれば、しっかりとそのことを伝えましょう。
②は、Googleのポリシーに違反している口コミに限り、Googleに報告することで削除される可能性があるという仕組みです。違反の例としては、「誹謗(ひぼう)中傷」「虚偽の記述」「店舗と関係のない情報」「意味不明な内容（スパム）」などがあります。ただしすべての報告が承認されるわけではありません。削除されなかった場合は、誤解を防ぐために返信しておくとよいでしょう。あまりに悪質な場合は法的措置という選択肢もあります。この場合は弁護士に相談してください。
集客力高めるヒントも
ネガティブな口コミが投稿された時、つい「どう返信するか」「どうすれば消せるのか」といったことだけを考えてしまいがちです。ですが、根本的な問題を解決しなければ、また同じ内容のネガティブな口コミが投稿されてしまうおそれがあります。
そこで、口コミをもとにサービスの改善に取り組むことをおすすめします。どんな指摘があるのかを把握し、特に致命的だと思われる内容や、すぐに改善可能なもの、改善することによる効果が高そうなものに優先して取り組みましょう。例えば美容系業種なら「施術の説明をもっと丁寧にしてほしい」、飲食店なら「トイレが汚いのできれいにしてほしい」などの指摘は改善しやすく、その効果も高いことが多いでしょう。このようにして問題点を改善することで次の悪評を防ぐとともに、顧客の満足度が向上し、良い口コミが集まるようになることも期待できます。ネガティブな口コミには、集客力を高めるヒントが詰まっているのです。
