今年も悩ましい花粉症の季節がやってきました。予防するための心構えや最新の知見があれば詳しく教えてください。(印刷業)
例年と違うのは、今期は新型コロナウイルス対策の中での花粉対策ということでしょう。
新型コロナウイルス対策として、今やマスクは日常生活に欠かせませんが、マスクはもともと花粉症の人の必需品です。
帰宅時に玄関先で衣服のほこりを払う、室内では空気清浄機を使うなどの基本対策は例年と変わりません。
花粉症はアレルギーですから、大事なことは体調や免疫、自律神経を良好に保つことで、そのためには睡眠を十分にとりましょう。
食事も大事で、腸を意識した対策が求められます。腸は免疫器官で、腸内環境がよくないとアレルギーや免疫性疾患を引き起こす原因となります。腸によい食品というと、発酵食品や乳酸菌が思い浮かぶでしょうが、基本として大事なのが食物繊維の摂取です。食物繊維が不足すると、すぐに腸内環境は悪化します。腸内環境に良い食事は菜食です。日本型の食事を土台にするとよいでしょう。
ただし、精白した穀類では食物繊維は不足します。主食は、玄米や発芽米、あるいは雑穀米にするとよいでしょう。一方、小麦製品と乳製品は腸内環境を悪化させるおそれがあるので、とり過ぎないようにしたいもの。
なお、腸によい内容の食事でも、過食は腸内環境を悪くします。食事に関連して付け加えると、お酒好きのビジネスマンは、飲み過ぎに注意を。アルコールは腸に炎症を引き起こし、花粉症の症状を悪化させます。
発酵食品は、自分に合ったものを選ぶことが大事です。摂取して便秘になれば合っていないし、便がきれいな黄土色になれば合っています。乳酸菌関係では、乳酸菌生成エキスがよいといわれます。
口の体操や鼻うがいも役立つ
最近、栄養やサプリメントで注目されているのがビタミンDです。ビタミンDは食品から摂る以外に紫外線に当たることで体内に合成されます。紫外線を過度に避ける習慣がビタミンD不足を引き起こしているとみられています。
コロナ禍のもと、外出自粛や在宅ワークで太陽にあたる機会は減っています。天気のよいときは戸外に出て日光に当たりましょう。
ビタミンDは、干しシイタケ、キクラゲ、しらす干し、イワシなどから摂取できます。サプリメントもありますが、脂溶性のためとり過ぎには注意をしてください。
ところで、花粉症の発症や症状悪化には口呼吸が関係しています。口呼吸の習慣は花粉症などのアレルギー、自己免疫疾患などさまざまな病気の発症を促します。
口呼吸の癖を直し、本来の鼻呼吸に戻すには、口の体操「あいうべ」が効果的です。「あー、いー、うー」と口を大きく動かし、「べー」で舌を突き出します。
鼻うがいもお勧めです。人肌程度の温水200ミリリットルに食塩2グラムを入れ、よくかき混ぜてから、鼻に入れます。鼻の奥まで入れず、入り口をすすぐ程度でかまいません。入り口がいちばん、花粉などが付着するからです。鼻うがい専用の器具を使うと便利です。
対症療法としての鼻づまり解消には、頬骨を押すと即効性があります。頬骨のいちばん出っ張ったところを、手指の腹でぐっと押し込みます。押したまま鼻で呼吸をくり返すと鼻が通ってきます。