現在、紙のタイムカードを利用していますが、いずれICタイムカードに切り替えることも考えています。ICタイムカードのメリットについて詳しく教えてください。(小売業)
タイムカードに印字した打刻記録データは、勤怠管理ソフトを経由して給与計算ソフトに渡す日数・時間数データとして利用されます。そのためには、各ソフトウエアで管理している従業員番号と該当するタイムカードのIDを紐付(ひもづ)ける設定作業が必要になります。しかし、従業員が使用するタイムカードは毎月変わるので、紐付けしたタイムカードのIDも毎月紐付け直す必要があります。IDの紐付け作業は、実際に行ってみるとそれほど時間を取られる作業でもないのですが、締め日など繁忙日に作業が集中することや管理する人数が多い場合に煩わしく感じられてしまうことがあります。タイムレコーダー本体でタイムカードに任意のIDを発行することにより、紐付け作業の負担を軽減できる機種もありますが、毎月ひと手間かかる点では変わりがありません。
毎月新しくする必要がない
その点、ICカード型タイムレコーダーでの運用なら、月ごとにタイムカードを新しくする必要がありません。従業員番号と利用するICカードのIDを一度紐付けてしまえば、カードの紛失などがない限り、新しいカードIDに紐付け直すといった作業が不要です。管理される方にとっては大きなメリットとなります。またICカードのメリットには、社員証として利用できる点などもあります。
一方でICカードのデメリットもあります。調達面において、紙式タイムカードは1枚あたりのコストが低く、あらかじめ多くの枚数が手配されるので、その場ですぐに新しいカードを利用できるのに対して、1枚あたりのコストが高く、作成に手間のかかるICカードは、紙のタイムカードのように不足や紛失した場合に備えた在庫の確保が難しく、即時に新しいカードを調達できません。そのような理由から急な退職や採用の多い職場では、即時に新しいカードを準備できる紙のタイムカードを採用されるケースが多いようです。
また、紙式タイムカードは、給与と直結する勤務記録を公正な記録として従業員自身や第三者が目視確認できるので、労使間の信頼にもつながります。こうしたことから、紙カードはパートアルバイトが多い企業、ICカードは正社員の多い企業向きといえるかもしれません。
これらのデメリットを踏まえて、当社のタイムパックシリーズのICカードモデル『TimeP@CK-iC』では、使用済みのICカードを別の従業員に使い回すことができる設計となっているため、気軽にICカードを使った勤怠管理ができます。さらに2017年6月に発売したICカードモデルの最新商品『TimeP@CK-iCⅣ CL』では、ICカードのデメリットとなる従業員自身による勤務記録の目視確認ができない点についても対策が行われています。本体にICカードをタッチすることで、該当する従業員の勤務記録を本体の液晶画面に表示させることができる新機能が搭載されたのです。
どちらのカードを選んでも、一度タイムレコーダーからシステムにデータを取り込んでしまえば違いはなく、同じように給与計算の基礎データとして処理することができます。いずれのカードがお客さまにとって作業負担を軽減できるかは、カードを管理する担当者の環境によって決まります。