対談・講演

税理士と手を携え中小企業金融と高付加価値経営を支えたい

半沢淳一 全国銀行協会会長 三菱UFJ銀行頭取 × 坂本孝司 TKC全国会会長

銀行の健全な発展を通じて日本経済の成長に貢献することを目的に設立された一般社団法人全国銀行協会(全銀協)には、国内の都市銀行、地方銀行、第二地方銀行などの大半が加盟しており、会員数は253行にのぼる(2022年1月20日現在)。令和4年7月に全銀協会長に就任した三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取と坂本孝司TKC全国会会長が、デジタル化を見据えた経済成長に資する中小企業金融のあり方について語り合った。

司会 本誌編集長 石岡正行
とき:令和4年8月23日(火) ところ:三菱UFJ銀行本館(東京丸の内)

巻頭対談

日本経済を成長軌道に乗せていく支え手としての責務を果たしたい

 ──本日は、この7月に全国銀行協会(全銀協)会長に就任された、三菱UFJ銀行の半沢頭取に坂本全国会長と対談していただきます。

 坂本 全銀協会長へのご就任、おめでとうございます。

半沢淳一氏

全国銀行協会会長
三菱UFJ銀行頭取 半沢淳一氏

 半沢 ありがとうございます。

 ──半沢頭取は、全銀協会長の就任会見の中で、今年度の全銀協の基本方針について、「サステナブルな環境・社会構築に向けて、新たな価値創造・成長への挑戦を育てていく1年」との位置づけを示されました。そのうえで3つの柱として、①金融起点の多様なサービス提供を通じたお客さまや社会への貢献、②デジタル化を踏まえた安定的かつ利便性の高い金融インフラの実現、③健全性・信頼性を確保した強靭な金融システムの維持・向上──を掲げられています。その意図や狙いをお話しいただけますか。

 半沢 ご認識のとおり足元の環境は、パンデミックリスクや地政学リスクなど複数かつ本当に多様に絡み合ったリスクが顕在化し、先行きが見通せない状況にあります。こうした状況下においても、日本経済が持続的な成長を遂げていくためには、リスクが顕在化し、複数の危機が同時に発生したとしても耐えられるような強靭性を確保しなければなりません。また、新たな価値創造や成長への挑戦を可能とするような社会環境の整備も重要です。
 そうした中で、私ども銀行界としても、お客さまからの信頼の根源となる安心・安全な金融サービスを確保することが普遍的な役割であるのは、当然のことといえます。それを前提として、日本経済を成長軌道に乗せていくための支え手としての責務をしっかりと果たしていきたいと考えています。
 主要な取り組みとしては、足元の資金繰り支援に引き続きしっかり取り組んでいくのはもちろんのこと、お客さまの多くは、ウィズコロナやポストコロナの中で、これから5年後、10年後、さらにその先における持続的な成長戦略をどのように打ち出していくのかについて、すでに実行フェーズに至っています。そうした動向に対して、銀行界としては、金融起点の多様なサービス提供を通じて、顧客や社会にしっかりと貢献していかなければならないと思っています。

 坂本 そのためには、金融サービスの本格的なデジタル化も必要ですね。

 半沢 そのとおりです。少し例を挙げてお話しすると、多様なサービスや利便性の高い金融インフラという観点では、今年度、銀行界ではいくつかの大きな節目を迎えます。具体的には、全銀システム(全国銀行データ通信システム)をノンバンクへ開放し、多頻度小口決済システム「ことら」がこの秋にはスタートします。また、今年11月には、電子交換所での手形・小切手の交換開始を予定していますが、2026年の全面的電子化に向けて一層の取り組みを進めていかなければならないと思っています。

 坂本 税理士業界も、急速な時代変化の中で、デジタル化への積極的な対応が強く迫られています。

三菱信託銀行との経営統合を担当 先例がない中で議論して形にした

 ──ご経歴に関して半沢頭取は、埼玉県立浦和高校から東京大学経済学部に進学され、卒業後は1988年に三菱銀行(現三菱UFJ銀行)へ入行されました。なぜ、バンカーを志したのでしょう。

 半沢 私が学生のころ、日本経済はまさに成長の真っただ中にあったので、経済の仕組みをしっかりと学んだうえで、何か実業に携わりたいという思いがありました。中堅・中小企業がどんどん大企業に成長していく流れもあって、本当に元気な時代だったわけですけれども、それを金融面で支えていくこの仕事に魅力を感じたのです。
 また、それまで銀行は、預金をお預かりして融資するという間接金融の世界しかありませんでしたが、直接金融が認められるようになるなど、いろいろと業務範囲の規制緩和が進む傾向にあったので、自分の仕事の可能性が広がっていくのではないかという期待感から銀行員を目指しました。

 ──入行後は、企画管理・営業など銀行の主要業務に関わり、経営企画部長、名古屋営業本部長、取締役常務執行役員CCO等を経て、昨年の4月から現職に就かれています。特に印象深かった出来事をお聞かせください。

 半沢 銀行員としてこれまでのことを振り返ってみると、本当に上司に恵まれてよい指導を受け、節目・節目で厳しく鍛えられてきたと思っています。若手のころは、実践で一通りの業務をした後に、調査部で経済や産業の調査を担い、各業界がどうなるか、その中で個別企業はどうなるかということを展望し、レポートに仕上げる業務をしていました。現状認識と見通しを、いかにわかり易い文章にまとめるかという点についてとことん叩き込まれ、銀行員としての基礎がこのときにできたと思います。
 その後は企画の仕事が長く、特に印象に残っているのは、2001年における三菱信託銀行との持ち株会社方式による経営統合のことです。当時、参考になるような持ち株会社のあり方や先例が日本には存在しませんでした。ですからどのような仕組みにするか、持ち株会社の役割をどうすべきかなどについて、一から議論して積み上げて形にしていきました。経営企画部長になってからは、グループの一体経営をさらに進化させることに努めました。これが銀行経営にあたり、どうグループ一体でお客さまにサービスを提供し、どう経営管理していくかという観点で非常に役に立っています。

 坂本 いまでは普通になりましたけれども、当時、グループ経営は珍しかったので、ご苦労も多かったのではないかと想像します。経営統合を円滑に進めるための秘訣はあるのですか。

 半沢 それによって何を目指して何を実現したいのかという思い、理念をまずしっかりと共有しておくことではないでしょうか。それさえあれば、その後の実務面などの課題も、乗り越えていけると思います。

 坂本 やはり大きな事をなすためには、目的や理念の共有が大事なのですね。

対談風景

国内中小企業支援を最優先に銀行の使命である金融円滑化を図る

 ──半沢頭取は昨年12月の『日経ビジネス』誌(12月13日号)のインタビューの中で、「国内回帰、日本で勝ちきる」と仰っていました。グローバルネットワークに強い貴行が国内の富裕層や法人向けビジネスに力を入れていくとも書かれていたのですが、その真意や狙いをお聞かせください。

 半沢 まず、グローバルネットワークが、今後も当行の強みの一つであることは不変だと思っています。海外へ事業を展開したり、外国企業と取引したりしているのは、大企業に留まりません。そうして海外での商機拡大を図る中小企業のお役に立つためにも、海外事業基盤をより強靭なものにしていこうと考えています。
 そのうえでの「国内回帰」と申し上げたかったのですが、その意味合いは、「母国市場で勝てない企業がグローバルで勝てるということはない」ということです。もっとも、国内では超低金利が続くなど、事業環境がシビアであるのは事実です。それゆえに、新しいビジネスモデルの構築が必要になっています。安定的な資金供給が、銀行の社会的使命である点は今後も変わらず、中小企業を始めとするお客さまの資金繰り支援には、最優先で取り組みます。更にそれに留まることなく、「経営課題の解決に資する、非金融を含む多様なサービスの提供」や「デジタル活用による損益分岐点の引き下げ」などを通じて、国内事業をテコ入れしていく必要があるとも考えています。
 当行は、国内では個人顧客約3,400万人、法人顧客も(中小企業を中心に)約120万社という、分厚い顧客基盤を有しています。また、銀行・信託・証券をはじめ、カード、消費者金融、資産運用など、グループ総合力を擁していますから、これらの強みをお客さまのためにしっかりと活かし切っていきたいと思います。

 ──坂本会長の地元は静岡県の浜松市ですが、取引の関係などで海外進出する関与先も多いのではないですか。

 坂本 浜松には、スズキやヤマハ、本田技研工業などがありますから、その関連で関与先もアジアを中心に進出するケースがあります。私も、タイやベトナムには何回か関与先と一緒に現地入りしていて工業団地も訪問したことがあります。工業団地の入口付近に、三菱UFJ銀行の支店が構えてあったのを見たときには、とても頼もしく感じました。

租税正義の実現に応えるべくTKC全国会専用商品を提供してきた

 ──貴行とTKC全国会とは、1976年に、当時の三菱銀行の岩崎寛弥情報開発室長と、TKC全国会の創設者である飯塚毅博士との出会いが提携のきっかけになっています。提携にあたり岩崎室長は、当時の『TKC会報』へ「TKC会計人に期待するもの」というタイトルで寄稿もされています(※資料)。その後、「TKC戦略経営者ローン」や「極め」の提供などを通じて、長きにわたり両者が提携関係を深めることができた要因をどのようにお考えですか。

※資料

TKC会計人に期待するもの

 (略)もしTKC全国会が会員数のみを誇り、また優れた電算機システムの実施に留まる限りにおいては必ずしも特段のことではなく、銀行システムと同様に唯物的なシステム、即ち道具・手段の改善の域を脱しないと思います。しかし飯塚TKC全国会会長が強調されているように、電算機利用により生じた余力をTKC会員自身の自己研鑽によるプロフェッショナルヘの質的向上をはかり、巡回監査の実施等を通じて中小企業の経営指導・助言に振り向け、より広い意味での真の職業会計人として確信と誇りを持ち、システムを縦横に活用される会計人として誕生する場合には、同じくプロフェッションを追求する銀行人にとって最も頼もしい存在になりましょう。

真のプロフェッショナル像・「厳格な自由人」を

 最後に私の強調したい点は、職業人(プロ)とは、明確な職業意識(誰に何をサービスするか)および専門的能力、加えて顧客に対し真にサーバントとして働く心の弾力性を持った人であり、これを「厳格な自由人」というイメージで表現したいと思います。それ故、職業人は自己の研鑽とその上に築かれたプロの腕をもって顧客へは正しい健全な経営の在り方を説得し得る人であり、ただただ顧客にへつらうものではないはずです。職業人としての会計人・銀行人がTKCと三菱銀行の提携という形で結実した根底にこの考え方をしっかりと据えつけ、職業人同士のエゴイズム、自己本位の利得追求から一歩出て職業をより大きく把え、その中でパートナーシップを組み、中小企業の健全な育成を図る時、プロの会計人・銀行人の社会的存在意義が明らかとなり、それぞれの社会的職務を確立し得るのではないでしょうか。

※出典:岩崎寛弥三菱銀行情報開発室長『TKC会報』1977年5月号巻頭言より

 半沢 寄稿に書かれてあるとおり、三菱グループ創設者・岩崎弥太郎のひ孫である寛弥氏が、飯塚毅博士とともに、中小優良企業の健全な育成が日本には必要であり、各職業人(プロ)が相互に連携して初めて、経営に関する総合的なアドバイスが可能となると意気投合したことで、提携が開始されたのは、実に意義深いと思います。私の問題意識からすれば、根本となる理念をしっかりと共有できているということが、50年近くにわたる長い関係を築き上げてこられた要因であると思います。
 TKC全国会は、創設以来の理念「租税正義の実現」に基づいて、関与先企業の正しい帳簿に基づく税務・会計を徹底的に支援されてきました。当行に限らず銀行が融資を検討する際には、「正確な決算資料」が必要不可欠です。そのようなTKC会員の先生方の真摯な取り組みにお応えすべく、また、適切な会計処理を実践されているお客さまに対して金利優遇メリット等を享受いただくべく、TKC全国会専用商品を積極的に提供してきた背景があります。こうしたこれまでの信頼関係が土台としてしっかりしているがゆえ、今日の関係強化にもつながっているのではないでしょうか。

 坂本 思い起こせば2000年、当時の東京三菱銀行が提供を開始した「TKC戦略経営者ローン」は、TKC会員事務所の業務品質に基づく決算書等の信頼性をもとに、無担保・無保証の長期融資を行うという画期的な金融商品でした。これをきっかけとして、各金融機関においても次々と融資商品が提供されるようになり、地域会との金融交流会も頻繁に開催されました。それだけ三菱UFJ銀行の影響力は大きいということだと思います。こうした教訓を踏まえて、中小企業支援に向けた金融機関との連携をより実質的なものにしていくためにも、貴行との関係をさらに強固にできればと思います。

MISは金融機関にとって有益 デジタルの力で中小企業を支援したい

 ──金融機関との実質的な連携を進めるうえで、欠かせないのが「TKCモニタリング情報サービス(MIS)」です。TKC全国会では、中小企業金融を支えるインフラとして、MISの推進に全力を注いでいます。MISを使えば、関与先の電子申告時に決算書等を取引のある金融機関に対して同時に提供することができます。この利用件数が急激に伸びています。コロナ下という状況もありましたが、この仕組みが金融機関からとても高く評価されて、今年の7月には利用申込件数が31万件を超えました。

 半沢 よく承知しています。当行はMISを通じて、TKC会員事務所から、年間約5,000件の決算書を電子データでご提出いただいています。おっしゃるように、MISは、税務申告と同時に決算書が提出される仕組みであるため、改ざんの余地がなく、月次試算表等の提出機能もあることから、金融機関にとって大変有益な仕組みだと思います。

 坂本 金融機関別の利用申込件数では、都市銀行のトップが三菱UFJ銀行であり、大変感謝しています。しかし貴行には、不躾なお願いになりますが、いまの10倍くらいの実践をしていただきたいのです(笑)。それが全国の金融機関へ波及すれば、もっと中小企業と金融機関との情報の非対称性解消を促進していくことにつながると思っています。

 半沢 経営者と月次で接触している正確な財務情報に加えて、定性的な情報も入手できるMISはとても有益だと思います。MISを通じ、会員先生方には、引き続き正確な決算書作成支援を徹底していただくとともに、デジタルの力も使って中小企業をともに支援していきたいと思います。

 坂本 実は、MISの活用を関与先に促すことによって、これまで決算書等を金融機関に対してオープンにすることを躊躇っていた多くの経営者の意識転換もかなり図られています。この前向きな経営者の変化は、これからの中小企業金融において必ずよい影響をもたらすと考えています。

 半沢 経営者の方々の意識を変えるというのは、見事な取り組みですね。

 ──一方で、TKCの「海外ビジネスモニター(OBM)」や「インボイス・マネジャー」等のDXシステム導入ニーズがある取引先企業をマッチングするなど、新たな連携も動き出していますね。

 半沢 昨年11月に、銀行の業務範囲規制が緩和されたのを受けて、当行では本年4月から、問題解決プラットフォーム(ビジクル)を全店展開し、取引先に対してDX(デジタルトランスフォーメーション)やESG(環境・社会・ガバナンス) などの経営課題解決に資するソリューションの提案を進めています。その中で、TKCのフィンテック商品は引き合いが多く、成約事例もあり、取引先のDX化に有効なソリューションとなっています。

経営助言強化が企業の付加価値増、日本のGDP増加につながる

 ──TKC全国会では、今年から向こう3年間の運動方針を「未来に挑戦するTKC会計人──巡回監査を断行し、企業の黒字決算と適正申告を支援しよう!」と掲げています。そしてその具体策として、「優良な電子帳簿を圧倒的に拡大する」「租税正義の守護者となる」「黒字化を支援し、優良企業を育成する」という3項目の実現に全力を注いでいるところです。この運動方針の意義について、坂本会長から説明をお願いできますか。

TKC全国会会長 坂本孝司

TKC全国会会長 坂本孝司

 坂本 要するにわれわれのこの運動は、コロナ下やデジタル化を見据えて、高付加価値経営に取り組む経営者を支えて、優良企業を世の中に増やそうということです。そのため優良企業の定義となる項目をTKCの中でも変更しました。かつては経営学や会計学でも、付加価値経営の重要性が声高に叫ばれていました。ここでいう付加価値(≒限界利益)とは、人件費・減価償却費・金融費用・経常利益などを加算した、企業が新たに生み出した価値の総和です。また、国内企業が生み出した付加価値の合計が国内総生産(GDP)となりますから、付加価値を高めていく経営者を増やすことは、我が国のGDPを押し上げる一翼を担うことにもつながります。日本企業がこれまでコストカットばかりに専念して、十分な付加価値を創出できなかったことが、いわゆる「失われた30年」の根底にあるとも考えているのです。

 半沢 運動方針にも示されている巡回監査は、戦後間もない1949年に飯塚毅博士が、「法令遵守」「高品質の業務水準の確保」を目的とし考案・実行されたそうですね。伝票・帳簿丸抱えが常識の時代にあって、TKC会員事務所では、自計化を前提とした毎月の巡回監査を導入し、その業務品質が評価され、顧客数の大幅増に繋がったとも伺っています。1円の差分すら許さず、ときには職員さんが徹夜で数字を合わせにいったとのことですが、その厳格性・正確性が今日まで引き継がれていると思います。
 TKC会員の先生方は、最近はクラウドシステムの活用を推進されており、監査の質を落とすことなく負荷を減らし、月次巡回監査では、関与先経営者との対話をいっそう重視し、経営助言の強化に努められていると理解しています。こうした皆さまのご努力の積み重ねが、経営者の意識変革・赤字企業の黒字化および付加価値の向上、更には日本のGDP増加にもつながっていくのではないでしょうか。私どもとしましても、TKC会員を始めとする税理士の皆さまと中小企業金融を通じて高付加価値経営を支えていければと思います。

 坂本 ありがとうございます。また、全国会運動方針の中で、とりわけ金融機関の皆さまにご理解いただきたいのが、「租税正義の守護者となる」ためのシンボルが税理士法に規定される書面添付であるということです。書面添付制度は、税理士が申告書の適法性等の保証に加えて、その基になった決算書の信頼性を保証する、いわば「税務監査証明」であり、われわれが資格をかけて実施しているものですから、国税だけではなく、融資における経営者保証解除など、中小企業金融にも幅広くご活用いただきたいのです。
 ちなみに、金融商品取引法監査等は約2万社(2021年11月時点)という状況の中で、書面添付制度は、日本の全法人の約1割にあたる約26万社(2021年3月時点)に実施されており、そのうちの約半数は、TKC会員によるものです。

 半沢 いまお話のあった月次巡回監査や書面添付を含めて、TKC全国会の皆さまが、この大きな環境変化の中で、次々と新しい取り組みをなさっているのは、私どもにとっても非常に心強いことです。
 多くのお取引先が様々な経営課題に直面しているこのようなときこそ、提携時に謳われた「各職業人(プロ)の相互連携による総合的アドバイスの提供」が、今後いっそう重要になります。企業総数の99パーセント以上を占める中小企業が活性化しなければ、日本経済の成長など望めません。これからもTKC会員の先生方としっかりと連携させていただいて、中小企業の課題を一つでも多く解決できるよう取り組みたいと思います。

 坂本 私どもも全力を尽くしますので、引き続きよろしくお願いいたします。

(構成/TKC出版 内薗寛仁・古市 学)

半沢 淳一(はんざわ・じゅんいち)氏

埼玉県立浦和高等学校・東京大学経済学部を卒業後、1988年に三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行。最初の配属先は東京都北区王子支店。企画部会長行室長、経営企画部長、名古屋営業本部長、取締役常務執行役員等を経て2021年4月取締役頭取に就任。2022年7月全国銀行協会会長に就任。

(会報『TKC』令和4年10月号より転載)