対談・講演

同志的結合体として関与先完全防衛を

とき:平成25年1月25日(金) ところ:大同生命保険東京本社

大同生命保険は平成24年7月に創業110周年を迎えた。TKC全国会との業務提携も来年で40年になる。大同生命保険喜田哲弘社長をTKC全国会粟飯原一雄会長が訪ね、企業防衛制度を通じた関与先完全防衛の意義を語り合った。

巻頭対談

出席者(敬称略)
粟飯原 一雄 TKC全国会会長
喜田 哲弘  大同生命保険(株)社長
司会:会報『TKC』編集長 石岡正行

創業以来の社是を受け継ぎ中小企業をリスクからお守りする

 ──本日は、TKC全国会との提携の歴史が最も長い大同生命保険の喜田社長と全国会粟飯原会長に対談していただきます。去る1月18日に開催されたTKC全国会政策発表会では、粟飯原会長による方針発表(TKC全国会創設50周年に向けての政策課題と戦略目標)が行われました。また、喜田社長には、同日、行われた新春賀詞交歓会に来賓としてご出席いただきました。

 粟飯原 TKC全国会は、8年後の2021年には創設50周年という大きな節目を迎えます。それまでにこの全国会が、さらに飛躍し、輝かしい未来を築かなければならないという強い思いから、昨年から温めてきた構想をあの日にみなさんの前で発表させていただきました。

大同生命保険 喜田哲弘社長

大同生命保険
喜田哲弘社長

 喜田 飯塚毅初代会長の時代からの基本的なビジョンがあり、いつの時代も、着実に、そのビジョンに向かっている。そこにTKC会員の先生方の強みがあると思います。今回の新しい方針は、TKC全国会創設50周年に向けた大きな目標を設定されたうえで、そこに到達するための具体的な行動計画がセットになっている点がすばらしいと感じています。

 ──大同生命保険におかれましては、平成24年7月に、創業110周年を迎えられました。おめでとうございます。

 喜田 ありがとうございます。これも、お客さまやTKC会員の先生方、TKC全国会をはじめとする多くの方々のご支援の賜物であり、心より感謝しております。

 粟飯原 そのような伝統ある企業の節目に、社長という重責を担われて、いかがですか。

 喜田 これまで、企業保障のエキスパートとして、「中小企業のみなさまをリスクからお守りする」ことを最大の使命として取組んできました。そして、これからも変わらずに「中小企業のみなさまとともに歩む」「社会・地域に貢献する」大同生命でありたいと考えています。
 昨年、弊社の礎を築いた大坂の豪商「加島屋」から続く歴史を紹介する「創業110周年記念特別展示」を大阪本社で実施し、粟飯原会長をはじめ多くの先生方にもご覧いただきました。創業110周年の節目に全役職員で弊社の歴史を振り返りながら、「加入者本意」「堅実経営」という創業以来の社是を受け継ぎ、「中小企業のみなさまをリスクからお守りする」という使命を果たしていくことの重みをあらためて感じています。

「保険指導の理念」「自利利他の精神」の共有が提携関係の基本

 ──大同生命保険とTKC全国会は、昭和49年に業務提携し、51年に企業防衛制度をスタートさせて、まさに「刎頸の友」と言えます。長きにわたり提携を持続できた要因は何でしょう。

 喜田 私は、ちょうど業務提携30周年の時に、事業本部長を拝命し、提携30周年記念誌『関与先企業の永続的発展を願って』の発行に携わり、いろいろな書物を読ませていただきました。
 その中で、TKC全国会と提携させていただく前に弊社の社長であった三木(助九郎)が飯塚毅初代会長と親交があり、臨終に際して「大石は激流に溯ぼり、大人は逆運に遡ぼる」という書を飯塚先生に届けるよう夫人に委ねたということも知りました。これまでに、TKC全国会と弊社の間には、本当にたくさんの出会いがあったのだと感じています。
 TKC全国会と弊社の「刎頸の友」と言えるような永遠に続く関係は、すべての基本が「理念の共有」にあると思います。TKC会員の先生方は、飯塚毅初代会長が提唱された「保険指導の理念」、そして「自利利他の精神」に沿って40年近くにわたり、「関与先完全防衛の実現」「関与先の永続的発展への貢献」に向けて保険指導に邁進しておられます。その一方で、弊社も「保険指導の理念」「自利利他の精神」を行動の礎として取組んでまいりました。提携30周年記念誌の中で、当時の武田隆二全国会会長は、TKC全国会と弊社との提携関係について、弊社がTKCの実践原理のよき理解者であり、支援者であること、そして、お互いに「永遠の同志的結合体」として力を合わせてきたことが発展要因であると述べられています。この「永遠の同志的結合体」という関係をいつも胸に刻んでいます。

 ──粟飯原会長は、一会員として事務所経営をなさっているわけですが、事務所における企業防衛制度の推進について、お聞かせ願えますか。

 粟飯原 私の開業が昭和47年11月で、TKC入会が48年3月ですから、入会してすぐに大同生命保険とのご縁が生まれ、それが今日まで続いています。いつも飯塚毅先生は、「企業防衛は会計事務所の正当業務である」と強調されていましたので、当初からその言葉どおりに取組んできました。
 大企業と比べて中小企業の経営基盤は脆弱です。事実、私の事務所においても、関与先の存続が危ぶまれるという経験をしてきておりますけれども、企業防衛制度を活用していたおかげで救われて、今日では繁栄している例がいくつもあります。ですから、企業防衛制度はTKC全国会および会員事務所の主要業務として、これからもしっかりと続けていかなければならないと考えています。

時代・環境変化に応じた商品開発で加入関与先拡大を支援

 ──「TKC全国会創設50周年に向けての政策課題と戦略目標」では、「戦略目標」の一つとして、「企業防衛加入関与先企業数15万社+α」が掲げられました。その理由と「+α」の意味を教えてください。

TKC全国会 粟飯原一雄会長

TKC全国会
粟飯原一雄会長

 粟飯原 昨今、中小企業の経営が非常に厳しい状況にさらされている中で、経営者の悩みはつきないのではないかと思います。したがって、常に中小企業の存続基盤を意識した指導をしっかり展開しなければならないという意味を込めて、今回、TKC全国会の戦略目標の一つに挙げさせてもらいました。
 ただし、企業防衛制度推進委員会による数値目標は、2020年3月を期限にしており、2021年末までの1年9か月分の上乗せ部分を「+α」として付け加えました。

 喜田 会長の発表内容を拝見して、思わず背筋がぐっと伸びました。大きな目標の一つに位置づけられた「企業防衛加入関与先企業数15万社+α」目標の達成に向けて、先生方の保険指導を全力でご支援させていただかなければならないと、身の引き締まる思いでございます。

 ──15万社というのは大きな数値目標ですが、この目標の突破に向けて、どのような支援をお考えですか。

 喜田 先ほども申しあげたとおり、ベースにあるのは「理念」を共有すること、そして、先生方の「関与先完全防衛の実現」に向けて全力でサポートさせていただくことに変わりはありません。しかし、その一方で、時代や環境の変化に応じた対応も大切だと考えています。
 昨年、創業110周年記念事業として実施した「経営者1万人アンケート」では、経営者の平均年齢は、10年前との比較で約2歳、20年前との比較で約4歳上昇しています。高齢化に伴い、いわゆる3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)にかかってリタイアせざるをえないリスクや、療養が必要で長期の不在を余儀なくされるリスクが顕在化しております。
 このため、平成22年10月に“経営者の重大疾病によるリタイア等のリスク対策”として「企業防衛制度Jタイプ」を発売しました。また、昨年10月には“経営者の一時離職のリスクから会社を守る”という新しいコンセプトの「総合医療保険」を発売しました。これにより、従来の「企業防衛制度Rタイプ・Lタイプ」では十分に保障することができなかったリスクに対するトータルな保障をご提供させていただけるようになりました。
 また、企業防衛制度推進委員会の先生方からご意見をいただき、死亡保険金を一時金だけでなく、5年・10年等の分割でも受け取れるようシステム化いたしました。関与先さまの経営状況に応じて、最適な受取方法をご指導いただけると思います。
「企業防衛加入関与先数15万社+α」というTKC全国会の新たな目標の達成に向けて、大同生命の果たすべき役割もますます大きくなっていると思います。これからも、時代や環境の変化に応じたニーズにしっかりとお応えすることで、先生方の保険指導をご支援してまいります。

 ──目標に対する推進状況をどうご覧になっていますか。

 喜田 昭和58年に飯塚毅初代会長が掲げられた「保有16兆円目標」を四半世紀の時を経て平成20年に見事達成された後、新たな目標として「企業防衛加入関与先15万社目標」を設定されました。
 そのマイルストーンである加入関与先13.5万社を目標とする「第1期5カ年計画」(平成22~26年度)は、平成25年度で4年目を迎えられます。当初2年間は、厳しい経営環境もあり、やや伸び悩んだ面もあると思いますが、多くの会員先生方の実践の積み重ねにより、平成24年度は順調に推移しており、平成26年度の13.5万社目標達成への歩みが加速してきていると感じております。
 また、「第1期5ヵ年計画」の最終年度となる平成26年は、TKC全国会と弊社との業務提携40周年にも当たります。弊社といたしましても、記念すべき年での目標達成に向けて、企業防衛加入関与先の拡大がより一層加速するよう、全力でご支援してまいります。

 粟飯原 実はいま、加入関与先拡大の目標に関して、企業防衛制度推進委員会に検討をお願いしていることがあります。対象を法人に限定する必要はないのではないかということです。個人事業主も保険指導の対象に含まれていることを発信してもらいたいと思っています。飯塚先生が、「TKC企業防衛制度導入の8原則」を我々に示されたベースには、企業そのものを守っていくという精神があるからです。
 また、今回、TKC全国会でのKFS(Key Factors for Success)運動について、新たな定義を設定しました。すなわち、KFSの、「K=計画支援」「F=フォロー」「S=証明力」として、これまでの活動をさらに広く捉えていこうとするものですが、これに企業防衛制度の「K」を加えて、ダブルKFSとしてもよいくらいに考えています。
 いずれにしましても、中小企業の経営基盤をしっかりサポートするという我々の大きな使命を果たすためには、各委員会で軌を一にした行動に盛り上げていく必要があります。

震災発生後すぐ対策本部を設置
全社を挙げて被災地対応を行う

 ──未曾有の東日本大震災の発生から、まもなく2年が経とうとしていますが、貴社によるこれまでの対応について、お聞かせください。

 喜田 震災発生時、私は東京本社におりました。私も含め平成7年の阪神・淡路大震災のときに大阪本社に勤務していた役職員も多く、震災発生後直ちに緊急対策本部を立ち上げるなど、その経験を踏まえた対応ができたと思います。
 災害救助法適用地域におられる弊社のお客さまは、約11万にのぼります。「保険金等の適切かつ確実なお支払い」という生命保険会社の社会的使命を果たすため、全社を挙げてお客さまの安否確認と保険金等請求のご案内に取組みました。内陸部のお客さまには延べ千数百名の役職員がお電話を差しあげることとし、電話がつながりにくい沿岸部のお客さまには現地の担当者のほか本支社から派遣した延べ数百名の支援要員も加えて一件一件訪問しました。TKC会員の先生方の多大なるご協力もあり、生命保険業界の中でもかなり早い段階ですべてのお客さまの安否確認を完了することができました。
 また、少しでもお客さまのご負担が軽減されるよう、「ご契約の特別取扱」として保険金等のお支払手続に必要な書類の一部省略や、保険料のお払込猶予期間の延長などを実施しました。このような取扱の中には、生命保険業界から政府等に働きかけながら実現したものもあります。
 そのほか、各種支援物資や、東京・大阪の両本社で集まった防寒衣料約8,000着を被災地の方々にお届けしました。

 粟飯原 TKC全国会においても、東北会を中心に多くの会員事務所や関与先が被害を受けました。その中で、企業防衛制度によって関与先が救われた例が多数ありました。

 喜田 特に、平成24年3月23日の「TKC全国合同推進会議」での東北会・丸岡美穂先生のお話が印象に残っています。
 その関与先の社長さまは、ご健康状態により割増の保険料となりましたが、ご加入後も、監査担当者の方が保障の重要性をご説明され、継続が厳しいときにも解約せずにご継続いただいていました。今回の震災の津波により、社長さまがお亡くなりになられ、ご遺族は事業継続を断念されましたが、企業防衛制度の保険金により、従業員への退職金支払い、会社の清算、相続を無事に終えることができたそうです。丸岡先生は、ご遺族から「企業防衛制度に入っていて、本当に助かりました」との言葉を受け取られ、「本当の意味での企業防衛を全うできたのではないか」とお話しておられました。
 あらためて、私たちは、この経験を忘れることなく、仕事に誇りを持って、関与先さまに広く、そして確実に保障をお届けしてまいりたいと思います。

 粟飯原 震災対応につきましては、株式会社TKCが特にシステム面での緊急支援に尽力してくれましたし、我々会員も、地域会の中で支援活動に全力を注ぎました。先ほどお話がありましたけれども、阪神・淡路大震災から学んでいたこともあって、迅速にそれぞれが一斉に行動を起こすことができました。このような経験を通じて、危機管理体制のあり方をさらに発展させていかなければならないと思います。

粟飯原一雄会長×喜田哲弘社長

高齢化の影響で後継者育成が一番の課題に

 ──大同生命保険による社会貢献活動も注目を集めています。主な活動内容をご紹介いただけますか。

 喜田 当社のルーツである加島屋も、江戸時代に大坂で発生した大津波に際して護岸工事の資金を寄付するなど、社会貢献活動に積極的に取組んでいたようです。弊社にも、「社会・地域への貢献」というDNAが受け継がれていると考えています。その一つとして、創業90周年を迎えた平成4年から毎年、「全国障害者スポーツ大会」に特別協賛し、役職員がボランティアとして大会運営を支援しています。この事業は、20年間ずっと継続させていただいております。
 また、先ほども申しあげましたが、創業110周年記念事業の一環として、少しでも中小企業のみなさまのお役に立てればとの思いで「経営者1万人アンケート」を実施しました。全国13,000人を超える経営者のみなさまを訪問して「生の声」をお聞きしている調査は他にあまり例がないようです。

 粟飯原 今回、アンケート結果では、どのような傾向が見られましたか。

 喜田 中小企業経営者のみなさまにとって、いま、一番の課題は「事業承継」ではないかと思います。前回(平成14年)の調査との比較では、「後継者の育成」を課題に挙げられる方が20%から33%へと10ポイント以上も増加しています。また、「後継者が決まっていない」と回答された方は54%と半数を超えています。
 冒頭に申しあげましたとおり、中小企業経営者にも高齢化の波が押し寄せており、「事業承継」が日本にとって大きな課題になっていることが、あらためて浮き彫りになったと考えています。

DVD

 粟飯原 この場をお借りして、喜田社長には、感謝の気持ちをお伝えしておかなければなりません。創業・経営革新支援委員会の時代から、大同生命保険の100周年記念事業の一環として、中小企業を支援するための「DVD講座」をTKC全国会とタイアップして制作・提供していただいております。この活動は平成15年から毎年続いていて、多方面から高く評価されています。おかげさまで今回もすばらしいDVDができました(『めざせ、自立型経営!財務経営力強化で資金調達力を身につけろ!』)。

 喜田 少しでもお役に立ててうれしいです。

日本を支える中小企業の元気から日本経済の再生を!

 ──中小企業の発展という同じ目的に向けて、抱負をお聞かせください。

 喜田 TKC全国会では「いまこそ、社会の期待に応えよう!めざせ!中小企業のビジネスドクター」を統一行動テーマとされていますが、すべてがこのテーマの中に凝縮されていると思います。
 足元の経営環境には、一部に明るい兆しもみられますが、日本にとって真価が問われるのはこれからです。福澤諭吉先生の「一身独立して一国独立す」との言葉どおり、自らが努力することが問われると思います。そのような中、TKC全国会におかれましては、中小企業経営力強化支援法に基づく「経営革新等支援機関」の認定申請を推進されておられます。TKC全国会としての目標、そしてその目標到達に向けた整合的な行動を、会員の先生方、お一人お一人が着実に実行されています。
 日本の企業の99%は中小企業であり、また、全就業者の70%が中小企業で働いておられます。まさに、日本を支えているのは中小企業のみなさまです。中小企業が元気になることで日本が元気になり、日本の経済の再生にもつながっていくことを期待しています。

 粟飯原 今年は巳年です。TKC全国会にとっても、今年は脱皮の年にしたいと思います。そのためには、まず会員自身が変わらなければいけません。いままで我々は、中小企業のよき相談相手という立場で支援してきましたが、ここから一歩踏み込んで、国の方向性を展望して、中小企業の財務経営力の強化を支援するという役割を率先して担わなければいけません。
 これについては、TKC全国会の政策課題と戦略目標の最後に、3つの「C」、つまり、「Chance, Change and Challenge」として私の思いを記しています。
 チャンスとは、会計を経営に活かす、TKCシステムの強みを活かす、TKCブランドを高めるということです。チェンジとは、会員の意識改革(経営者の財務経営力を高める支援)、経営者の意識改革(発想の転換、姿勢の転換、行動の転換)を促すということです。そして、チャレンジとは、高い戦略目標に対して果敢に挑戦して必ず達成しようということです。
 TKC全国会創設50周年に向けて、こうした取組みにより中小企業を元気にして、日本経済の再生のために持てる力を存分に発揮したいと思います。そのためにも、大同生命保険のみなさま方にもしっかりサポートしていただきたいと念願しております。

 喜田 こちらこそよろしくお願いします。弊社は「長くつづく会社が多い国は、いい国だと思う」というメッセージを発信しています。中小企業のみなさまが長く続いていくために、先生方が担っておられる役割は、非常に大きいと思いますので、ご期待を申しあげるとともに、弊社もしっかりとそのご支援をさせていただきます。

保険指導理念
〈企業防衛制度導入の8原則〉

【第1原則】
肉親の一人としての助言・指導
関与先の防衛問題を、関与先の経営者の肉親の一人として、親身になって解決してやるのだ、との純粋かつ崇高な使命感から助言指導すること。
【第2原則】
純粋かつ断固たる指導者の態度
先生は相手方の妄想、思惑、風当りを考え、及び腰で説得する、との態度を絶対的に避け得ていること。
【第3原則】
会計税務・経営の指導者の態度
先生は保険会社の外務員でもなければ、保険会社の代弁者でもない。会計税務の専門家であり、経営の指導者である。ただ、資本制社会の制度としての保険の一種類を、最も有利に関与先のために活用せんとするだけだ、との態度を絶対に堅持すること。
【第4原則】
満腹作戦の実施
企業防衛制度の契約指導に当っては、満腹作戦をとるべきだ、ということ。
【第5原則】
適正額算出による指導
関与先企業における保険適正額を予め算出して指導に当ること。
【第6原則】
議事録の作成
先生は保険加入説得の時点で、関与先に対し、保険契約成立と同時に法的に有効な議事録作成のアフターサービスを実施する旨を、厳然と伝えておくこと。
【第7原則】
会計人としての保険指導
先生は保険会社の外務員ではなく、保険契約指導の会計人なのですから、いささかでも勧誘的な感触を関与先に与えない様、厳然たる指導者的態度を崩さず、堂々と胸を張って行動すること。
【第8原則】
関与先企業に最も有利な保険の指導
関与先企業に保険契約を指導する場合には、常にその時点で、関与先に最も適切有利なものに的をしぼり、それ以外は薦めない態度を堅持すること。

 

喜田 哲弘(きだ・てつひろ)氏 プロフィール

昭和28年生まれ。大阪府出身。昭和51年慶應義塾大学法学部卒業後、大同生命保険入社。同社人事部長、企画部長、取締役、常務取締役等を経て、平成19年T&Dホールディングス常務執行役員就任。その後同社取締役常務執行役員、取締役専務執行役員を経て平成22年4月大同生命取締役社長に就任。

(会報『TKC』平成25年3月号より転載)