02 連携

正確な財務データを土台に、
中小企業支援をさらに一歩進める

水戸信用金庫・飯村次男理事長との対談
『TKC会報』2026年4月号

目次

水戸信用金庫とTKC関東信越会茨城支部の連携は、地域経済を牽引する中小企業を支援するために不可欠な、金融機関と税理士(会計事務所)の協働のあり方を示しています。審査や事業性評価の土台となる「財務データの正確性」と、現場における具体的な協働プロセスについて、両者のトップ対談から見えてきた連携事例をご紹介します。

1. 動画「TKC FOCUS」を通じた「信頼できる決算書」への共感

水戸信用金庫では、動画「TKC FOCUS」を視聴したことをきっかけに、信頼できる決算書への理解を深めています。改ざんできない仕組みや、適時・正確な月次決算が担保されている決算書は、金融機関が安心して融資判断を行うための重要な材料です。
さらに、過去の年度との比較が容易に行えることや、決算書と税務申告書の整合性が取れていることも、金融機関から見たデータの信頼性を高める要素となっています。

動画 TKC FOCUS #1「信頼できる決算書とは」

2. 「毎月帳簿を締めているか」企業の管理体制を可視化

決算書のベースとなるのは、中小企業向けに定められた会計ルール(中小会計要領)です。TKCから提供される決算書には、このルールに準拠して作成している旨が明記されています。

さらに、システムを通じて毎月の継続的な確認業務(巡回監査)が実施されているかが自動的に証明されます。仕訳データの入力日や月次締めが行われたタイミングが明確になるため、「本当に毎月きちんと帳簿を締めているか」という企業の管理プロセスが、金融機関側からも可視化される仕組みになっています。

3. 事業性評価と予兆管理を支える「正確な財務データ」

事業性評価においては非財務情報も重要視されますが、その大前提となるのは正確な財務データです。不正や改ざんが入り込まない決算書と、毎月適時に締められた月次データ(試算表)は、事業性評価の確かな基盤となります。

加えて、TKCモニタリング情報サービス(MIS)を通じてこれらのデータが金融機関と自動的に共有されることで、企業の業績変化をいち早く察知する「予兆管理」にも有効に活用できます。

4. 「創業支援」と「黒字化支援」による相互理解

金融機関と税理士が連携を深めるためには、互いの注力分野や支援方針を理解し合うことが重要です。

水戸信用金庫では、お客様の経営課題解決や地方創生に加え、「創業支援」を重点的な取り組みとして掲げ、「未来の取引先の裾野づくり」を戦略的に進めています。

一方、TKC全国会は、一般的なイメージである税金計算や節税のサポートにとどまらず、資金繰りの改善や財務体質の強化を通じた「黒字化支援」によって、より健全な経営を実現することを目指しています。

5. 「顔の見える関係」を深める三つの具体的な協働アクション

こうした相互理解を踏まえ、両者は「顔の見える関係」をさらに進展させるため、現場レベルでの交流や連携を一層深めていくことを確認しました。

具体的には、以下の三点に継続して取り組んでいくことが提案されています。

  • 金融機関の支店長を対象とした本部研修の実施
  • 地域ごとの交流会(ブロック会)への参加
  • 企業、金融機関、TKC会員の3者が同席する「決算報告会」の推進

正しいデータに基づく対話と、現場レベルでの実践的な交流を積み重ねることで、地域企業を支える強固な連携体制が形作られていきます。

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