スマート行政DX推進を支援する

情報誌 「新風」(かぜ)

2026年7月号Vol.143

【スマート行政最前線】自治体にも広がるペポルインボイス

株式会社TKC 自治体DX推進本部

 国は、政府機関・地方公共団体、民間企業のバックオフィス業務のデジタル化を進めるため、〝デジタルシームレス〟の実現を掲げ、そのピースとしてペポルインボイスの普及・定着を進めています。
 市区町村に対しては、『令和6年度の地方財政の見通し・予算編成上の留意事項等について』(2024年1月22日/総務省事務連絡)でペポルインボイスの積極的な導入を要請されたほか、デジタル庁が発行する〈ガバメントクラウド利用料の請求〉においてペポルインボイスも選択できるなど、今後、その活用機運が急速に高まることが想定されます。

ペポルインボイスとは

 「ペポル」とは、請求書などの電子文書をネットワーク上でやり取りするための国際的な標準仕様のことで、日本ではデジタル庁がこれをベースにデジタルインボイスの標準仕様(JP PINT)を公開、管理しています。
 この日本版標準仕様に基づき、かつ、インターネット上に構築されたペポルネットワーク上で送受信されるデジタルインボイスをTKCでは「ペポルインボイス」と定義しています。
 ペポルインボイスを活用することで、
①送り手側:請求書の印刷・封入・投函にかかる作業負担や郵送コストを削減できる、②受け手側:人の手を介することなく財務会計システム等に請求データを容易に連携でき、保管・管理の手間も省けるなどバックオフィス業務を効率化できる──など、民間企業を中心に利用が広まっています。

出典:国税庁HP「事業者のデジタル化促進」を参考にTKC作成

出典:国税庁HP「事業者のデジタル化促進」を参考にTKC作成

ペポルの仕組み

 ペポルインボイスは、送り手と受け手がそれぞれのペポルアクセスポイントを経由して電子メールのように送受信する仕組みで、双方が利用するシステムやアクセスポイントが異なっていても、ペポルネットワークに参加する全てのユーザーとやりとりができます。
 また、ペポルインボイスには、ペポルID(適格請求書発行事業者の登録番号または法人番号)や取引先の名称、品名、単価、数量、取引金額など必要な情報が、構造化されたデジタルデータ(XML形式)としてセットされています。PDFなどのイメージデータとは異なり、記載事項をコンピュータが直接読み込めるため、人の手を介することなく財務会計システム等にデータを容易に連携できます。
 市区町村がペポルインボイスを導入することで、送り手(事業者)側では請求書発行にかかるコストと手間を削減でき、受け手側(市区町村)は起票業務の効率化に加え、〝紙〟の請求書を受領・保管・管理する必要がなくなり、市区町村と取引先事業者の双方で〝デジタル完結〟による業務の効率化や生産性向上につながります。

● ペポルインボイス導入の流れ

 ペポルインボイスを導入するには、次の対応が必要となります。

1. 対応システムの導入

 ペポルインボイスの受信に対応した電子請求書サービスの導入や、財務会計システムの改修などが必要です。
 加えて、導入サービスやシステムが接続するペポルアクセスポイントを確認します。アクセスポイントは、デジタル庁等の認定を受けたペポルサービスプロバイダーが提供しており、日本ではTKCを含め42社(26年4月24日時点)が認定されています。

2. ペポルIDの取得

 ペポルサービスプロバイダーから「ペポルID」を取得します。ペポルインボイス導入の手続きの中で実施されます。

3. 送受信の相手先の管理

 ペポルネットワークの送受信では、ペポルIDをアドレスとして相手先とやり取りを行います。
 ペポルインボイスを送受信する際には、事前に相手先のペポルIDを確認し、システムに登録しておく必要があります。

図2 公会計システムのペポルインボイス対応

TKCの対応

 TKCでは、今春、市区町村向け財務会計システム「TASKクラウド公会計システム」のオプション機能として、新たにペポルインボイス対応サービスの提供を開始しました。
 本サービスでは、①受領したペポルインボイス(請求データ)を公会計システムに自動で取り込み、②支出命令起票時に必要な項目を請求データから自動転記、③その後の決裁(電子決裁)や支払い処理まで、請求・支払いに関する一連のプロセスをデジタルで完結できます。
 また、ペポルインボイスの普及策の一環として、市区町村の取引先事業者がペポルインボイスを〝かんたん〟に送信できるサービスの提供も予定しています。
 TKCでは、今後も電子決裁や電子請求書サービスとの連携など〈財務会計システムを起点とした内部事務DX推進サービス〉の提供を通じて、デジタル完結によるお客さまのバックオフィス業務の効率化をご支援してまいります。

導入システム