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情報誌 「新風」(かぜ)

2026年7月号Vol.143

【ユーザー事例1】標準化完了、業務改革は次のステージへ

基幹業務システム > 埼玉県神川町

総合政策課 課長 若林貴之 氏 / 主査 吉田拓二 氏 / 主任 岩井亮介 氏

住所
埼玉県児玉郡神川町大字植竹909
電話
0495-77-2111(代)
面積
47.4平方キロメートル
人口
12,636人(2026年5月1日現在)
埼玉県神川町

──神川町では、標準化(2026年2月本稼働)を機にTKCの基幹業務システムへ切り替えました。

岩井 基幹業務システムの提供事業者が、標準仕様への対応を機に自社製品の販売を終了することとなり、神川町では業務環境の刷新を余儀なくされました。引き受けてくれる事業者がなかなか見つからず、情報収集にも苦労する中で、埼玉県町村情報システム共同化推進協議会にはいろいろと相談に乗っていただきました。
 最終的に推進協議会が共同利用するTKCシステムの採用を決めたのは、協議会に参加する他団体との〝連携〟が容易なことと、何かあった時にも仲間に相談できる〝安心感〟でした。

標準化を機に共同利用を選択

──システムの切り替えと標準仕様への対応を振り返って、いかがですか。

吉田 25年度に担当職員2名が異動となり、新体制でシステム切り替えと標準仕様への対応に臨みました。無事に移行するまで大変な作業になるだろうと覚悟しました。総合政策課としてまず取り組んだのが、原課に聞きながら〈現状どういったシステムがあり、システム間・外部機関とどう連携しているのか〉を整理することでした。

岩井 異動してすぐ移行を担当することになり、不安でした。最も心配だったのは、「新システムにデータが正しく移行されて、業務が滞らずに継続できるか」ということ。その点はスムーズにいき過ぎて、逆に大丈夫かなと思うほどでした。TKCには専任チームによる支援体制をとっていただき感謝しています。移行期間に開催したワーキングは100回・500時間を超え、「システムが変わることで操作や運用がどうなるのか」という職員の不安に、一つひとつ丁寧に応対していただきました。

──円滑に進んだ要因として、職員の皆さんの意識の高さが挙げられます。

岩井 システムの切り替え・標準仕様への対応は、原課職員に大きな負担がかかり、スムーズに進めるには庁内の意識醸成が重要です。
 その点、神川町の場合、各課の職員が非常に協力的でした。その根幹には、「これまでとは環境が大きく変わり、しっかり取り組まないと業務が継続できなくなる」という危機感があったと考えています。実際にシステム単位で近隣団体へのヒアリングや視察を行うなど、原課主導でどんどん進められていきました。
 ワーキングを通じて課題や業務フローの変更点などが明確になったことも〝追い風〟になったと思います。また、相乗効果として、業務フローや運用など長年放置されてきた〝慣習〟を見直すことにもつながりました。
 総合政策課として工夫した点では、各課にパソコンを1、2台設置して職員が自由に新システムに触れる環境を用意したことが挙げられます。データ抽出からセットまでの本番移行前の検証期間も含め、システムに慣れてから本稼働を迎えたことで、混乱することなく新たな業務環境へスムーズに移行できました。

──本稼働日と衆議院選挙の日程が重なるという〝番狂わせ〟もありました。

岩井 その前に、本稼動日を一度変更していたこともあり再調整は困難で、そのまま乗り切ることを決断しました。期日前投票期間中にひやりとした瞬間はありましたが、選挙管理委員会の協力に加えて、選挙システム以外の移行検証を投票日前日の土曜日に完了できたことで、投開票に影響することなくほっとしました。

──当社のサポートはいかがでしたか。

岩井 印象に残っているのは本稼働日前後の人の多さです(笑)。今回、システムの切り替えとガバメントクラウドへの移行はTKCでも唯一の事例とのことで、総出で支援していただきました。
 運用開始後に質問が増えることを心配していましたが、継続したサポートもあり、職員が安心してシステムを利用できる環境となっています。

いざフロントヤード改革へ

──以前と比べて、システムの操作性や業務はどう変わりましたか。

吉田 システムの操作に慣れていないため戸惑う場面はあるようですが、私自身は業務がやりやすくなったと感じています。また、業務上の大きな変化は、データ入力作業をアウトソーシングできなくなったことです。これについては、将来も見据えて運用フローの見直しなどの検討を進めています。

──今後の展望を教えてください。

岩井 標準化対応が完了し、次は「総合的なフロントヤード改革」を検討したいと考えています。特に重視しているのは基幹業務システムとの連携です。
 書かない窓口を導入していますが、単体利用では紙がタブレットに変わっただけで、住民の利便性は向上しても職員の負担軽減には結び付いていません。これについては、フロント/バックヤード連携を進める考えです。
 ただ、システムの運用経費は標準化前と比べて大幅に増えました。TKCには、引き続きコストの最適化に取り組んでもらうよう期待しています。

若林 人口減少が進む中で、多様な行政ニーズに対応し、行政サービスを継続して安定的に維持していくためには、デジタル技術の活用を進めていく必要があり、神川町としてもDX推進体制の強化に取り組んでいきたいと考えています。
 大きな社会環境変化に直面するいま、推進協議会は大変心強い存在です。事務局や推進協議会に参加する県内町村と協力しながら、さらなる住民サービスの向上と業務の効率化を目指していければと考えています。

左から、若林課長、吉田主査、岩井主任

左から、若林課長、吉田主査、岩井主任

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