2021年10月号Vol.124
【TKC サポートインフォメーション】次世代公会計システムEBPMをもっと身近に
行財政経営支援へシステム刷新
全国280団体以上に利用いただく「TASKクラウド公会計システム」と、関連システム(固定資産管理や行政評価、契約管理、起債管理)を全面リニューアル。10月1日から提供を開始いたします。
これは、財政状況の見える化で持続可能な行政経営を支援するとともに、内部業務のデジタル・トランスフォーメーション(DX)推進を支援することを狙って、システムをいちからつくり直したものです。
新しい公会計システムでは中核市(人口20万~50万人)までを対象に現行機能を強化するほか、①「電子決裁」「電子請求書」「デジタル予算書」などDX推進、②「財政マネジメントポータル」「会計監査支援」など正確な財政状況の見える化──を支援する各種機能を搭載します。
これにより、市区町村の「生産性向上」や「働き方改革」の実現に加えて、「持続可能な地方財政基盤の構築」を支援します。今号では、新公会計システムの主な特長をご紹介します。
〝人にやさしく〟進化
第一の特長として、日々仕訳や固定資産台帳との完全連携など従来のシステム特性を継承しつつ、直観的で使いやすいユーザインターフェースの実現など機能強化・拡充を図ります。
1. EdgeやChromeなどの各種ブラウザに対応。これにより、パソコンのほかタブレットやスマートフォンなどでもシステムが利用できるようになります。
2. 利用する端末の画面解像度に応じて、表示される画面サイズを自由に変更できます。特に、大型のディスプレイなどを利用した場合、一つの画面でより多くの情報を参照でき、利用シーンに応じて最適な画面サイズで業務ができるようになります。
3. 処理の途中で他の画面に遷移することなく、できるだけ一つの画面上で処理ができるよう画面構成を変更します。これにより、例えば予算要求や伝票入力画面など入力項目が多い処理でも網羅的な入力作業が可能となります。
また、入力項目の配置や必須マークの表示など、入力のしやすさや処理漏れを防止するための機能改善を図ります。
4. システムの入口として、新たに「財政マネジメントポータル」を提供します。
ここからシステムを起動できるのに加え、ポータル画面では首長から原課職員までそれぞれの視点で、すぐに役立つ情報(財政指標や予算・決算情報のグラフなど)を表示します。また、「お仕事リスト(自分が処理すべき案件の一覧)」マイメニューを表示することで、処理忘れを防ぎ業務の効率化を支援します。
内部事務もDX推進
1 予算編成の支援機能
(1)シーリング(予算上限設定)機能
これにより、①当初予算編成で財政主管課が事業または節・細節などの予算科目に予算上限額を設定し、各課担当者がその範囲内で予算を要求、②財政主管課が上限額と実際の要求額を確認──することができ、計画的な予算編成が可能となります。
(2)出力できる予算書様式の拡充
第一表(歳入歳出予算)、第四表(債務負担行為)に加え、第二表(継続費)と第三表(繰越明許費)が出力できるようになるほか、今後、給与費明細書や継続費調書にも対応する計画です。
将来的には、議会や住民に詳細情報を分かりやすく公開する「デジタル予算書」への対応も予定しています。
(3)暫定予算編成への対応
当初予算が暫定予算となった場合、入力済みの本予算の内容はそのままで簡単かつ短期間で暫定予算の入力が可能となります。本予算が議決された後は容易に本予算への切り替えができ、暫定予算の執行内容もそのまま本予算に引き継げます。
2 予算執行の支援機能
(1)「電子請求書サービス」連携機能
インボイス制度導入に伴い、支出負担行為兼支出命令などの伝票入力時に、該当する電子請求書を指定するだけで摘要や金額、債権者等が自動転記されます。これにより、データの入力誤りを防止するほか、伝票起票などにかかる作業時間を短縮できます。
(2)「会計監査」支援機能
財務に関するリスク評価やモニタリングなどを支援する機能を提供します。具体的には、伝票入力時のチェックや支払い漏れの防止、執行実績の分析などの機能を搭載し、適正な予算執行や会計課の検査・監査を支援します。
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その他にも、より使いやすく、業務効率の向上を支援するため以下の機能強化・拡充を図ります。
①パッケージシステムでありながら、それぞれの運用に合わせて伝票や納付書のレイアウトを柔軟・容易に変更できます。
②入力途中の伝票を保存し、後から保存したデータを呼び出し再入力できるようにします。
③電子決裁システムの機能改善・拡充を図ります。
この他、固定資産管理、行政評価、契約管理、起債管理など関連するシステムも全面刷新します。生まれ変わった公会計システムに、ご期待ください。
直感的で使いやすくなった新システム(メニュー画面)
見たい情報がひと目で分かる「財務マネジメントポータル」
財務に関するリスク評価やモニタリングなど「会計監査」も支援