ユーザー事例

株式会社ウイルコホールディングス

電子申告がもたらしたグループの効率化と活性化

株式会社ウイルコホールディングス

高い印刷技術と創造的な商品開発で知られるウイルコホールディングス。グループの財務はシェアード体制を構築し、効率化を進めてきた。なかでもTKCシステムの果たした役割は大きいと、同社の見山英雄取締役はいう。その見山氏と財務部の林岳志部長代理、蚊戸由紀子担当課長に話を聞いた。

──ウイルコグループの事業概要を教えてください。

見山英雄取締役

見山英雄取締役

見山 金沢市の隣にある石川県白山市に本社がある会社で、東京、大阪、名古屋、京都など全国に7つの拠点、5つの工場があります。売り上げは連結で約129億円。情報・印刷、メディア、知育という3つの事業セグメントに分けることができます。主力の印刷事業についていえば、もちろん、普通のチラシやDM(ダイレクトメール)といった大量印刷製品も扱いますが、紙媒体の縮小でこれらが年々厳しくなってきているのも事実です。そこで、より付加価値のついた製品開発を行っています。

──たとえば?

見山 DMでは、袋とじや箱形、封筒一体型、観音開き、プルトップ型あるいは飛び出す仕掛けがあるポップアップ型。また、両面に印刷されているため剥離紙の出ないラベルやシールも好評です。さらに、企業や店舗のノベルティーにも最適な、のりもはさみもいらない「魔法のペーパークラフト」(2016年グッドデザイン賞受賞)なども発売していて、見て楽しくなるカラフルでデザイン性の高い製品群を取りそろえています。ペーパークラフトは、たとえば、自動車ディーラーなどの店舗で、お客さまが家族づれで訪れた場合、子供さんの遊び道具として採用をいただいたりもしています。このように、われわれは、顧客のニーズに細やかに応えるため、印刷技術を日々研鑽(けんさん)しており、他社にはできない製品開発を心がけています。ぜひ一度当社ホームページをご覧になってみてください。ご連絡いただければ、すぐに当社の営業マンを派遣させていただきます(笑)。

──メディア事業と知育事業については?

印刷事業

見山 メディア事業は、関西の大手フリーペーパーのフランチャイジーとしてのビジネスです。また、知育事業には、昨年8月、ウィズコーポレーションを傘下に収めることで参入しました。ウィズコーポレーションは「音の出る絵本」でシェアナンバーワンの会社であり、教育玩具や雑誌などの付録・ノベルティー製品の企画・制作などを行っている会社です。これらは、当社の事業と親和性がきわめて高く、今後、大きなシナジー効果が期待できると思っています。

──グループの財務部門はシェアード体制(間接業務・サービスなどを1カ所に集約・標準化すること)をとられているとか。

見山 現在、連結子会社が10社、持分法適用会社が3社あり、その財務管理を本社が一括して行っています。シェアードは、子会社の負担は減りますが、その分親会社が大変。しかし、見方を変えれば、われわれがバックヤードを支援することで、子会社には営業に専念してもらうという意味合いがあります。

着々とシステム化を進め財務部の業務品質を上げる

──電子申告への取り組みはいつから?

見山 法人税、地方税、消費税の電子申告自体はすでに他社システムで行っていたのですが、平成22年に『ASP1000R』(TKC法人電子申告システム)に変更しました。

──なぜでしょう。

林岳志部長代理

林岳志部長代理

 機能的な問題です。入力担当者から使い勝手が悪いという声が上がったのです。手書き入力の局面が多く、数が増えてくると大変な作業量になってくる。そこで、ためしにTKCの営業の方に来てもらい、プレゼンを受けたのです。

見山 すると、そっちの方が断然良い。いままでは、業務が属人化しがちでしたが、システム変更してからは、入力が分かりやすくチェック機能も充実していて業務の標準化ができたと思います。安心して決算に取り組めるようになりました。

──その数年後、連結納税を採用されました。

見山 当時、たまたま特別損失を出し、会社を3つに分割しました。その上で連結納税を導入して、損益通算による節税効果を狙ったわけです。

 でも、難しいので手作業ではやりたくありませんでした(笑)。そこで25年にTKCさんの連結納税システム『eConsoliTax』を導入。ちなみに翌年『e-TAX法定調書(法定調書合計表、支払調書、給与支払報告書等)』(29年にマイナンバー対応へバージョンアップ)、28年には固定資産の申告も『FAManager』でシステム化しました。さらに最近では、償却資産税の電子申告システムも、他社のものから『e-TAX償却資産』へ移行しました。

──オールTKCですね。

 これほどバラエティーに富んだ電子申告のシステムの開発・販売を手がけているのはTKCさんしかありません。ほかに選択の余地がない感じでしたね。

──電子申告のメリットについてどうお考えですか。

蚊戸由紀子担当課長

蚊戸由紀子担当課長

蚊戸 まず紙ベースの提出(郵送)がなくなったこと。これが大きいですね。紙で印刷してそれを封入する作業はとても面倒で時間もかかります。それから、押印の手続きが不要になったこと。これも大変な効率化につながりました。以前は、上長が押印を行うための申請書作成をはじめ、さまざまな調整に手間がかかっていました。ですから数日は余裕がないと危なかったのです。しかしいまは、財務部が電子認証の権限を持っており、最悪、申告日の直前でも修正できる。社内で無駄な調整をする必要がなくなりました。

──そのほかには?

 業務の標準化にも効果を発揮しています。たとえば申告担当が病気で出社できなくなったとします。しかし、TKCにはシステムコンサルタントもおられるし、ヘルプデスクもあるので安心です。

蚊戸 それと、法人税率や地方税率の改正や住民税の均等割額などを自動更新してくれることにも助けられています。紙ベースの時代は、自らインターネットで調べなければなりませんでした。

 ありがたいのは、最新のものを素早く更新してくれることです。更新が、申告期限ぎりぎりだと、事前の検討やシミュレーションができませんから。

──チェック機能については?

 エクスパートチェック機能は、さまざまな基準・角度からチェックされるので便利です。やってはいけないことですが、適当な数字を入れてとりあえず更新ボタンを押すとエラーが出るので、それを直していけばある程度正しいデータが作成できます。

──先ほどコンサルタントの存在が大きいと……。

 そこがTKCさんを選んだ最も大きな理由かもしれません。他のベンダーだと、システムには詳しいが税務会計に知識のない営業マンが担当になりますが、TKCさんの場合、税理士さん(山根敏秀先生)にコンサルしていただけるので、税務や申告書に詳しく、安心感があります。また、税理士法人マネジメントさまには年2回、法令改正説明会を開催してもらっており、全国標準で網羅性のあるテキストによって解説いただけますから、これも勉強になります。

──今後はいかがでしょう。

 TKCさんでフィンテック(銀行信販データ受信機能)対応が可能だと聞き、興味を持って検討を進めています。仕訳の基礎データを金融機関から自動収集できれば、さらに、経理事務が効率化されるでしょう。今後は、マイナンバーやインボイスへの対応も進めていかなければなりません。TKCさんの力をお借りしつつ、財務部の効率化を進め、営業部隊など前線の援護射撃をしていきたいと思っています。

会社概要
名称 株式会社ウイルコホールディングス 株式会社ウイルコホールディングス
設立 1979年5月
所在地 石川県白山市福留町370番地
売上高 148億円(連結)
社員数 506名
URL http://www.wellco-corp.com/

『戦略経営者』2017年4月号より転載

掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、2017年4月現在のものです。
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