ユーザー事例

株式会社ソフト99コーポレーション

グループの連携を強固にしカー用品の新市場を創出

カーワックス首位のソフト99コーポレーションは、1954年の創業以来、独創的製品の開発で新市場を創出してきた。一方、扱い商品の多様化にともなうグループの拡大で、堅固な連結経営管理体制の構築も求められるようになってきている。同社の連結会計を取り仕切る西川保常務取締役と田口宏枝経理部課長に話を聞いた。

ソフト99コーポレーション

未来の「あたりまえ」を発見し長く愛される製品を提供

──カーワックス市場で常にトップを走ってこられました。

西川 家庭用クリーナー用品の製造・販売で創業し、その後、モータリゼーションの波に乗り、カーワックス市場に参入しました。当時は高価な外国製の固形ワックスが普通で、当社製品のような値ごろな国産品は珍しく、加えて、いち早く柔らかい半練り(ハンネリ)タイプを発売して、これがはからずも大ヒットとなりました。

──高度成長期にはシェアを独占されていたとか。

西川 当時はカーワックスのシェアが80~90%くらいだったでしょうか。いまでは競合も増えたので約50%に落ちていますが、その分、コーティング剤や撥水剤、芳香剤などを扱いアイテムの幅が広がりました。それぞれの商品には強力なライバルが存在しますが、総合的な製品ラインアップを持っているのはソフト99コーポレーションだけです。現在、アイテム数は1,500~2,000まで広がっており、そこが当社の強みでもあります。

──ソフト99の製品が支持され続けてきた理由は。

西川 当社は「未来の『あたりまえ』を発見する」という経営ビジョンを掲げていますが、「あたりまえ」とは一過性のブームに終わらない、お客さまに長く愛される製品やサービスのこと。たとえば、ハンネリもそうだし、いまや当社の看板商品となった『フクピカ』は、拭くだけでワックスをかけることができる従来にはほとんど見られなかった製品で、98年に発売以降、定番化しました。また、前後しますが91年に発売した『ガラコ』では、ガラス撥水剤という当時のニッチ製品を使いやすい容器の開発によって一気に普及させました。つまり、顧客のニーズをもとにいつのまにか「あたりまえ」となるような製品を創出してきたことが支持につながっているのだと思うし、この姿勢は今後も変わりません。

──車の保有台数が頭打ちになるなど市場は逆風のようですが。

西川 はい。加えてコーティングの普及や塗装技術の向上でワックス自体の需要が減っているのも逆風といえば逆風かもしれません。そこでわれわれは、車以外の分野にも、従来の技術を生かした製品・サービスを提案しています。

──たとえば?

西川 『メガネのシャンプー』など、眼鏡関係のクリーナー用品市場には早くから参入しています。それから珍しいところでは、自動販売機のコーティングですね。これは複数の大手飲料メーカーから受注し、すでに事業化されています。自販機をコーティングすることで、汚れや傷がつきにくくなり、メンテナンスが容易になるのです。このほかにも電車や船など、コーティング事業の将来性は大いにあると考えています。

──新しい市場という意味では女性需要の取り込みにも注力されているようですね。

西川 基本的にネット販売は年々伸びているのですが、加えて数年前には女性向けの『ココトリコ』というサイトを女性スタッフだけで立ち上げました。シートカバーやハンドルカバー、フロアマット、カーテンなど、女性の好みにあわせた自動車関連商品を販売しており、ここのところ急速に認知度がアップしてきています。

会計の専門家のサポートでスムーズにシステムを構築

──連結グループの概要を教えてください。

西川 本体のソフト99コーポレーション、連結対象子会社のアイオン(産業資材・消費材製造・販売)、ソフト99オートサービス(自動車整備・板金塗装等)、くらし企画(生活用品企画販売)、アスモ(自動車教習所、温浴)、それと中国現地法人の上海速特99化工有限公司(自動車用ケミカル用品製造販売)を加えて計6社からなっています。各社、さまざまな事業を手がけているし、今後もビジネスの範囲は広がるでしょうから、連結経営管理の重要性はますます増していくと思っています。

──TKC連結会計システム『eCA-DRIVER』を導入された狙いは?

西川 3年前、連結決算業務が経営企画室から経理部に移管され、同時にスプレッドシートで作成したシステムも引き継ぎました。ところが、われわれが作ったものではないので中身がよく理解できず、制度改正やグループ組織再編のたびにメンテナンスするのに手間取っていました。そのため、業務の標準化のためのツールとして外部のパッケージソフトの導入を検討し始めたのです。

──なぜ、『eCA-DRIVER』を選択されたのですか。

西川 当社ではグループ各社の個別の会計は、すべて他社の会計ソフトを使用していますが、実はその会社の連結パッケージも有力な候補でした。提示された価格も割安だったのですが、結果的にTKCさんを選んだ第1の理由はフォロー体制の充実ですね。『eCA-DRIVER』の場合、法制度の変更にもしっかり対応してもらえるし、なにより長島(広明)先生のような会計と税の専門家がサポートに就いてくれるのが心強い。サーバー管理が不要なASPでの利用が可能というのもプラス材料でした。ちなみに、導入を決定した後は田口(宏枝課長)に丸投げです(笑)。

田口 導入時には、長島先生による度重なる「授業」(笑)で、毎回、理論と操作法を徹底的に教え込まれました。仕訳の意味などの理解度をチェックされるので予習が必要だし、宿題も出されるので気が抜けませんでしたね。おかげでだんだんと、連結決算の立て付けの部分から理解できるようになり、当初の不安も解消していきました。また、後任が予定される連結担当にも、この授業を受けさせることで、業務の標準化にも役立てることができたと思います。

──『eCA-DRIVER』運用のプロセスを教えてください。

田口 グループ各社の個別会計システムとデータ連携して試算表の数字を吸い上げ、『eCA-DRIVER』内で連結勘定科目へ自動組み替えをし、連結仕訳も自動生成するというプロセスです。作業的には3段階効率化されたイメージです。また、同一の作業を複数人でできるのもありがたいですね。

──実際、決算のスピードは上がりましたか。

田口 スプレッドシートの時代には、エラーが出た際などにその原因を究明するのが大変で、数時間単位で作業が止まってしまうこともよくありました。『eCA-DRIVER』にはそんなロスがありませんから、見直しもできるし同じ時間をかけるにしても作業のクオリティーは格段に上がったと思います。

──具体的には。

田口 連結修正仕訳の自動化はもちろんですが、開始仕訳が自動的に生成されるのもすごく便利な機能だと思っています。以前は、繰り越し時の修正処理など面倒な作業が必要でしたが、今はクリックひとつで自動生成されるわけですからね。とても楽になりました。
 また、従来の処理では、セグメント情報は連結精算表作成後に別途作らなければなりませんでしたが、『eCA-DRIVER』では同時進行で自動作成されます。しかも、開示用の情報だけでなく、連結経営管理にとって重要な、さらに細分化されたセグメント情報も難なく作成できるようになりました。

──監査の効率化にもつながったようですね。

田口 監査法人さんに画面閲覧と帳表出力の権限を与えることで、必要なデータをご自分のパソコンで吸い上げて使っていただけるようになったので、非常に効率的に監査が進むようになりました。事前に質問をまとめてプリントしてくる先生もおられますし、私も作業の途中で呼び出されることが少なくなりました。

──今後はいかがでしょう。

田口 現在は、子会社のデータ入力を親会社で行っているのですが、それを子会社の担当者にIDを付与してやってもらう体制をつくりたいと思っています。これはASPを採用した際の目的の一つでもあるので、ぜひ近いうちに実現したいですね。

会社概要
名称 株式会社ソフト99コーポレーション
設立 1954年10月
所在地 大阪府大阪市中央区谷町2-6-5
売上高 213億円(2012年3月期連結)
社員数 728名(グループ)
URL http://www.soft99.co.jp/

『戦略経営者』2013年6月号より転載

掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、2013年6月現在のものです。
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