サツラク農業協同組合の事業内容や沿革について教えてください。

　サツラク農業協同組合には2つの柱があります。

　1つは札幌市とその近郊で酪農を営む組合員を支える酪農専門農協（JA）としての役割を持ちます。

　もう1つは、北海道内のスーパーを中心に販売されている「サツラク牛乳」や「サツラクヨーグルト」「サツラクプリン」など『サツラク』ブランドの商品を製造販売する乳業メーカーとしての役割です。

　明治28年、当組合の前身である札幌牛乳搾取業組合が発足してから百有余年の歴史を刻んで参りました。その長い歴史の中で培われたのが「健土健民」思想。それは「酪農は土の力を豊かにし、その土には良い草が育ち、良い草を食べた牛は健康になる。健康な牛から高品質な生乳が搾られ、高品質な牛乳からつくられた乳製品は人々の健やかな精神と身体を育む。」というものです。この理念のもと、安心安全な牛乳をお届けできるよう、生乳から製品化まで一貫生産体制をとり、良い土・良い草・良い製品づくりの努力を重ねています。

　安心安全でおいしい牛乳を提供することでお客さまの健康に貢献し、組合員の皆様、サツラクを支えていただく全ての人々と喜びを分かち合い、誇りを持てる組合を目指して活動しています。

法人電子申告システム（ASP1000R）を検討された経緯について教えてください。

　電子申告義務化対応のため、課題の洗い出しとシステムの検討を始めたことがきっかけです。

　まず、電子申告義務化前は、確定申告書の別表をA社ソフト（スタンドアロン）で作成し、財務諸表等をエクセルで作成していました。

　そのため、財務諸表等の電子申告をどうするかが電子申告義務化に向けた一番の悩みでした。具体的な課題は
「農協法のB/S・P/Lは会社法とはひな形が全く異なるため会社法に合わせたひな型を電子申告のために作り替えなければいけないこと」
「エクセルデータの科目明細をe-Taxで提出するためにe-Tax 指定のCSVデータに作り替えないといけないこと」の2点でした。

　システムの検討の中で重要視したことは次の3点です。
　①別表と財務諸表等がワンパッケージで一気通貫し、かつ誰でも作業ができること
　②B/S・P/L・科目明細を現行のエクセルデータそのままで生かせること
　③人事異動等でノウハウがない職員であってもある程度の対応ができること

　これらを軸にインターネットで調べ、顧問税理士の税理士法人ジャパンタックス申告会にも相談したところ3社のソフトが候補となりました。各社の体験版を比較検討した結果、ASP1000Rがまさに求めていたものと合致し採用を決めました。

法人電子申告システム（ASP1000R）を導入後の感想や効果を教えてください。

　実は初めて法人税申告書の電子申告が完了した後に担当者の人事異動があったのです。後任の担当者は次回、初めて担当する税務申告業務に不安を感じていました。しかし、顧問税理士がシステム・コンサルタントとしてシステム面までトータルで支援してくれたほか、TKCの社員も親身になって確定申告書を作成する際の入力方法等を丁寧に説明してくれたのです。大変心強く、安心感を持って業務を引き継ぐことができました。

　また、法人電子申告システム（ASP1000R）は、クラウド上で同じ画面を顧問税理士と共有できるため、不明点などはすぐに顧問税理士に確認することができました。

　以前は、顧問税理士に確定申告書一式を紙でお渡しした後、電話で資料の修正箇所を教えていただきメールで差し替えのやり取りしていました。そして中身の確認が終了後、提出する確定申告書の必要部数を印刷しお渡ししていました。　　

　しかし今では、入力したデータをクラウド上で同時に見ながら電話でやり取りすることが可能です。修正データもクラウド上で相互に確認でき、提出する確定申告書もこちらで印刷する必要がなくなりました。

　結果としては、電子申告義務化に伴う業務量を最低限の労力に抑えられただけではなく、クラウド化によって申告書の共有スピードが上がり、紙運用で発生していた業務（作業）量も減らすことができたのです。従前よりもトータルの業務量が削減され生産性が高まったと実感しています。

システム・コンサルタント（顧問税理士）の先生とは普段どんなやりとりをされていますか？

　普段は疑問点などがあればメールや電話で質問し、親身に答えていただいています。特にインボイス制度開始に向けた準備期間は大変お世話になりました。

　また、8月にはシステム・コンサルタントの先生による「税制改正の説明会」を実施していただいています。こちらも大変参考になっています。

今後の取り組みについて教えてください。

　今後は、人を介す作業や属人化している業務を見直し、システム化を進めることで業務標準化を図りながら効率化を目指していきたいです。