FX5・FAManager導入事例
レガシーシステムからの脱却
経理業務の効率化を実現した「3つのポイント」
株式会社ファルコホールディングス経理部の皆さま、そしてシステム・コンサルタントを担当した税理士法人関西総合会計事務所代表社員公認会計士・税理士岸田泰治氏に今回の導入を終えての感想を聞いた。
ファルコグループについて教えてください。
当グループは医療総合サービス企業として、「臨床検査事業」と「調剤薬局事業」を展開しています。相互に連携しながら、地域医療や最新の医療分野のニーズに応じて事業の幅を広げてきました。医師や医療機関にとって最も信頼のおけるパートナーとして、人々が健やかに暮らせる社会をつくるためのお役に立てればと思っています。
システム検討の背景をお聞かせください。
以前利用していた会計システムのサービス終了に伴い、当初はその後継システムに切り替えることを考えていました。しかし、新規同様の追加コストが掛かるというので、一から導入システムの検討を始めました。
以前のシステムは長期間にわたって利用していたため、その時々の状況にシステムの運用を合わせることができておらず、運用が硬直化していた面もありました。そのため、経理業務の見直しを図る良い機会と捉えて、システムの検討を進めていきました。
検討にあたっては、以下の点を実現できるシステムかどうかを重要視しました。①サーバー管理からの脱却(システムのクラウド化)、②システムへの手入力業務の削減(経理作業の効率化)、③経営数値資料作成の効率化――の3つです。
また、以前のシステムでは運用中、取り込むデータの列変更などの簡易な変更事項であっても、毎回システム部門に依頼しなければいけませんでした。そこで、新しいシステムの導入を契機に、この業務のあり方を変えて、データの設定などを弾力的に行えるようにしたいという願望もありました。
TKCシステムを採用したポイントは何だったのでしょう?
TKCシステムを選んだ理由は、まず運用面でいうと「クラウド型」の会計システムであったことです。従来のサーバー設置型のシステムからクラウド型のシステムに切り替えることにより、サーバー管理が必要なくなるというメリットを当社のシステム部門が評価しました。
次に経理業務面についていうと、仕訳読込(データ連携)がしやすいシステムである点を大きく評価しました。実は以前から、各種上流システムとの連携や、各担当者が利用しているExcelファイルを簡単に直接システムに取り込める機能を求めていたのです。TKCの営業担当者から機能紹介を受ける中で、統合型会計情報システム『FX5』はその要望に応じてくれるシステムだと確信しました。
また、「マネジメントレポート(MR)設計ツール」(Excelでの自由帳表作成ツール)の存在も大きかったです。自社で独自に作成していた月次の管理帳表を簡単に作成・出力できる点が魅力的でした。先述したデータ連携もそうですが、会計システムのインプットとアウトプットの効率化は業務改善の中でも特に重要だと考えていましたので、この機能は当社がまさに必要としていたものでした。
この他にも導入の決め手になったポイントが2つありました。一つは、コスト面でのメリットが期待できた点。一口にコストといっても、価格面と運用管理面の2種類のコストがあります。特に運用管理面において、経理部内で業務を完結させて、フレキシブルに運用ができるシステムであるため、大きなコストカットが期待できます。もう一つは、固定資産管理システム『FAManager』がセットになっている点です。こちらもクラウド型のシステムで、当社が必要としている機能を網羅的に充足しているものでした。
『FX5』を実際に使ってみての感想は?
『FX5』を導入して実際に動かしてみたところ、「想像以上に問題なく動いている」という印象を持ちました。導入の段階ではいろいろ苦労することもありましたが、一度運用を開始してしまえばスムーズに動いてくれて、特に大きな問題も起きていません。また、月次決算を行う際に入力した数字がリアルタイムに反映されるため、会社業績の全体像が格段に見やすくなりました。以前のシステムは伝票承認を経ないと数字が反映されなかったので最新業績の確認に時間がかかっていましたが、今はすぐに確認できるようになりました。
そして、MR設計ツールを使って自社オリジナルの帳表が簡単に作成できる点も大変満足しています。Excelとの親和性が非常に高いツールなので、すんなり操作に入っていけました。MR設計ツールによって追加される『FX5』の関数も、経理部員がそれぞれ便利な使い方を模索しながら工夫を重ねており、期待以上の効果が得られています。また、システムに入力した数字がリアルタイムにExcelで作った帳表に反映されていくので、個別決算・連結決算業務における全体の進捗状況が把握しやすくなりました。強いて難点を挙げるとしたら、Excelを作り込みすぎてファイルサイズが重たくなっている点でしょうか(笑)。
このほか、システムに搭載された帳表のドリルダウン機能も気に入っています。社内からの問い合わせがあった際にも、推移表等の画面から直接、仕訳伝票の画面にまで遡って調べられるため、以前のシステムよりも検証がしやすくなりました。
『FAManager』の導入効果についてもお聞かせください。
以前のシステムでは固定資産を登録し、償却計算を行って、帳表を出力するという業務の流れでしたが、『FAManager』では資産を登録した瞬間に帳表まで一気に作成されるので、そこが気に入っています。また、登録したらすぐに10年先までの償却計算の推移などが見られるところもいいですね。予測値が即座に分かるため、本当に便利です。実は、以前のシステムではわれわれが求めるレベルの固定資産台帳がシステムで作成できていませんでした。そのため、Microsoft社のAccessを使って固定資産台帳を別途作成していたのですが、『FAManager』なら十分なレベルの台帳を自動で作成してくれるので、大変助かっています。
今回、グループ全体で固定資産管理システムを『FAManager』に統一した結果、一元管理できるようになりました。以前はグループ会社の中にも異なるシステムを利用している会社もあったので、統一したフォーマットで管理できるようになったのは大きな進歩だと思っています。もう一つ付け加えるならば、『FAManager』のインターフェースが、資産登録しやすいように作られている点もありがたかったです。『FAManager』は耐用年数や償却率の入力が選択式なので、誤って入力することが減りました。
今後の展望はいかがでしょう。
さらなる業務効率化を進めていきたいと考えています。特にこれからはペーパーレスや、リモートワークへの対応が必要になってきます。クラウド型のシステムという利点を生かして、働き方も改善していければと思います。また、経営層への情報提供の迅速化・有用な情報の提供もこれまで以上に取り組んでいきたいですね。
まもなく「インボイス制度」への対応が求められるようになります。これに関しては、紙の請求書を受領してもOCRの機能を使ってその内容を電子化できるようにするとともに、電子化されたデータを使って仕訳作成まで行えるような仕組みを、TKCさんに協力を得ながら構築していきたいと考えています。
システム・コンサルタントの先生にお聞きします。
導入コンサルティング業務が完了してのご感想はいかがでしょうか。
税理士法人関西総合会計事務所
代表社員 公認会計士・税理士
岸田 泰治氏
『FX5』と『FAManager』のシステム導入支援を担当しました。『FX5』の導入支援では、勘定科目マスター及び消費税の課税区分の設定内容を重点的にアドバイスしました。また、『FAManager』の導入支援では、基本情報設定内容のアドバイスのほか、既存資産の登録再現処理を行い、システムが正しく稼働するかの検証も行いました。
今回、導入時の打ち合わせに十分な時間をかけたことがスムーズなシステム運用につながったと思います。また、『FAManager』導入により、固定資産管理の一元化のほか、償却資産税の申告書作成までのフローが構築できたことにより、今まで以上に業務の効率化が図れるようになったと思っています。
今回のシステム導入が会社業務の効率化に役立ったことは、システム・コンサルタントとして何よりの喜びです。今後も、最適なサポートができるように努めてまいります。
名称 | 株式会社ファルコホールディングス | |
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設立 | 1982年8月 | |
所在地 | 〒604-0924 京都府京都市中京区河原町通二条下る 一之船入町384番地 |
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従業員数 (連結) |
1,200名(2021年3月末時点) | |
URL | http://falco-hd.co.jp/ |
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