事務所経営
TKCシステムへの統一から始まる成長の好循環
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角入亮太会員(TKC静岡会富士支部)
角入亮太会員は地元の銀行に入行後、税務署勤務を経て、令和2年に税理士事務所を開業しました。開業後すぐに、高齢の税理士からスタッフと関与先を引き継ぎ、TKCに入会。その後、どのように月次決算体制を構築したのか伺いました。
年一決算・記帳代行からの脱却を決断
──開業当初は他事務所からの承継もあり、大変だったそうですね。
角入 実を言うと、年一決算、記帳代行、市販会計ソフトの使用など、TKCとは無縁の業務を行っていました。所内業務の標準化もできず、このままで本当によいのかと疑問を抱えていました。
そんなとき、静岡会ニューメンバーズ・サービス委員会主催の事務所見学会に参加して感銘を受け、①自計化を起点とした高付加価値サービスの提供、②所長1人に依存しない所内体制の整備・職員教育、③関与先の満足を得た上での報酬の適正化──に取り組むことを決断したのです。
巡回監査の標準化でパフォーマンス向上
──何から取り組まれたのですか。
角入 私自身がTKCシステムを使えるようになることです。理解が進むと、関与先にも自信を持って自計化を提案できるようになりました。特に、FXシリーズと継続MASの連動による業績管理体制の構築が、自計化の最大のメリットだと思っています。関与先には「業績を見通せて、資金繰りや納税予測ができます。預金取引等も連携できるので、事務負担も軽減できますよ」と提案したところ、約9割の関与先に自計化を導入できました。KFS実践企業の黒字割合は国税庁公表の黒字割合よりも約20%高いことも、アピールできたポイントです。
月1回の所内会議では、OMSの「目標管理(KPI)機能」や「進捗管理機能」で関与先ごとの自計化推進状況を確認しています。特に初期指導中の関与先が軌道に乗れたかを重要視しています。
──TKCシステムへの統一が好転のきっかけになったのですね。
角入 巡回監査手法の標準化、月次決算体制の構築、職員のパフォーマンス向上などの好循環につながりました。先般、報酬規定の改定に伴い33社に値上げ相談をしたところ、31社からご理解いただけました。毎年作成する経営計画どおりの事務所の成長を実感しています。
これまで私たちは関与先拡大、自計化推進、職員教育等、様々な課題に取り組んできました。一つクリアしてもそれはまた高次元の課題となって現れ、再度挑む──まるで螺旋階段を上っていくかのようですが、一段ずつ着実に課題を克服し、よりよい事務所にしていきたいです。
(静岡SCGサービスセンター長 多田篤史)
| 事務所名 | かどいり税理士法人 |
|---|---|
| 所在地 | 静岡県富士宮市弓沢町199番地 |
| 開業年 | 2020年 |
| 巡回監査担当者数 | 6名 |
| 月次決算実施関与先 | 前年同月増加数 +21件 |
令和8年5月末現在
(会報『TKC』令和8年9月号より転載)