ニュースリリース

TKCが参加する「社会的システム・デジタル化研究会」が、「デジタル化による個人所得申告の新しいあり方に向けた提言」および関連するイギリス事例調査報告書を発表

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2026年10月5日

株式会社TKC(本社:栃木県宇都宮市/代表取締役社長:飯塚真規)は、当社を含むソフトウェアベンダー等8社が参加する一般社団法人ソフトウェア協会(住所: 東京都港区、会長: 田中邦裕、略称: SAJ、以後SAJ)政策・法務知財委員会の「社会的システム・デジタル化研究会」(通称: Born Digital研究会)が、「デジタル化による個人所得申告の新しいあり方に向けた提言」および「調査報告書: イギリスにおける税のデジタル化」を発表したことをお知らせします。

  • 「デジタル化による個人所得申告の新しいあり方に向けた提言」
  • 「「調査報告書: イギリスにおける税務のデジタル化 ~ Real Time Information、Making Tax Digital、デジタルインボイス」」

一般社団法人ソフトウェア協会のWebサイトから両資料をご覧いただけます。
https://www.saj.or.jp/C22/notice_details/MzYGAksA

本提言は、確定申告や年末調整など、日本における個人所得申告に関する社会的システムの多くがいまだ紙を前提とした年次処理の構造を残しているとの課題意識から策定されました。電子申告や行政手続APIの普及により「電子化」は進んでいる一方、デジタルを前提として業務プロセス全体を組み替え最適化する「デジタル化」には至っていません。特に年末調整業務には、社会全体で年間約1,000億円から3,000億円規模の多大なコストが投じられていると試算されています。

本提言では、社会全体としてのコスト最小化と利便性向上を図るため、年末調整・確定申告・給与支払報告・住民税・社会保険・給付等を「電子化」によって個別最適で見直すのではなく、デジタルを前提として、所得情報を起点とする一連の社会的システムとして再設計する「デジタル化」を提言しています。

提言の主な要点

個人所得申告の簡易化: 年末調整の簡易化と給与支払報告のリアルタイム化

本提言では、年末調整を確定申告の「簡易版」として再定義し、対象者や控除の絞り込み等による徹底的な簡易化を図ることを提案しています。あわせて、現在は年1回の給与支払報告を月1回のデジタル報告へとリアルタイム化し、所得税・住民税・社会保険・労働保険・公的統計にまたがる事業者報告のワンスオンリー化(一度の報告で完結する仕組み)を目指すべきであるとしています。また、リアルタイムに近い所得情報を活用し、住民税の現年課税化に向けた継続的な検討を行うことも提案しています。

個人所得情報基盤の整備:将来的な「ワンクリック確定申告」の実現と税・給付への活用

本提言では、給与所得、事業所得や控除等の情報を、本人が確認できる形で集約・蓄積する個人所得情報基盤の整備を提案しています。これにより、個人が随時自らの所得・控除情報を確認でき、将来的には申告を必要とする個人がワンクリックで確定申告を完了できる状態を目指すべきであるとしています。さらに、適切な法的根拠および本人からの透明性、アクセス制御や監査可能性を確保したうえで、この基盤を所得に応じた給付、税額控除、緊急時支援等にも活用し得るものとして位置付けています。

プラットフォーム連携による個人事業主の所得申告の簡易化

本提言では、デジタル・プラットフォーム事業者を通じた取引データの集約や、会計・申告ソフトウェアとのAPI連携、申告・納税プロセスの自動化等により、多様化・増加する個人事業主や副業層の申告・納税の負担を軽減することを提案しています。プラットフォーム上で発生した取引データを、可能な限り発生源に近い段階でデジタル化し、記帳漏れや申告漏れを防ぐことで、本人・行政・民間サービス事業者のいずれにとっても効率的な仕組みを目指すべきであるとしています。

英国の現地調査報告書も同時公開

提言の策定にあたり、給与支払報告のリアルタイム化(Real Time Information: RTI)や記帳・申告プロセスのデジタル化(Making Tax Digital: MTD)などを先行して進めてきたイギリスにおいて、HMRC(イギリス歳入関税庁)、ソフトウェアベンダー、会計・税務専門家への現地ヒアリングを実施しました。この結果を「調査報告書: イギリスにおける税のデジタル化」として同時に公開します。

調査報告書では、RTIが単なる給与支払報告の頻度変更ではなく、Universal Creditやコロナ禍の雇用維持給付(CJRS)にも活用された所得情報基盤であったこと、MTD for VATとMTD for Income Taxでは業務プロセス変更の大きさと追加費用の違いが改革の受容性を左右したこと、今後義務化が予定されているデジタルインボイスは取引発生源データを標準化する次の段階の改革であることを整理しています。

イギリスでの経験からは、デジタル化を伴う改革の難易度は「既存の業務プロセスをどの程度変えるか」と「対象者にどの程度の追加費用が発生するか」に大きく依存すること、また、明確なロードマップに加え、政府・ソフトウェアベンダー・会計・税務専門家等のステークホルダーによる継続的な「共創(Co-creation)」が不可欠であることが確認されました。

これらの知見は、日本においても、給与支払報告のリアルタイム化、個人所得情報基盤の整備、プラットフォーム連携などを個別の制度改正としてではなく、社会的システム全体の制度設計として捉える必要があることを示しています。

社会的システム・デジタル化研究会について

社会的システム・デジタル化研究会は、一般社団法人ソフトウェア協会 政策・法務知財委員会の下に設置された研究会です。民間ソフトウェアベンダー等が参加し、税・社会保障・行政手続等を、紙を前提とした既存プロセスの延長ではなく、デジタルを前提として再設計することによって社会全体としての効率を抜本的に向上させ、社会的コストの最小化を図ることを目指し、調査・提言活動を行っています。

当社は今後も、本研究会の活動を通じ、民間と行政が協働して、社会全体としてのコスト最小化、利用者の利便性向上、正確でタイムリーな所得情報に基づく公平で効率的な社会的システムの実現に貢献してまいります。

株式会社TKC会社概要

代表取締役
飯塚真規
住所
栃木県宇都宮市鶴田町1758番地
資本金
57億円
設立
1966(昭和41)年10月22日
URL
https://www.tkc.jp/

当リリースに関するお問い合わせ先
株式会社TKC 東京本社 広報部
TEL:03-3266-9200

以上

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