ニュースリリース
42万社超の賃金データを収録した令和5年版「中小企業の賃金指標（賃金BAST）」を発行 －中小企業にも賃金上昇の動き。年間支給総額の平均額は概ね全産業で増加－
2023年3月28日
TKC全国会（会長：坂本孝司／事務局：東京都新宿区）は、4月3日から令和5年版「中小企業の賃金指標（賃金BAST）」をWeb方式で提供開始します。
当指標は、昨年１年間（2022年１～12月）にTKCシステムで処理された賃金データを産業分類別、地域別、年齢または勤続年数別、従業員規模別に分析したもので、42万8,341社、173万6,069人の賃金データを収録しています。
令和5年版賃金BASTからは、次の二つの賃金動向が読み取れます。中小企業にも、賃金上昇の動きがあることが分かります。
- 年間支給総額の平均額は、概ね全産業・全年齢において増加
- 年間支給総額の分布（賃金階層別の社員数）は、概ね全産業・全年齢において、より高い賃金階層で増加
- 新卒社員の初任給は、高校卒は変わらず、高専・短大卒および大学卒で増加
令和5年版「中小企業の賃金指標（賃金BAST）」の賃金分布表の画面
令和5年版「中小企業の賃金指標（賃金BAST）」のポイント（令和4年版との比較）
- 年間支給総額の平均額が増加
年間支給総額の平均額（全産業・全年齢を集計）は3,797千円で、対前年比は2.1ポイント上昇し102.1％でした。 - 年間支給総額の分布（賃金階層別の社員数）の傾向
年間支給総額の分布（全産業・全年齢）は、下表のとおりでした。賃金階層別の対前年比をみると、より高い賃金階層で上昇していることがわかります。
賃金階層 令和4年版(R3.1～R3.12) 令和5年版(R4.1～R4.12) 対前年比 社員数 構成比 社員数 構成比 930万円～ 0 0.0 0 0.0 0.0 730万円～ 16,299 1.1 20,996 1.4 128.8 580万円～ 110,131 7.1 120,693 7.8 109.6 460万円～ 249,926 16.2 269,154 17.4 107.7 360万円～ 395,788 25.6 411,431 26.6 104 290万円～ 328,969 21.3 327,477 21.2 99.5 230万円～ 232,917 15.1 221,533 14.3 95.1 180万円～ 119,404 7.7 107,658 7.0 90.2 140万円～ 43,614 2.8 40,470 2.6 92.8 100万円～ 49,480 3.2 48,774 3.2 98.6 (注)全産業の各年齢層の社員数を合計したものです。なお、各年齢層の上位3％と、103万円未満のデータを除外しています。
- 新卒社員の初任給
全産業における学歴別の初任給の平均額は、高校卒162千円（対前年比100.0％）、高専・短大卒184千円（対前年比102.2％）、大学卒197千円（対前年比101.5％）でした。
なお、TKC全国会は、調査に協力したTKC会員事務所へ当統計情報を提供しています。TKC会員事務所は、産業分類等の別に加工された次の3つの内容を基に、関与先企業における賃金や賞与を決定する際の参考資料として活用しています。
- 賃金分布表
- 新卒社員の初任給
- 賃金比較表
また、TKCシステムを利用している関与先企業では、システムで処理した自社の賃金データと統計情報をシステム上で比較することができます。企業にとって賃金は経営上の重要なコストであり、業績に大きな影響を及ぼします。一方、従業員の働く意欲や生産性にも直結します。優秀な人材を確保するには賃金水準を同業他社と比較し優位に立つ水準を保つことも必要です。TKCシステムでは、産業分類、地域、年齢または勤続年数、従業員規模に応じた同業他社との比較が容易に行えます。
「中小企業の賃金指標（賃金BAST）」とは？
「中小企業の賃金指標」（発行：TKC全国会）は、TKC会員事務所が「戦略給与情報システム（PXシリーズ・あんしん給与）」および「年末調整・法定調書作成システム（TPS9000）」を利用して1年間の給与所得の年末調整事務処理を行ったデータを基礎データとし、毎年編集・発行するものです。
なお、上記の基礎データのうち、退職社員や役員・パート・アルバイトの社員等を除外したデータを収録しています。
１．提供開始
2023年4月3日
２．提供対象者
調査に協力したTKC会員事務所へ提供
３．提供する資料
次の３つの資料を提供します。
- 賃金分布表
給与支払形態別（年間支給総額、月例賃金、年間賞与）、地域別、産業分類別、従業員規模別、年齢／勤続年数別及び男女別に分類して賃金分布表を閲覧できます。- データのバラツキに若干の統計処理を加え、賃金分布をグラフ化しています。したがって、賃金のバラツキを無視して単純な平均値のみを示した一般的なモデル賃金表とは性格を異にしています。
- 分布表の「賃金比較機能」を利用して、関与先企業ごとに従業員の賃金水準（年齢別）とそのバラツキを図表上に容易に位置付けることができます。
- 賃金水準は地域により相当の格差があるため、地域情報の細分化により、より精度の高い賃金情報を入手できます。
- 新卒社員の初任給
令和４年入社新卒社員の５月分賃金支給額に基づき、都道府県別、産業分類別、男女別、年齢別の分布を閲覧できます。 - 賃金比較表
地域、産業、または従業員規模ごとに、給与支払形態別（年間支給総額、月例賃金、年間賞与）および男女別に、平均額および中位数を比較できます。
「中小企業の賃金指標（賃金BAST）」の著作権について
「中小企業の賃金指標（賃金BAST）」の著作権は株式会社TKCに帰属します。
「中小企業の賃金指標（賃金BAST）」の内容を論文等で引用又は参照する場合は、説明文として下記の文章を必ずご利用ください。
令和5年版「中小企業の賃金指標」（発行：TKC全国会）は、全国の428,341企業、1,736,069人の賃金データが収録されています。
この「中小企業の賃金指標」は、TKC会員事務所が「戦略給与情報システム（PXシリーズ・あんしん給与）」および「年末調整・法定調書作成システム（TPS9000）」を利用して令和４年分（令和4年1月～令和4年12月）の給与所得の年末調整事務処理を行ったデータを基礎データとし、編集したものです。
以上
当リリースに関するお問い合わせ先
株式会社TKC 東京本社 広報部
TEL：03-3266-9200
