ニュースリリース

TKCと大原学園が、「新地方公会計」の普及で連携 地方財政の効率化・適正化の実務を担う人材育成を支援

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2016年8月19日

株式会社TKC
学校法人大原学園

―来春「複式簿記・日々仕訳」導入の68市町村で、8月下旬から職員研修を実施―

株式会社TKC(本社:栃木県宇都宮市/代表取締役社長:角 一幸)と、学校法人大原学園(本部:東京都千代田区/理事長:安部辰志)は連携し、新たな地方公会計制度を導入する68市町村に対して職員研修を実施します。

これはTKCが提供する「TASKクラウド公会計システム」のユーザーサポート(システム導入時の職員研修)の一環として行うもので、大原学園の専門講師による集中研修により民間企業と同じように「発生主義会計・複式簿記」の知識をもつ人材(市町村職員)を効果的に育成し、各団体が進める地方財政の効率化・適正化を支援することを目指します。
これにより市町村では、新公会計制度の円滑な導入と有効活用のための早期の体制整備を実現することが期待できます。

2015年1月に、総務大臣通知『統一的な基準による地方公会計の整備促進について』が公表され、市区町村に対し、現行の「現金主義会計」(単式簿記)を補完する仕組みとして「発生主義会計」(複式簿記)を2017年度までに整備し、これを活用した財務書類などを作成・開示することが求められました。背景には、公会計へ企業会計的な要素を取り込むことで、資産・負債などのストック情報や現状では見えにくいコストを把握し、財政状況を分かりやすく住民へ開示するとともに、資産・債務の適正な管理や各種事業運営への有効活用を図るなど、中・長期的な視点で「行政経営」を強化することが挙げられます。

これに伴い、全国の市町村において固定資産台帳の整備や財務会計システムの再構築が進んでいます。一方で、会計情報の有効活用による行政経営の強化など実務を担う人材の育成は遅れているのが実状で、この分野での支援ニーズが高まっています。

そこで、かねてより税理士・公認会計士向けの研修などで相互協力してきた大原学園へ協力を求め、68市町村が来年度の予算編成(2016年10月~翌3月)から新公会計制度に対応できるよう、職員研修の無償支援を決めたものです。
具体的には、8月22日に研修会を開催する埼玉県ふじみ野市を筆頭に、9月末にかけて大原学園の専門講師を各団体へ派遣し、新たな公会計基準の基礎知識と複式簿記の実務などの職員研修を実施します。
その後は今回の支援結果を踏まえた上で、市町村の要望に応じた職員研修(有償)の開催などを予定します。

TKCと大原学園は相互に協力して、今後も新たな公会計制度の普及・定着の支援に努め、地方財政の効率化・適正化の推進に貢献してまいります。

新公会計制度導入のための市町村研修

1.研修の狙い

地方公共団体にとっては、新公会計制度の導入を単に「財務書類」などの作成だけに終わらせることなく、説明責任の履行、財務情報を資産・債務管理や予算編成、政策評価等に活用することで、財政の効率化・適正化を図ることへの理解を深める機会とできます。また、実務編として公会計特有の基本的な仕訳例を通じて、日々の伝票処理から財務書類の作成までの実務の流れと役割を学びます。

2.カリキュラム

(1)新公会計制度研修(約1時間)
(2)複式簿記実務研修(約2時間)
なお、教材には『地方公会計教科書・問題集(基礎編)』(大原出版)を使用

3.対象

2017年度から「日々仕訳(リアルタイム仕訳)」の導入を予定する68市町村
対象団体は17都道府県にまたがっています。研修受講者は1団体あたり40名

4.実施時期

2016年8月22日~9月30日

5.補足説明

来年度の予算編成(2016年10月~翌3月)から新公会計制度へ対応できるように、8月下旬から9月末にかけて大原学園の専門講師を各団体へ派遣し、新たな公会計基準の基礎知識と複式簿記の実務などの研修を実施するものです。

大原学園とTKCの公会計支援について

大原学園では、地方公共団体・地方公営企業の職員等を対象とした「地方公会計講座(通信教育)」を開設して積極的な実務者教育へ取り組んでいます。
TKCでは、地方公会計で新たに策定された「統一的な会計基準」(*1)に準拠し、日々仕訳による複式簿記を容易に実現する「TASKクラウド公会計システム」を提供しています。今年4月に全国で初めて新会計基準に対応した日々仕訳(リアルタイム仕訳)(*2)を開始した奈良県香芝市と栃木県益子町を含め、来春までに70団体が本システムを活用して日々仕訳を運用します。
(*1)「基準モデル」「総務省方式改訂モデル」など複数存在していた基準が統一化されました。
(*2)財務会計システムで伝票を起票すると同時にリアルタイムで複式簿記の仕訳を行う方式をいいます。

本件に関する問い合わせ先

当リリースに関するお問い合わせ先
株式会社TKC 東京本社 経営管理本部 広報部
TEL:03-3266-9200
学校法人大原学園 広報部
TEL:03-6272-8835

ご参考

株式会社TKC 概要

本社  栃木県宇都宮市鶴田町1758(本店所在地)
設立  1966年
資本金 57億円 東証1部上場(証券コード:9746)
従業員 2386名(パートタイマー含む)

TKCは、地方公共団体と会計事務所向けに会計と税務に特化した情報サービスを提供するため、1966(昭和41)年に創業しました。その後の業容拡大に伴い、現在、TKCのシステムは全国の地方公共団体と会計事務所およびその顧問先企業(中小企業など)のほか、中堅・大企業、法律事務所など多くの専門家・実務家の皆さまにご利用いただいています。
公会計については、新たな地方公会計基準に準拠した「TASKクラウド公会計システム」を2016年4月から提供するとともに、ユーザーサポートとして研修支援も行っています。

【公会計に関する取り組み】

「日々仕訳」を行う市区町村向けに「TASKクラウド公会計システム」をご提供しています。
オプションの「リアルタイム仕訳システム」により、予め予算科目単位に勘定科目を定義付けしておくことで、伝票入力時に予算科目を選択するだけで複式簿記による仕訳が自動で作成されるほか、「TASKクラウド固定資産管理システム」と連携し、除却時の減価償却や損益など伝票入力を伴わない取引についても複式簿記の仕訳に変換します。
またLGWANクラウドサービスで提供するため、国が求める「自治体情報セキュリティ強靱性向上モデル」の考え方にも準拠できます。

学校法人大原学園 概要

本部  東京都千代田区西神田1-2-10
創立  1957年東京水道橋に大原簿記学校を開校
    1979年に学校法人大原学園を設立
基本金 1138億円
グループ校総数 105校(2016年4月1日現在)

【公会計に関する取り組み】

大原学園は、全国の地方公共団体における公会計分野での人材育成支援として、2009(平成21)年6月より公会計講座を開講しています。
今まで簿記に全く触れたことがない方でも体系的に学習できることを目的とした「簿記原理」の学習支援から、総務省方式改訂モデルや基準モデルといった「公会計における財務書類作成モデル」の基本事項の解説、一部事務組合や広域連合などを含めた「公会計における連結会計」、財務書類などの財務数値情報からもたらされる「公会計における財務分析」など、幅広い内容を網羅してきました。
2015年1月に公表された『統一的な基準による地方公会計マニュアル』を踏まえ、昨年3月より従来の講座を全面的に見直し、統一的な基準による地方公会計が学習できる通信講座「地方公会計講座」を新規開講しています。
詳細は、http://www.o-hara.ac.jpまで

以上

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