導入事例 CASE STUDY
株式会社 美・ファイン研究所 様
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統合型会計情報システム(FX4クラウド) ユーザー事例
「限界利益」を共通言語に黒字続ける
美容のプロフェッショナル集団
メディア等で活躍中の美容家、小林ひろ美氏率いる美・ファイン研究所。メイクやコスメのプロフェッショナル集団だが、長年継続して黒字を達成している優良企業だ。顧問税理士の美保哲夫氏を交え、『FX4クラウド』を活用した業績管理などについて聞いた。
──事業概要についてご紹介ください。
![小林ひろ美社長](/media_library/fx4/images/case202502_01_01.jpg)
小林ひろ美社長
小林ひろ美社長 当社では、「トータルビューティー」のコンセプトのもと美容にかかわるさまざまな領域で事業を展開しています。まず美容家としての私の活動と、美容のプロフェッショナル集団という強みを生かしたコンサルティングや講演活動、美容事業に従事するスタッフに対する人材教育や研修事業などを行っています。また、近年ではオリジナルブランドを中心に、自社ECサイトなどで商品を販売する物販事業が大きく売り上げを伸ばしています。加えてオフィスが入居しているビルの一つ上の階で、「リバイタライズサロンクリーム」の運営も手掛けています。
──サロン事業について詳しく教えてください。
小林 皮膚は体における一番外側の臓器と呼ばれる大切な機能を担っています。「クリーム」では、その皮膚の持つ重要性を意識しながら、機械ではなく手によって全身のリンパを流す施術を行っています。本当に輝く肌になるためには、どれだけハッピーな気持ちで日常の生活を送れるかがとても大切な要素です。そうした考え方も含めたスキンケアやメイクのレッスンも行っています。
コロナ禍きっかけに物販事業が急成長
──お母さまもまだ現役で活躍されているとか。
小林 コーセーの取締役を務めていた母の小林照子と共同で1991年に立ち上げたのが、ここ美・ファイン研究所です。当時まだ珍しかった更年期世代の女性を対象にした美容セミナーなどを行い、各会場には人が殺到。さまざまなコスメを活用して、1人1人の個性を生かした美しさを実現して幸せになるハッピーメイク講座を開設したところ、大人気となりました。その後コンサルティング事業の開始、「クリーム」の開設、物販事業と事業領域を拡大してきましたが、今年で90歳になる母は今でも元気に現場で活躍しています。
──売り上げを伸ばしている物販事業ではどんな商品が有名ですか。
![オリジナルブランド「セブンフロー」には著名人の愛用家も多い](/media_library/fx4/images/case202502_01_02.jpg)
オリジナルブランド「セブンフロー」には
著名人の愛用家も多い
小林 物販事業に参入したのは18年ほど前ですが、一気に伸びたのはコロナ禍です。リアルな人の接触が制限されたため、戦略的に強化を図りました。中核となるブランドは、香りの良さと上質な質感、使いやすいパッケージなど毎日使い続けたくなる商品が特徴の「セブンフロー」です。セブンフローはリンパの流れに着目したブランドで、足首、膝裏、そけい部、腹部、わき、鎖骨、耳の後ろの7つのポイントの「潤い」と「巡り」をコンセプトにしています。なかでも要の商品は25種類の天然ハーブを配合した「ハーブサーキュレイトオイル」。通常付加価値の高い商品は瓶に入っていることが多いですが、この商品はプラスチックのポンプ式を採用しており、部屋のどこに置いていてもすぐにワンプッシュで使えるようにしています。使う際にオイルが垂れて床を汚してしまったり、うっかり落としてしまって瓶を割ってしまったりすることもありません。
──著名人にも愛好家が多いとお聞きしています。
小林 「パワーエステクリーム」は、日本で初めて希少なオーガニックのロバミルクを配合した商品です。ロバミルクはビタミンやミネラルの成分が人肌にぴったりのバランスで含まれており、肌が弱い人でも安心して使える高い保湿効果があります。コロナ禍による行動制限でみな自宅に閉じこもっていた時期に、ある著名な女性俳優の方がSNSなどでこのクリームのことを紹介してくれたことをきっかけに、一気に注文が殺到。自社オンラインショップのサーバーがダウンする事態になりました。一躍当社の人気商品になり、定期購買商品ではランキングトップを継続中です。
脱「どんぶり勘定」目指し社長自らが画面を確認
──「数字を自分で確認したい」という小林社長の要望で、16年に『FX4クラウド』を導入したとお聞きしています。
小林 私や母などを含め美容に携わる人間は、どちらかと言えばアーティスト気質でものごとを感覚的にとらえる傾向があります。経営も同じで、母も私もいわゆる「どんぶり勘定」で経営を行っていました。幸いその時々の時代が味方をしてくれたこともあり、何とか事業を継続することができましたが、ある時「経営は順調だが、順調な理由をきちんと理解できないとまずい。他の経営者が当たり前のようにやっていることを私もやらねば」と思いたったのです。現在では大きく物販部門(対企業)、物販部門(対個人)、レッスン・教育研修部門、「クリーム」部門の四つの部門に分け業績管理を行い、時間の許す限り私自身が数字をこの目で確認するようにしています。
──どのような方法で業績管理を行っていますか。
![美保哲夫顧問税理士](/media_library/fx4/images/case202502_01_03.jpg)
美保哲夫顧問税理士
小林 変動損益計算書では各部門の限界利益を常にチェックし、前年対比より良くても悪くてもその原因を常に追究するようにしています。例えば「運送費等のコストを見直し、削減した分を新しい売り上げにつなげる試みに支出することができた」といったこともありました。客観的な数字によって現実を突きつけられる『FX4クラウド』は、経営者としての私に対する通信簿であり、また会社の健康状態を知ることができる健康診断でもあると感じています。
──巡回監査実施日などで美保先生はどのようなアドバイスをされていますか。
美保 美・ファイン研究所で会計を担当している三枝さんは、かつて当事務所で勤務していたスタッフでした。いわば経理業務のプロフェッショナルです。その三枝さんが日々正確に記帳をしているうえ、同じ画面を事前に事務所で確認できるので、巡回監査の当日に細かな部分を話し合うことはあまりありません。従って巡回監査時は経営判断に関するさまざまな話し合いを重点的に行うことができ、毎年しっかり黒字を維持することにつながっています。
グラフによる可視化で対前年比を意識付ける
──経理業務の改善は実現しましたか。
三枝会計担当 以前は巡回監査実施日の前に、いったん入力し終えたデータをメールで美保先生に送信していました。修正すべき点などについて指摘を受けた後、当社端末で訂正するというやり取りがありましたが、クラウド化によってそうした手間が省けるようになりました。同じ画面を共有しながらタイムラグなく電話で話ができるのもクラウドならではのメリットだと思います。また「TKCモニタリング情報サービス」(MIS)も活用しており、申告と同時に取引行にデータを送信しています。決算終了後にプリントアウトした資料を持参していた手間が省け、楽になりました。
──社員の意識改革にも活用されているとか。
小林 定期的に開催している社内ミーティングで最新業績を公開し、部門ごとの限界利益の推移、とくに対前年比のグラフをスタッフに視覚で感じてもらっています。この取り組みを始めてから3~4年が経過し、スタッフの間で「報告に使う数字は限界利益を共通言語にすること」「対前年の数字を上回るために工夫すること」などの意識の変化が出てきたことを感じています。
──今後の抱負を。
小林 当社の客層は比較的年齢が高めなので、より若い年代の取り込みを図るため、本格的なアクセス解析の取り組みやSNSによるマーケティングの強化を行っています。撮影機器を購入しライブ配信を行うなど、より積極的な情報発信を始めているほか、外部の専門家とタッグを組んで自社サイトのリニューアルも検討中です。またあるバイヤーの方から「海外でも売れる」と意見をいただき試験的に販売したところ実績が出たので、今後は海外展開も視野に入れていこうと考えています。
企業情報
![「リバイタライズサロンクリーム」はナチュラルで落ち着いた雰囲気](/media_library/fx4/images/case202502_01_04.jpg)
「リバイタライズサロンクリーム」は
ナチュラルで落ち着いた雰囲気
株式会社 美・ファイン研究所
- 業種
- 総合美容業
- 設立
- 1991年3月
- 所在地
- 東京都渋谷区神宮前1-11-11
グリーンファンタジア606 - 売上高
- 3億3,950万円
- 従業員数
- 11名
- 会計システム
- FX4クラウド
- URL
- https://www.be-fine.co.jp
顧問税理士 美保哲夫
税理士法人トリニティー
- 所在地
- 千葉県八千代市八千代台東1-28-12
- URL
- https://www.trinity-plus.jp
(『戦略経営者』2025年2月号より転載)