CES株式会社 様

統合型会計情報データベース(FX4クラウド)
TKCモニタリング情報サービス ユーザー事例

社員レベルで業績を管理し
「頑張りが評価される」会社へ

住宅ローンの販売を手がけるCESの下島博社長は、松本鉄平顧問税理士によるサポートのもと、『FX4クラウド』による詳細な業績管理を実践している。特に社員1人あたりの利益管理体制を構築したことで「社員の“頑張り”を適切に評価できるようになった」と下島社長は語る。

迅速な問い合わせ対応で顧客との関係を堅固なものに

──これまでさまざまな職業を経験されたそうですね。

下島博社長

下島博社長

下島 メガバンク、ハウスメーカー、住宅ローンの販売代理店とさまざまな会社を渡り歩いてきました。メガバンクでは事業者向けの融資業務に携わり、ハウスメーカーでは販売資金担当としてお客さまが住宅ローンを組む際の資金計画づくりをお手伝いしていました。独立して携帯電話ショップを経営したこともあります。その後、紆余曲折を経て2014年に当社を立ち上げてからは、事業戦略の策定や福利厚生制度の整備など、社員がモチベーションを高く持って働ける環境づくりに専念しています。

──事業内容を教えてください。

下島 メインの事業は住宅ローンの販売です。当社が扱っている商品は住宅金融支援機構が提供している最長35年間固定金利の住宅ローン「フラット35」で、不動産会社やハウスメーカー、建築会社などを通じて一般消費者に販売しています。年間あたりの借り入れ件数は1,000件、借り入れ残高は300億円程度で、昨年11月には借り入れ件数7,000件、借り入れ残高1,800億円を突破しました。

──アピールポイントは?

下島 専門知識の豊富な社員が多いこと。あとはスピーディーかつ的確な顧客対応を徹底していることでしょうか。当社では「得意先からの質問対応は後回しにしない」ことを営業方針に掲げており、すべての社員がこれを実践しています。

──迅速な顧客対応を重要視していると。

下島 速さだけではなく、的確に対応することが重要です。フラット35は住宅金融支援機構が定める技術基準を満たした物件しか組むことができないので、得意先から「こういう構造の物件でフラット35を使うことは可能か」「技術基準を満たしているか確認したいので検査機関を紹介してほしい」などの問い合わせが日々社員のもとに寄せられています。得意先の信頼を得るためにも対応を後回しにせず、仮に即答できなくても内勤している営業事務に確認する、フラット35のQ&Aサイトを参照するといったように、質問を受けたその場で正しく回答することを徹底しています。

──創業以来得意先や融資件数を増やし続けている要因は、機動性と確実性を重視した顧客対応にありそうですね。

下島 ポイントは「営業事務が営業の活動をいかに手厚くサポートできるか」ということ。同業者のなかには営業事務の数が少ない事業者もありますが、当社は営業職と営業事務職の比率がほぼ同じ。特定の社員に負荷がかかるようなことがないので、営業からの問い合わせにも速やかに対応することができています。全社的に時間外労働時間も少なく、期末などの繁忙期でも1人10時間を少し超える程度でとどまっています。

──社員の知識習得を促すために取り組んでいることは?

下島 営業職、営業事務職の社員には国家資格である「貸金業務取扱主任者」の取得を義務づけています。学習にかかる費用は会社が負担しており、合格者には資格手当を支給するなど資格取得をバックアップする仕組みも整えてあります。
 これ以外にも、フラット35の利用要件やQ&Aサイトの内容を頭にインプットしておくように指示しており、社員の理解度をチェックするために抜き打ちテストを行っています。私の気まぐれで実施するので、いつテストを受けても良いように日ごろから勉強しているようです。

『FX4クラウド』に切り替え社員単位の業績管理を実践

──『FX4クラウド』を導入した経緯をお聞かせください。

下島 いろいろありますが、店舗別の業績をリアルタイムで把握したかったのが一番の理由です。創業2期目あたりから会社が急成長し、店舗の数を増やしました。結果、拠点ごとの業績管理体制が課題に上がるようになったのです。その際、松本先生から提案されたのが『FX4クラウド』への切り替えでした。
 現在は大阪市内に2カ所、兵庫・京都・滋賀に1カ所ずつ店舗を構えており、それぞれ拠点ごとに業績管理を行っています。

松本鉄平顧問税理士

松本鉄平顧問税理士

松本 創業直後は『FX2』を利用されていましたが、今後会社の規模が大きくなってもしっかりと計数管理ができるように『FX4クラウド』へのアップグレードを進言しました。現在は店舗にとどまらず社員1人あたりの業績も把握しておられます。ここまで事細かに業績管理している会社は少ないのではないでしょうか。

──『社員単位の業績管理手法について詳しく教えてください。

下島 社員を部門に見立てて『FX4クラウド』に登録し、個人ごとの売上高から経常利益までをリアルタイムで管理しています。営業はもちろん営業事務、管理部門、役員を含む全員が対象で、社長である私も例外ではありません。

──社員ごとの業績を管理することの狙いは?

下島 利益の拡大に貢献した社員を適切に評価するためです。これまでさまざまな会社を渡り歩くなかで、自分の働きが待遇面に反映されていないと感じる場面が多くありました。当社を立ち上げるにあたり強く意識したのもこの点です。トライ&エラーを積み重ねて業績アップに貢献した社員こそ評価されるべきだと……。
 そこで思い至ったのが「利益を多く残した社員に賞与をたくさん支給する」ということ。たとえ売り上げ目標を超過しても、経費を多く使っていては会社に残る利益は小さくなります。一方、目標達成率が100%近くでも、使った経費が少なければ会社に残る利益は大きい。会社への貢献度が高いのは後者ですが、これを把握するには社員単位で業績を管理しなければなりません。その点、『FX4クラウド』ではこういった複雑な業績管理ができるので、社員の“頑張り”を正しく評価する仕組みを確立できています。

──こまめにチェックしている業績資料はありますか。

下島 《利益管理表》は折に触れてチェックしています。月初に各店舗の店長を交えた会議を開いており、そこで店舗別の利益管理表を配布し、年度目標に対する進捗と今後の打ち手について話し合っています。全店舗の業績が一目でわかるので、「他店に比べて経費を使いすぎているから今月は気をつけよう」と店長の意識づけにもつながっています。

無借金ながらMISを活用し決算書の信頼性をアピール

本社ビルの地下にはゴルフシミュレーター室を設置

本社ビルの地下にはゴルフシミュレーター室を設置

──「TKCモニタリング情報サービス」(MIS)を利用されたきっかけを教えてください。

下島 当社は貸金業にあたるため、金融機関も積極的に貸し出すことはしないのですが、「いざというときのために業績資料を提出しておいた方がよい」と松本先生にお勧めされたので、取引関係にある4つの金融機関に決算書データを送信しています。「当社はTKC全国会所属の税理士の監査を受けています」とアピールする狙いもありますね。TKCマークの付いた決算書は顧問税理士のお墨付きを得ており、内容の信頼性が高いことを銀行員時代に学びました。TKCマーク付きの決算書を提供することで「CESは会計処理や記帳を適切に行っている」と思ってもらえていたらうれしいですね。

松本 CESさんは自己資本比率が高く、実質無借金経営を実践されているのですが、経営環境が急激に変わり、急きょ借り入れが必要になったときでも速やかに対応できるようMISの利用を提案しました。
 下島社長は私の提案を積極的に受け入れてくださるので、勧めがいがあります。

──今後の抱負をお聞かせください。

下島 取り扱い商品を増やしていきたいと考えています。現在はフラット35だけを扱っていますが、今後は変動金利の住宅ローンの販売など、得意先のニーズに幅広く対応できるようラインアップを拡充していきたいですね。

企業情報

大阪市内を中心に
近畿地方に5店舗を展開

CES株式会社

業種
住宅ローン「フラット35」の販売代理店
設立
2014年9月
所在地
大阪府大阪市西区西本町1-7-1 信濃橋FJビル9階
売上高
5億2,800万円
社員数
40人(役員含む)
URL
https://ces-saison.com

顧問税理士 松本鉄平
松本鉄平税理士事務所

所在地
大阪府大阪市北区南扇町7-17 MF梅田ビル6階
URL
https://teppeitax.tkcnf.com/

『戦略経営者』2023年7月号より転載)