導入事例 CASE STUDY
サンワ化成株式会社 様
統合型会計情報システム(FX4クラウド) ユーザー事例
多彩な連携機能を積極的に活用し
経理業務の効率化を実現
半導体や精密部品の洗浄、化学薬品の製造を手がけるサンワ化成は会社設立に合わせて『FX4クラウド』を導入。詳細な業績データをもとに意思決定を下すなど会計を生かした経営を実践している。西野和成社長、西野加奈子総務グループチーフに、鈴木達雄税理士、鶴田浩之税理士を交え、『FX4クラウド』導入の経緯や活用法を聞いた。
親会社から分社化し激化する競争に勝ち抜く
──事業内容を教えてください。
西野和成社長
西野和成社長 半導体・精密部品の洗浄と化学薬品製造の2種類の事業を手がけています。精密洗浄部門では主に半導体や精密部品に付着している不純物の除去をなりわいとしており、取引先のほとんどが大手電子部品メーカーです。薬品製造部門は親会社であるサンワ化学(静岡県袋井市)からの受託生産がメインで、主にサニタリー製品の原料となる薬品を製造しています。
──強みは?
社長 ミクロン単位の細かい不純物を確実に除去する技術力、お客さまの要望を速やかに形にする機動力でしょうか。当社は2021年2月にサンワ化学から分社化した比較的新しい会社ですが、業歴そのものは30年に及びます。古くから精密部品の洗浄を手がけてきたからか、お客さまから技術に関する相談を持ちかけられることも多く、そのつど迅速に対応してきました。その積み重ねが、他社では容易にまねできない精緻な技術力につながっていると自負しています。
──顧客からは具体的にどんな要望が寄せられていますか。
社長 「サブミクロンサイズの不純物まで取り除いてほしい」といったように、これまでにない高いレベルの洗浄品質を求めてくるようになりました。また、最近の話で言うと「金属イオンを4~5ppt(※)レベルまで落とすことはできないか」という相談を受けて、現在技術開発に取り組んでいるところです。
※…ppt(parts Per Trillion)とは「一兆分のいくつか」を示す単位
──分社化した目的は?
社長 いろいろありますが、もっとも実現したかったのは「意思決定のスピードアップ」です。半導体市場の拡大によって精密洗浄を手がける会社が増え、他社との競争が激化しつつあります。このような状況のなかで事業を継続させるには市場の動向や顧客のニーズを速やかに察知し、すぐさま経営戦略に反映する仕組みが欠かせません。機動的に意思決定できる構造をつくり、激化する競争を乗り切るために分社化を決断しました。
鶴田浩之税理士
鶴田浩之税理士 西野社長はもともとサンワ化学さんで精密洗浄部門の部門長を務めておられました。業務経験や知識も豊富ですし、性格も穏やかなので社員からの信頼も厚い。新会社の代表に就任すると知ったときも「西野社長しか適任者はいない」と思いましたね。
──足元の景況はいかがでしょう。
社長 長引くコロナ禍や半導体不足、ウクライナ危機による国際的な物流の混乱等により、受注が落ち込みがちです。いろいろ打ち手は講じているのですが、当面は我慢の時期が続きそうですね……。
──「一般事業主行動計画」を策定するなど女性が活躍する職場づくりにも意欲的です。
社長 当社は女性スタッフが全従業員の7割を占めていますから、女性にとって働きやすい職場をつくることは重要な課題です。
西野加奈子チーフ 女性従業員が産休や育休を取得しやすい雰囲気づくりはもちろん、復帰してすぐに職場になじめるよう、休暇中のフォローも心掛けています。また、最近は小さいお子さんを育てている若い従業員が増えてきたので、お子さんのために急に欠勤しなくてはならないときは、気兼ねなく休めるように職場の皆さんにも協力していただき、仕事と家庭を両立させて長く働ける職場づくりに取り組んでいます。
部門階層別管理機能で最新業績を細密に管理
三重事業所の小西所長と経理担当の野田係長(左)
──『FX4クラウド』を導入した理由を教えてください。
社長 はじめにお話ししたように当社は2つの事業を手がけているので、部門ごとの最新業績を確認できるソフトを入れたかったというのが一つ。加えて、複数拠点で入力できるところにも引かれました。当社では本社、三重事業所、福岡事業所の3カ所で経理業務を行っており、各拠点から同時に接続できる点に魅力を感じたのです。昔からなじみがあったことも導入の決め手になりましたね。サンワ化学でも『FX4クラウド』を活用していて、帳表は会議等でしばしば目にしていました。
鈴木達雄税理士
鈴木達雄税理士 西野社長は計数管理にとても意欲的な経営者で、サンワ化学の部門長だったころから会計をうまく事業運営に取り入れている印象です。このような経緯もあり、「分割型分割」という手法でサンワ化成の分社化を実現した際も迷わず『FX4クラウド』の導入を決断いただきました。
──特に注目されている指標や勘定科目はありますか。
社長 売上高と限界利益、限界利益率はこまめに確認するようにしています。これらを見れば日々の営業活動が適切に行われているか、着実に利益を稼げているかが分かりますからね。あとは自己資本比率やキャッシュフローの状況も日々チェックしています。資金は「会社の血液」です。たとえ利益を出せていても、財務が健全でなければ会社が傾いてしまいますから……。
──『FX4クラウド』の帳表はどのように活用していますか。
社長 《変動損益計算書》を各事業所の責任者を交えた会議で配布し、部門や事業所ごとの最新業績をもとに日々の活動の棚卸しと今後の戦略を打ち合わせています。『FX4クラウド』では「三重事業所の精密洗浄部門」「福岡事業所の薬品製造部門」といったように複合的な業績管理ができるので、より会社の実態に合った打ち手を策定できています。
──入力面ではいかがでしょう。
西野加奈子チーフ
チーフ 仕訳の入力を省略する機能が充実しているところがいいですね。販売データは『SX4クラウド』、給与データは『PX2』から取り込み、支払データは「銀行信販データ受信機能」と「支払管理機能」を活用することで、一から仕訳を起票することは非常に少なくなりました。昨年末から利用を始めた証憑(しょうひょう)保存機能も重宝しています。請求書や領収書を電子保存できるだけでなく仕訳も自動で起こせるので、入力の負担がいっそう軽減しました。
鶴田 当初は各事業所の証憑書類を本社に集約していましたが、現在は各拠点でスキャンし電子で管理するよう経理フローを変えました。その結果、郵送コストの削減やペーパーレス化を実現しています。西野チーフは操作の飲み込みが早く、新機能も1~2回レクチャーするだけで要点を的確に理解されます。導入からわずか1年弱でほぼすべての機能を駆使されているのも、西野チーフの”勘の鋭さ”の賜物(たまもの)でしょう。
鈴木 『FX4クラウド』をここまで網羅的に活用できている会社はなかなかありません。導入から間もないにもかかわらずシステムを徹底活用しているサンワ化成さんは本当にすごいと所内でも評判なんですよ。
チーフ (笑)。鶴田先生の丁寧な指導のおかげです。
決算書のデータ送付で金融機関との関係が密接に
──「TKCモニタリング情報サービス」を利用されていると聞きました。使い勝手は?
福岡事業所の八巻所長と経理担当の吉田係長(左)
チーフ メインバンクに決算書データを提供しています。これまではプリントアウトしたり体裁を整えたりと書類を準備するのに時間がかかっていたのですが、現在はその手間が省かれるなど業務の効率化につながっています。
社長 あとは金融機関との関係がより密接になったと感じます。会社として銀行さんの支援がほしいときに、実態に合った提案を受けるようになりましたね。
──今後の抱負を。
社長 設立から3年間は足場固めに費やすと決めていたので、当面は既存の精密洗浄と薬品製造事業の底上げを図っていきます。中長期的な目標としては、当社の取引先は全国に点在しているので、お客さまのニーズに迅速に対応できるよう事業拠点を増やしていきたいですね。
企業情報
本社が入居する大樹生命浜松ビル
サンワ化成株式会社
- 設立
- 2021年2月
- 所在地
- 静岡県浜松市中区常磐町145-1 大樹生命浜松ビル9階
- 売上高
- 5億円
- 社員数
- 55名(パート含む)
- URL
- https://www.sanwa-kasei.net/
顧問税理士 税理士法人SKJ
社員税理士 鈴木達雄 鶴田浩之
- 所在地
- 静岡県磐田市明ケ島原10-22
- URL
- https://suzuki-tatsuo.tkcnf.com/
(『戦略経営者』2022年6月号より転載)