事務所経営

新入職員を迎えるにあたって準備すべき5つのポイント ー確かな成長とやりがい。その最短距離が「職員研修プログラム」に

目次

新入職員を迎える季節がやってきました。新しい仲間を迎えるということは、会計事務所にとって大きな喜びであると同時に、しっかりとした準備が求められる重要なプロセスでもあります。新入職員が職場に溶け込んで、安心して仕事ができる環境を整えるためには、どのような準備が必要なのでしょうか。今回は、巡回監査士制度の充実プロジェクト(中央研修所)の委員(小野晃弘会員)が取り組んでいる実例をもとにご紹介します。

新入職員を迎える5つの準備

①オリエンテーションの企画

新入職員が入社する日には、オリエンテーションを開催します。たとえ新入職員が1人でも、小さな事務所でも、新入職員に歓迎する気持ちを伝えるために実施した方が良いです。オリエンテーションでは、新入職員が事務所の経営方針、業務内容を理解できるような内容を準備しておきましょう(図1)。

②必要な書類の準備

雇用契約書、就業規則、社会保険に関する資料など、必要な書類を用意しておきます。また、個人情報や守秘義務について同意を得るための書類も準備します。これらの書類を準備し、新入職員に説明(研修)をした上で、入社手続きを進めます。

③職場環境の整備

新入職員が快適に働けるような職場環境を整えます。当たり前のことですが、業務を行うデスクや椅子を用意し、必要なスペースを確保します。また、パソコン、プリンタ、ソフトウェアなど業務に必要な設備が正常に動作するか確認します。さらに、この機会に、事務所が5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)をできているか点検することもオススメです。

④コミュニケーションの機会

新入職員は、事務所全体で育てるという意思統一が大切です。新入職員が入所する日は、事務所全員で迎え、まずは事務所のメンバーを紹介します。できれば、新入社員のメンター(教育担当や相談相手)を決めて仕事やキャリアの指導・助言を求める環境を作ると良いです。
ただし、新入職員を育成するということは、仕事のやり方だけでなく、挨拶から仕事の進め方など、社会人としての基本行動を教えることも含まれていますので、担当者が1人で全てを担うのではなく、事務所全体で教えているという意識を念頭に置く必要があります。

⑤新入職員研修の計画立案

新入職員が会計事務所の仕事と価値を理解し、成長を実感しながらやりがいを持って働くためには、「職員研修プログラム」の活用が欠かせません。新入職員が、いつ・どの研修を受講するか、といった研修のスケジューリングは、所長先生や教育担当者が「職員研修プログラム」のパンフレットを見ながら行います。

オリエンテーション事例

「職員研修プログラム」活用事例

税理士法人シナジー 小野晃弘会員

私たちが新入職員を迎えるにあたって有効活用しているのが「職員研修プログラム」です。キャリアプランに沿った形で一貫した教育プログラム(図2)が整っていることをパンフレット(図3)で説明します。例えば、新入職員研修プログラム受講前に、この研修で「会計事務所の仕事は税理士法に基づく業務であるという本質を理解しながら、社会人として必要なビジネスマナーなどの基本を身につけることができます」と説明できるので、新入職員に目的意識を持って研修を受講してもらうことができます。
全国の会員事務所に新しい「職員研修プログラム」のパンフレット(図3)が届いていると思います。ぜひ活用し、新入職員を迎える準備を整えましょう!  

職員研修プログラム
パンフレット表紙

(会報『TKC』令和7年3月号より転載)