事務所経営
「書面添付推進座談会」開催レポート
TKC東北会青森県支部
■とき:令和6年8月8日(木) ■ところ:ホテルグランメール山海荘
TKC東北会青森県支部では書面添付実践件数の拡大を目的に「書面添付推進座談会」を開催し、支部会員21名が参加しました。
座談会は東北会青森県支部書面添付推進委員長の石山恭兵会員がコーディネーターを務め、次の四つのテーマについて、参加した会員の考えや事例を共有しました。
【テーマ1】書面添付が標準業務として定着している状態とは?
お客様への初期指導が行き届き、自計化が導入され、月次巡回監査が実践できている状態。書面添付はこういった業務の延長線上にあると考えます。
【テーマ2】標準業務として定着した場合の事務所経営における効果は?
税務調査が来にくくなる。書面添付を行うためには、巡回監査を通してお客さまの会社の状況を毎月把握できていることが必要です。そのため、書面添付を行うことで、関与先との信頼関係が強固になると考えます。
また、書面添付は付加価値業務でもあるといえるため、書面添付を行うことで職員のレベルアップも見込めます。
【テーマ3】標準業務として定着させるには何が不足しているのか?
職員のいる事務所では、実は職員が書面添付の効果をわかっていないのではないかと思います。例えば、「書面添付のために決算業務で時間がとられるからやりたくない。書面添付したところで給与に反映されない」といった声も聞かれることでしょう。そこで、標準業務として書面添付を定着させるためには「書面添付は決算における特殊業務ではない。毎月の巡回監査で行ったことを監査調書にメモしておくことで、決算ではそれを書面添付に落とし込めばいいだけ。書面添付を作成する際は、決して一から作成するものではない」ということを理解いただいた上で、職員の給与に反映させる等の工夫が必要になると考えます。もちろん、初期指導・自計化・月次巡回監査ができていることが前提です。
【テーマ4】標準業務として定着させるためには何から取り組むのか?
書面添付を標準業務化し、件数を伸ばすというのは、一朝一夕では難しいでしょう。そのため、自計化の導入を進めるなど、あらためて初期指導からやり直し、長期スパンで粘り強く書面添付の標準業務化に取り組む必要があります。
今回、座談会に参加された会員にとってはさらなる書面添付の実践および標準業務化に向けて決意を固める、大変良い機会となりました。
(青森SCGサービスセンター長 細川史朗)
TKC中国会広島支部
■とき:令和6年8月20日(火) ■ところ:広島SCGサービスセンター
TKC中国会広島支部では、書面添付推進座談会を「事務所経営よろず座談会」と題して、巡回監査・事務所経営委員会、ニューメンバーズ・サービス委員会(以下、NMS委員会)と合同で開催しました。13名の会員が参加し、書面添付実践件数の増加に向けて疑問点や課題を共有し、互いにアドバイスを行いました。今回の座談会を通じて書面添付の実践のためには日頃の巡回監査が重要であるとの結論が出たため、システム委員会も交えて11月に巡回監査に関する勉強会の開催を決定しました。
広島支部では、各委員長が集まって研修やイベントを共有し、連携を図るための「横串委員会」という会議を2カ月に一度開催しています。この横串委員会の場で書面添付推進委員長の野村等会員が、他の委員長に声掛けを行い、巡回監査・事務所経営委員会とNMS委員会の3委員会合同で書面添付推進座談会を開催することとなりました。当日は、小倉幸二支部長から本年度の支部活性化目標の進捗状況が共有され、その後、各委員長から現在力を入れている取り組みについて発表されました。野村委員長からは、全国の書面添付の動向、新様式への対応、書面添付が事務所経営に与える影響等に関して説明がありました。その上で、参加者から各事務所の課題を挙げてもらい、意見交換を行ったところ、件数を増やすためには日頃の巡回監査が重要であるとの結論に至りました。また、「巡回監査では何に注意しているのか」、「FXクラウドシリーズで効率的に行うためにはどうすればいいのか」など、さまざまな疑問点が出てきました。
こういった疑問点を解決するために、システム委員会が開催する「ばり塾」という勉強会の中で、書面添付推進委員会とコラボして「書面添付につながる巡回監査」をテーマに再度意見交換を行うことが決定しました。
参加した会員からは「一方通行の研修ではなく、参加者の疑問点の解決に向けて、みんなで意見交換できる場は有意義であった」等の感想が寄せられました。11月に開催する「ばり塾」では、職員も参加対象となることから、多くの方にご参加いただき、活発な意見交換が行われるよう、センターもより一層ご支援してまいります。
(広島SCGサービスセンター長 黒坂晋哉)
(会報『TKC』令和6年10月号より転載)