【ユーザー事例】 法改正対応を機に、住民サービスの向上を図る

住民向けソリューション「証明書コンビニ交付システム」 > 栃木県足利市

栃木県足利市 市民課 住民記録担当主任 菅谷正隆氏

住所
栃木県足利市本城3丁目2145番地
電話
0284-20-2222
面積
177.82平方キロメートル
人口
152,433人(平成24年6月1日現在)
URL
http://www.city.ashikaga.tochigi.jp/
菅谷正隆氏

菅谷正隆氏

──現在の窓口サービスの概要について教えてください。

菅谷 足利市では平成9年より証明書の自動交付機を市内3か所に設置し、また平成23年7月からは市内のショッピングセンターに行政サービスセンターを開設して、土日でも証明書の発行、転入・転出などの窓口業務を行っています。このほか市内にある17か所の公民館でも証明書を発行するなど、住民サービスの利便性向上に取り組んでいます。

──平成24年7月9日より、「コンビニにおける証明書等の交付(コンビニ交付)」をスタートされますね。導入までの経緯を教えてください。

菅谷 コンビニ交付の検討は平成22年8月ごろから進めていましたが、サービス導入のきっかけとなったのは住基法改正対応でした。

 当初、平成24年7月の法施行に合わせて自動交付機のリプレースを検討していましたが、機器の更新と法改正費用が高額になることがわかりました。加えて、足利市では平成26年度から基幹系システムをクラウド化する方針を打ち出したことから、単に自動交付機をリプレースするのではなく、思い切ってサービスのあり方そのものを見直そうということになりました。その過程でコンビニ交付サービスを再検討した結果、住民サービスの維持・向上が図れることとともに、財団法人地方自治情報センターからの助成金(平成23年度「コンビニ交付モデル団体支援事業」)を受けられたことも追い風になって、導入を決断しました。各種税証明書および戸籍証明書等が発行できるようになったことも大きかったですね。これにより、本庁以外の2か所の交付機を廃止するとともに、サービス開始にあわせて本庁に残る最後の1台も廃止し、コンビニ交付へ一本化する予定です。

クラウド選択で、職員負担も軽減

──クラウド型(LGWAN-ASP方式)を選択した理由は?

菅谷 クラウド型を選択した理由は主に四つあります。一点目は費用面です。今回のサービス導入にあたって、庁内に証明発行サーバを構築する方式とクラウド型の比較を行いましたが、クラウド型の方が安価に実現することがわかりました。

 二点目は、LGWAN回線の帯域の問題です。足利市のLGWAN回線は3Mbps(県NOC~足利市)と帯域が狭く、証明発行サーバを庁内に設置する方式(セルフASP方式)だと、大量のデータがやりとりされた場合に証明書等の交付サービスの遅延が発生する懸念がありました。しかし、クラウド型のシステムであれば、実際に証明書等を交付する際は、証明書交付センターとデータセンター間の通信となるため、前述の懸念を払拭することができました。また、実際に稼働実績があるというのも重要なポイントでした。

 三点目は、職員の運用負担を軽減できる点です。コンビニ交付は、土日を含む6時30分~23時までサービスを提供することになるため、住民の利便性が高まる一方で、庁内で運用するとなると職員負担は増大してしまいます。この点、クラウド型であれば、職員がシステムの運用を行う必要がありません。

 四点目は、業務継続性の観点です。足利市でも、東日本大震災により電源供給のストップや計画停電等を経験したこともあり、これまで以上に業務継続性の確保について考えるようになりました。その結果、大規模災害等でも交付サービスを継続することを考えると、クラウド型が最適であると判断しました。

──特に、戸籍証明のクラウド型によるコンビニ交付は全国初の事例となりますが、導入にあたり課題となったことはありますか。

菅谷 課題は特にありませんでした。 〝クラウド〟に関しては、前述のとおり市の方針として積極的に採用していくことが打ち出されていましたし、単独市区町村による戸籍証明書発行サーバのクラウドサービス化についても、法務局との間で直接交渉を重ね、3か月程度で認容を得ています。また、基幹系システムとの連携についても順調に進んでいます。

サービス普及は住基カードが“鍵”

──コンビニ交付サービスの利用促進に向け、何か計画されていることはありますか。

菅谷 まずは住民へのPRです。現在でも、市民課のホールに広告を掲示したり、窓口に来た方へチラシを渡しています。今後は、市の広報誌やホームページによるPR、公民館などでのポスター掲示などにも取り組みます。また、地元の新聞社に記事掲載してもらえるよう広報活動を行うことも予定しています。その他の普及策としては、コンビニでの証明書の発行手数料を、サービス開始当初から窓口より50円安く設定します。こうしたことによりサービスを認知してもらい、利用促進となればと考えています。

 そのためには、何より住基カードの普及が鍵となるでしょう。足利市では、自動交付機で利用できる市民カードを約5万枚発行しており、これを円滑に住基カードに移行していくことが肝要と考えています。そのため、5月より市内のショッピングセンターにある行政サービスセンターへ特設会場を設置し、土日も含め毎日カードの引き替え交付を行うほか、公民館をまわって引き替え交付を行っています。これにより、まずは今年度中に1万5000枚を普及させることを目標としています。

 住民サービスのさらなる向上を目指し、コンビニ交付サービスも含め一つひとつ着実に取り組んでいきたいと思います。