オンライン会議を積極的に開催していますが、参加者の発言が少なかったり、話が脱線するなど、うまく進行できません。オンライン会議を円滑に運営するポイントを教えてください。(広告業)
コロナ禍によって多くのビジネスパーソンがオンライン形式の会議を経験しましたが、なかには不慣れさゆえのストレスを感じている人も少なくありません。原因の1つに発言のタイミングがあります。
従来の対面会議では発言を促していないのに勝手に話しはじめる人がいたり、複数人が同時に発言して話が脱線してしまうことがあったと思います。対面会議でも、実は進行役には高度なファシリテーションスキルが求められていたのですが、発言者と同じ空間にいることでスムーズにコミュニケーションが取れるため、司会の経験が浅くてもなんとか進行できていました。しかし、オンライン会議ではこうはいきません。複数人が同時に話し出すと誰の発言かわかりませんし、話した内容も把握できない。こうなると高度なファシリテーションスキルが絶対といっていいほど必要になります。とはいえ、普段の業務が忙しいなか、ファシリテーションスキルの向上に時間を費やせる人はなかなかいません。その結果、会議の進行役はマネジャーや社歴の長い社員といったように固定化されてしまうのです。
スムーズな会議運営のポイントは①発言したい場合に挙手をし②進行役に促されて発言する――の2つを繰り返すことです。ただ、実際の会議では意見を思いついた人だけが発言したり、意見を否定されたくないことから一切発言しない人も出てきますから、誰が進行役になっても参加者一人一人が意見を言えるような仕組みを確立する必要があるでしょう。これは対面の会議で欠かせない要素ですが、オンライン会議ではより一層重要になってきます。
発言順を決めておく
オンライン会議のスムーズな進行のために、まず決まった順番に発言する仕組みを設けてください。例えば、1番目をAさん、2番目をBさん、3番目をCさん……というようにあらかじめ発言順を決めておくのです。氏名の五十音順、オンライン会議にログインした順番、あるいは社歴といったように、会議が始まるまでに発言順を決めておき、参加者全員で共有することをお勧めします。
参加者が発言する際は、議題について一人ひと言程度で意見を促します。発言が終わると次の人にまわし、同じようにひと言で意見を促します。順番は各自把握しているので進行役がわざわざ指名する必要もなく、時間内は何度も順番が回ってくるので一人が複数回発言することになります。こうすることで発言者が偏らず、複数人が同時に発言して話が脱線することも避けられます。
この方法では順番が何度も回ってくるので意見や考えをいくつも持っておく必要があります。すると参加者の思考力が強化され、これまで考えもしなかった意見が出始めるなど組織にとってプラスの影響も期待できます。このように、会議の仕組みを少し変えるだけで社員の成長にもつながるのです。
繰り返しになりますが、オンライン会議をスムーズに進行するポイントは、参加者全員がひとりずつ発言できる仕組みをつくること。これはオンラインだけでなく対面会議でも実践するとより良い成果を挙げられるでしょう。ぜひ、実践してみてください。