TASKクラウド行政サービス・デジタル化支援

開発者が語る

TASKクラウドかんたん窓口システム

「TASKクラウドかんたん窓口システム」は、マイナンバーカードを活用した新たな窓口サービスにより〈住民の利便性向上〉と〈職員の業務負担の軽減〉を実現するクラウドサービスです。
住民の使いやすさに徹底してこだわったシステムは、お客さまのアイデアでいまさまざまな申請手続きに活用されています。
開発者紹介
小暮英統こぐれ ひでのり
入社以来、証明書交付に関わる
システムを継続して担当し、
2017年からプロジェクトリーダーとして
かんたん窓口システムを開発。
開発者紹介 小暮英統

こだわったのは「住民の使いやすさ」

――かんたん窓口システムを開発したきっかけは。

小暮市区町村の窓口業務で、職員の皆さんが最も負担が大きいと感じているのが証明書交付と異動処理です。この2つで業務全体の8~9割を占め、職員の皆さんは専門性を発揮すべき「相談業務に時間をさけない」という悩みを抱えています。こうした現状を踏まえ、以前から社内で「ICTでいかに支援できるか」について検討を進めていました。

 そうしたなか、2017年3月に『マイナンバーカード利活用推進ロードマップ』(総務省)が示され、窓口の業務改革とともにマイナンバーカードの普及・利活用推進に寄与するシステムを開発しようということで、かんたん窓口システムのプロジェクトが動き出しました。
 とはいえ、当時はまだマイナンバーカードに関する技術仕様が開示されておらず、総務省や地方公共団体情報システム機構に出向いて相談することから始めるなど、試行錯誤の連続だったことを覚えています。並行して、「どういうシステムを構築すれば業務の負担軽減に役立つのか」について、お客さまの意見も聞きながら社内で何度も議論を重ねました。そうした企画・技術研究に約1年をかけたのです。

 また、開発過程でも、プロトタイプ版をお客さまに評価していただき、さらにこれを改良することを繰り返し、システム全体の完成度を高めることに努めました。

――開発者としてこだわった点は。

小暮かんたん窓口システムには、大きく分けて「証明書交付」と「申請書作成支援・手続き案内」の二つの機能があります。
 証明書交付機能は、その名の通り住民票や印鑑登録証明書など証明書の交付ができるもので、その特長は〈住民の方だけでかんたんに申請手続きが完結できる〉ことです。一方の「申請書作成支援・手続き案内」は、住民が操作するというコンセプトを、そのまま転入転出といったライフイベントに関わる申請手続きへと展開したものです。
 なかでも開発者として最もこだわったのは、〈住民が操作しやすい〉ことでした。

住民が利用するタブレット端末の画面(イメージ)
住民が利用するタブレット端末の画面(イメージ)

 最近、飲食店でテーブルに設置されたタブレット端末でメニューを選んで注文する方式が増えていますが、かんたん窓口システムも技術的にはこれと同じ仕組みです。非常にシンプルな画面で、文字やボタンなどは大きく、老若男女を問わず誰でもかんたんにタッチ操作できるよう、徹底してユーザーインタフェースにこだわりました。それだけに多くのお客さまから使いやすさを評価していただいていることは、とても嬉しいですね。
 また、そうした住民の操作性に加えて、かんたん窓口システムでは窓口業務にかかる職員の皆さんの負担軽減も考慮しています。そのためシンプルな見た目とは異なり、バックグラウンドではマイナンバーカードリーダーや受付票を出す小さなプリンター、あるいはQRコードを読み取るWebカメラなど、さまざまなデバイスと連動するために非常に複雑なことをしています。こうした試みは社内でも初めての挑戦でしたが、ここまで多くの周辺デバイスと連動するシステムはほかに類を見ません。

――機能面でのこだわりは。

小暮例えば、申請書作成支援機能では申請書を作成する際にマイナンバーカードに加えて、運転免許証などのOCR読み取り処理にも対応できるようにしました。これにより本人確認が行えるとともに、券面から基本4情報を読み取って申請書に印字することで〈住民の記入の手間〉や〈職員の皆さんの入力の手間〉を軽減しています。
 もう一つは、設問に応えるだけで住民に必要な手続きが案内される機能です。設問は職員の皆さんが容易にカスタマイズできるようにしています。この設問機能により知識の共有が図られ、お客さまからも「経験が浅い職員でも住民に最適な案内ができるようになった」という評価の声をいただいています。

アイデア次第で使い方いろいろ

――かんたん窓口システムは、どのように使われているのか。

小暮かんたん窓口システムの特長の一つが、申請書作成支援機能の存在です。この機能では、職員さん自身がライブラリを設定するだけで、これまで紙の申請書で受け付けていたさまざまな手続きを、かんたん窓口システムから対応できるようになります。

 この特長を有効活用されているのが栃木県真岡市様です。マイナンバーカード交付関連の申請書作成において、運転免許証から読み取った基本4情報をあらかじめ申請書に印刷することで住民が記入する手間を省いています。実際に体験した住民の方は「マイナンバーカードって、こんなに簡単に申請できるんだ」と驚かれるそうです。その他にも、転入転出などライフイベント面のさまざまな手続きにフル活用されています。

 また、奈良県奈良市様ではこの機能を使って現在二つの実証事業を進めています。
 一つが「スマート窓口」で、これは住民がスマートフォンで転入届などを事前申請し、窓口に来庁したときにスマートフォンのQRコードをかざすだけでかんたん窓口システムから申請書が作成される――というものです。もう一つが「おくやみサービス」です。死亡異動は他のライフイベントに比べ、ご遺族の方がやるべき手続きが数多くあります。そのため多くの市区町村が、ガイドブックなどを用意していますが、ご遺族にとって、どの手続きが該当するのかなかなか分かりづらいのが実状です。
 そこで、奈良市様では専用のおくやみコーナーを設置し、かんたん窓口システムを使って住民がいろいろな質問に答えると、その方に必要な手続き案内票を印刷するとともに申請書まで作成されるようにしています。その申請をワンストップで受け付けるようにしたことで、従来は死亡異動の手続きに半日かかっていたものが、40~50分で完了できるようになったそうです。

 これは〈窓口業務の負担軽減〉と〈相談業務への特化〉を実現する端的な例といえます。

――おくやみコーナーについても、職員の方だけで設定したのか。

小暮はい。どんな設問を用意して、どんな画面構成で展開するかなど職員の皆さんが考えて、ライブラリを設定されました。
 さらに転入の場合、子どもに関係する申請手続きが多いため、真岡市様では関連各課にかんたん窓口システムのタブレット端末を設置し、住民が手続き案内票に印字されたQRコードをかざすとそれぞれの課に提出する申請書が印刷されるようにしています。いわば、形を変えた総合窓口ですね。
 このように、かんたん窓口システムであれば、アイデア次第でまちの独自性を生かした申請書作成サービスも容易に実現でき、住民の方に〈待たない・書かない・迷わない〉窓口の利便性を実感していただけるとともに、職員の皆さんにとっても業務負担の軽減につながると考えています。

――今後の機能強化などは。

小暮さらなる窓口業務の負担軽減につなげるため、現在、〈転出証明書の読み込み〉や〈TKC以外の基幹系システムとの連携〉について実証を進めています。
 特に、基幹系システムとの連携はTKCシステムに共通する最大の強みであり、これまで証明書コンビニ交付システムで培った基幹連携ノウハウを生かしながら、汎用的な仕組みを作り上げたいと考えています。

 新型コロナの影響で、行政サービスのデジタル化の流れは今後さらに加速していくでしょう。とはいえ、いきなりすべての手続きがオンラインで完結できるようになるわけではありません。例えば、オンライン対象外手続きについては、当面の間は利用者(住民・事業者)がスマート申請システムで事前申請を行い、そのデータがかんたん窓口システムに連携され、利用者が来庁した時にスムーズな手続きができる――という仕組みが考えられるでしょう。その意味で、かんたん窓口システムは行政サービスのデジタル化を実現する上で重要なハブになると考えており、お客さまのご意見も伺いながら今後も継続して機能強化・拡充に取り組みます。

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