【ユーザー事例】時代の変化とともに進化する税業務へ
データ連携サービス > 愛知県長久手市
総務部 税務課 市民税係 係長 神藤貴司 氏 / 主事 古田千奈 氏
- 住所
- 愛知県長久手市岩作城の内60番地1
- 電話
- 0561-63-1111
- 面積
- 21.55平方キロメートル
- 人口
- 56,841人(2017年5月1日現在)
- URL
- http://www.city.nagakute.lg.jp/
──「TASKクラウド地方税電子申告支援サービス(データ連携サービス)」を導入して、このほど初めての当初課税業務を経験されました。あらためて、システムを切り替えられた背景を教えてください。
神藤 税務課では、限られた人員でより高い成果を挙げるため、常に業務の効率化と高度化を追求しています。
しかし、当初課税時期には膨大な入力作業が発生するなど、その改善が長年の課題となっていました。
そんな折に、TKCから「地方税電子申告支援サービス」と、そのオプションシステムの「地方税電子申告データ連携サービス」の提案を受けたのです。近隣市町村でも導入されており、いろいろと情報交換する中で「これならば市の運用に適しているのではないか」と考え、システムの切り替えを検討するに至りました。
神藤貴司 係長
──システム選定で重視したポイントは何でしたか。
神藤 重視したのは、①コスト②われわれが望む業務をこなせるか③サポート体制は十分か──の三つです。
このうち、まずコストはわれわれの要求を満たすものでした。さらに業務面でも、確定申告書第二表の取り込みなど、それまで運用上不便だと感じていた部分について改善提案をいただき、これらが決め手となりました。
サポート面では本社が栃木県で、担当営業課も静岡県内であることが若干懸念されましたが、まったく問題はありませんでしたね。何か困ったことがあっても、メールや電話を活用してきちんとレスポンスが返されてくるので、安心しています。
当初課税業務の効率化を実現
古田千奈 主事
──システム導入後、業務はどのように変わりましたか
古田 特に実感しているのは、確定申告書第二表の取り込みにかかる作業が改善されたことです。
以前のシステムにも同様の機能はあったのですが、取り込みは週に一度、OCR処理も1週間前までのデータしか取り扱えない──などの制約がありました。1週間の時間的ロスが生じるのでは、当初課税の繁忙期に利用することはできません。このため職員総出で紙の申告書を見ながらデータを入力するという状況でした。
それが、今年からは第二表についても前日までのデータが翌朝にはOCR処理された状態で手元にあります。もちろん100%OCRで読み取れるわけではありませんが、文字認識の精度が上がったこともあってデータの修正にかかる時間が短縮されました。また、エラー防止のため、入力した申告書は一度紙に印刷し、職員が手分けして二重確認を行っているのですが、1枚の確認にかかる時間も削減できましたね。 さらに、基幹システムへの取り込みでは面倒な操作が必要では…と戦々恐々としていたのですが、思った以上に簡単に行えました。
神藤 私は、国税連携データのバックアップ機能にも魅力を感じています。
国税連携受信サーバは2年でデータを削除しなければならず、これまでであればその分のデータは紙で保管しておく必要がありました。その場合、過去の申告内容を参照する必要があると膨大な紙の資料から探さなければならず、また紛失のリスクも懸念されます。加えて、最近では保管スペースの削減も大きな課題となっています。
この点、バックアップ機能で10年分のデータをTKCのデータセンターで安全に保管し、容易に検索できるようになれば、これらの課題を一気に解消できると期待しています。
さらに、国税連携システムは利用できる時間帯が決まっていますが、バックアップデータはいつでも確認できるという点にもメリットを感じます。
古田 業務に関するさまざまな情報を提供してくれることも大変重宝しています。その中で新しいことに気付かされることも多く、先日も「扶養是正情報」に関するお知らせをいただいたのをきっかけとして、事務に反映することを検討し始めました。
また、ユーザー向けのサポートサイトも開設されており、業務にあたっていろいろと参考にしています。
業務の高度化へ新たな取り組みも
──さらなる業務の効率化・高度化に向けた取り組みについて、お聞かせください。
神藤 ICTの急速な進展により昨今、地方税務でも「地方税の電子化」による業務の効率化と、納税者の利便性向上を図る取り組みが急速に進められています。その中で、われわれには税務署との連携や納税者とのデータのやりとりなど、新たなことへ果敢にチャレンジすることが求められています。
業務の効率化・高度化の観点からも、もっとできることはあるはずです。
2016年度からは、特別徴収義務者へ通知する「特別徴収の税額決定通知書」について電子署名を付与して電子データで送付できるようになりました。個人宛には対応していないなど運用面でまだ課題があり、国でも引き続き議論を進めているところですが、将来的にはこうしたものにも積極的に取り組んでいきたいと考えています。
そのためには、われわれ自身も地方税に関する知識に加えて、電子化への感度を高めていかなければなりません。TKCにはICTの専門家として、これからも最新情報の提供に加え、最適な運用方法の提案やアドバイスをお願いしたいですね。
掲載:『新風』2017年7月号