【ユーザー事例】データ連携で、当初課税の効率化と負担軽減を図る
申告受付支援システム > 静岡県伊豆市
市民部税務課 課長 右原千賀子 氏 / 主査 山田勝彦 氏 /副主任 増島清孝 氏 / 副主任 荒木香吏 氏 / 総務部総務課 主幹 加藤明伸 氏 / 建設部用地管理課 主査 土屋宗雄 氏 / 産業部農林水産課 主査 浅田克彦 氏 / 産業部観光商工課 副主任 渡邊 俊 氏
- 住所
- 静岡県伊豆市小立野38-2
- 電話
- 0558-72-1111
- 面積
- 363.97平方キロメートル
- 人口
- 31,466人(2017年12月1日現在)
- URL
- http://www.city.izu.shizuoka.jp/
──申告受付支援システムを採用された経緯を教えてください。
加藤 eLTAXの導入以来、公的年金の特別徴収、国税連携スタートなどの社会制度の変化、あるいは住民税をはじめ毎年の地方税法の改正など、私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。そのような中で、歴代の担当者は正確かつ効率的に課税を行なうための方策に苦慮してきました。
山田 私自身も、前任者から「ナビゲーション機能を有し、課税誤りを極限まで少なくすることができる使い勝手のいいシステムに変更することが必要」との引き継ぎを受けていました。
一気通貫の業務プロセスに着手
──これまでの運用では具体的にどのような課題があったのでしょうか。
山田 代表的なものではデータの取り 込みですね。これまでは、eLTAX 審査クライアントから年金、給与支払 報告書、年金支払報告書データを、媒 体を介して以前のベンダーの申告受付 支援システムに取り込んでエラー チェックを実施していました。しかし、 データの中に1件でも住登外者や新規の特別徴収事業所が含まれているとエ ラーが発生し、これを正常化する過程 でデータを改変してしまうリスクが大 きいと感じていました。
また、抽出条件を誤った場合にデー タの取り込み漏れによる課税ミスを誘 発する可能性も懸念されました。
渡邊 さらに、旧申告受付支援システムではデータの取り込みに処理を占有され、しかも毎回30分程度を要していました。その間、ほかの作業が中断してしまうため、取り込み処理は業務終了後にやらざるを得ませんでした。人員削減が求められる中、事務処理の効率化は最重要課題といえます。
浅田 理想は、電子申告や国税連携からのデータを媒体を介すことなく申告受付支援システムまで一気通貫で流れることです。そこで、まずは申告受付業務の改善に着手することにしました。
決め手は“業務の連続性”
──TASKクラウド申告受付支援システムを採用された決め手は。
写真左から渡邊俊 副主任、土屋宗雄 主査、荒木香吏 副主任、右原千賀子 課長、浅田克彦 主査、加藤明伸 主幹、増島清孝 副主任、山田勝彦 主査
渡邊 やはり、TKCの申告受付支援システムでeLTAXデータを直接取り込むオンライン連携は魅力的でした。
また、申告受付支援システムが受信したデータを税法エキスパートチェックでエラー抽出してくれるので、安心できると思いました。時間的制約のある中で、何よりも効率的な作業を行うことができます。
土屋 例えば、寄付金控除で所得控除と税額控除でどちらが得になるのか、判断の根拠となる計算式が表示されるのも魅力的でした。私たちは3~5年で定期的に異動します。決して税法の専門家ではありません。これまではどちらが得なのかを判断するのに不安もありましたからね。
右原 提案やシステムデモでTKCの良さは感じましたが、切り替えるとなると一大決心です。導入後の業務プロセスの変更やeLTAXを利用した課税業務は特定個人情報の取り扱いにも該当することから、セキュリティー上問題がないかなど不安がありました。
そこで、申告受付支援システムを利用している近隣の団体やTKCのデータセンターへの視察も行いました。
荒木 TASKクラウドへ移行した要因は、税務システムにまったく経験がない職員でも使える機能性、操作性を重要視した“業務の連続性”です。
右原 申告受付支援システムの選定にあたっては、住民の価値観にも耐えうる仕組みづくりを優先しました。
税務課に課税ミスは許されません。職員は、その不安や重圧を抱えて業務に携わっています。その負担を少しでも軽減できるシステムとして、TKCが望ましいという結論を出しました。
──当初課税に向けて期待していることを教えてください。
増島 利用市町村から、TASKクラウドは改善要望や複雑化した税制改正に対応し毎年バージョンアップを行っていると聞いているので安心しています。また確定申告時期は、例年、税務課の経験のある職員に支援してもらっています。分かりやすいシステム運用プロセスのもと仕事を進められることで不安を軽減したいですね。
荒木 現在、本稼働に向けて最終調整を進めているところです。導入初年度で不安もありますが、後戻りはできません。テスト環境での操作研修や現地サポートなどで、システム運用の支援に期待しています。
右原 今後は伊豆市で受け付けた所得税確定申告書のデータをLGWAN経由でe-Taxへ直接送信するサービスについて検討しています。いまは紙の申告書を税務署に送付もしくは持参していますが、手間がかかるうえに、マイナンバーなどの特定個人情報の漏えいリスクもあります。税務署からも強く要望されていますので、今後の動向をみながら検討したいところです。
申告受付支援システムを利用することで、当初課税業務の一層の効率化を進めるとともに、特定個人情報の適正な取り扱いについても一段と強化していきたいですね。
掲載:『新風』2018年1月号