【ユーザー事例】職員視点で業務の効率化・標準化へ挑む
基幹系システム > 千葉県袖ケ浦市
総務部行政管理課 課長 金子則彦 氏 / 情報推進班 班長 成清和弘 氏 /副主査 鈴木祐貴 氏 / 副主査 榊谷良成 氏
- 住所
- 千葉県袖ケ浦市坂戸市場1-1
- 電話
- 0438-62-2111
- 面積
- 94.93平方キロメートル
- 人口
- 63,672人(2018年12月1日現在)
- URL
- https://www.city.sodegaura.lg.jp/
――システム調達に至った背景を教えてください。
金子 現行システムの契約期間が2019年1月末に満了となるため、その後について検討する必要がありました。継続利用という選択肢もあったのですが、システムの保守が23年度末で終了することから、この機に現状に合った「最適な基幹系システムを再構築しよう」と決断しました。そのため、まずは行政管理課情報推進班が、まっさらな状態からベンダー各社のシステムについて情報収集を開始しました。
課題だったコストと業務効率
――そこで重視されたことは?
金子則彦 課長
成清和弘 班長
鈴木祐貴 副主査
榊谷良成 副主査
金子 やはりコスト面の改善ですね。これまでは法改正や新しい制度が創設されるたびに改修費がかかり、システムの運用・保守コストが増加傾向にありました。その要因は、もともとホストコンピューターで実現されていた“便利な機能”を引き継ぐため、現行システムにさまざまなカスタマイズを加えていたことです。また、業務の効率化・標準化も喫緊の課題でした。特にシステムの運用・保守などでは職員に大きな作業負担がかかるとともに、業務の属人化も発生していました。
初のクラウドサービスの採用という点では多少不安もありましたが、コストの削減と業務の効率化・標準化という喫緊の課題を前に、積極的に新しい技術の導入に取り組んでいくことにしました。
――特長的なのが、システムの再構築と合わせて「可能なものは極力アウトソーシングする」方針を打ち出されたことです。
成清 例えば、印刷をするにも大型プリンターの場合、操作ミスや印刷品質に問題がないかなど確認作業に手間がかかり、大量印刷の際には職員が残業して仕事をこなしている状況でした。ホストコンピューターを利用していた頃からこうした運用が当たり前だったので、これまではアウトソーシングするという発想がありませんでした。しかし、この機に業務のあり方を見直しました。当初、職員の間には従来通りのやり方でいいという雰囲気もありましたが、理解が進む中で徐々に「アウトソーシングは必要だ」という意見に変わっていきましたね。
――そうした中、TKCを採用された決め手は何だったのでしょうか。
鈴木 実は、2次審査のシステム・デモンストレーションでは、情報担当は基本方針を示すにとどめ、審査項目は全て原課職員に作成してもらいました。その理由は、日々の業務で感じている“現状の課題”を職員の視点でピックアップしてもらいたいと考えたためです。これにより、職員自身も「システムに求めること」を明確に意識することになったと思います。
その結果、われわれの趣旨をきちんと理解し、職員視点に立った解決策を提案してくれたのがTKCでした。正直、ここまで考えてくれているのかと驚きましたね。
榊谷 私は住民税システムの審査に参加しましたが、eLTAXとの連携機能などTASKクラウドは職員目線で“かゆいところに手が届く”システムだと感じました。職員視点に立って考えるという姿勢は、その後も変わりませんね。現在、19年11月のシステム稼働に向けて要件定義の打ち合わせを進めているところですが、その場でも現行の運用方法をしっかりと聞いた上で「こうしていきましょう」という提案をいただいています。
次なる挑戦は「窓口改革」
──今後の取り組みを教えてください。
金子 今回は単独でクラウドを導入しましたが、いずれは近隣団体に限らず県内でシステムを共同利用できる仲間を増やしていければと考えています。
また、市民にも職員にとっても“もっと便利”になるよう、窓口改革に取り組む計画です。短期的には「証明書コンビニ交付サービス」の導入を考えています。これにより、窓口業務の効率化とともに、マイナンバーカードの普及策としても期待しています。
また中長期としては、20年から24年にかけて庁舎の再整備を進める計画で、これに合わせて総合窓口化も含めて〈これからの市に最適な窓口サービスのあり方〉を検討していきたいと考えています。AIやRPAなどの活用も視野に入れていますが、これからじっくりと情報収集し、費用対効果を見極めながら、住民サービスの向上や業務の効率化につなげていきたいですね。
──将来の夢がいろいろ膨らみますね。
金子 皆さんが感じている以上に、われわれはTKCに期待しています。そのためにもまずは円滑にシステムを本稼働していただき、運用後は職員がシステムを使いこなして効率よく業務が進められるよう支援をお願いします。機能面のさらなる進化とともに、これからも職員視点に立った提案・サポートを期待しています。
掲載:『新風』2019年1月号