【ユーザー事例】ニーズを踏まえ、最適なコストでサービスを実現
証明書コンビニ交付システム > 新潟県柏崎市
文化振興課 課長 (前企画政策課 課長代理) 植木 馨 氏 / 市民課 係長 押見 敏 氏 / 企画政策課 主査 山本康太 氏
- 住所
- 新潟県柏崎市中央町5-50
- 電話
- 0257-23-5111
- 面積
- 442.03平方キロメートル
- 人口
- 86,822人(平成28年5月末日現在)
- URL
- http://www.city.kashiwazaki.lg.jp/
――コンビニ交付サービス導入のきっかけを教えてください。
山本 サービス導入を決定した理由は三点あります。一点目はマイナンバーカードの普及促進策とするためです。他に図書館カードや印鑑登録証なども検討しましたが、住民の利便性の向上やその効果の分かりやすさを考慮した結果、柏崎市では証明書コンビニ交付サービスから始めることとしました。
二点目は市民のニーズが高かったためです。平成26年度に実施した地域情報化に関する市民ニーズ調査では、実に50%を超える方がコンビニ交付を利用したいと回答しており、ニーズの高さを実感しました。
そして、三点目が窓口業務の効率化を図るためです。
押見 これまで柏崎市では、月曜日は19時まで、土曜日は午前中と窓口延長を行ってきました。また、図書館においても住民票の写しと印鑑登録証明書の発行業務を行っています。コンビニ交付サービス開始後は、図書館での発行業務をやめ、図書館本来の業務に専念してもらうとともに、窓口の負荷軽減が図れればと考えました。
植木 馨 課長
押見 敏 係長
「費用対効果」を考え
対象となる証明書を選定
――システム調達時に重視したポイントは何でしょうか。
山本 「費用対効果」です。前述の通りサービスの導入を決めましたが、そこはしっかりと考えなければなりませんでした。
植木 そこで長い時間をかけて議論したのが、コンビニ交付サービスで発行する証明書の種類についてです。
マイナンバーカードの普及や住民サービスの観点で考えれば、税証明や戸籍までを対象にした方が良いのですが、その分連携するシステムが増えることで導入コストも増加してしまいます。また、戸籍については現在戸籍しか発行できないことや、税証明についてもその用途に応じて市民自らが証明書の種類を判断するのは難しいと考えました。以上のことから、市ではまず住民票の写しと印鑑登録証明書をコンビニ交付サービスの対象としました。
さらに、システムの導入形態をクラウド型とすることで、コストの最適化を図るとともにサービスを極力止めない仕組みの構築を狙いました。庁内にサーバーを設置した場合、庁舎のメンテナンスなどでサービスを停止しなければなりませんが、そのたびに全てのコンビニに告知はできませんからね。
また、今回の調達ではコンビニ交付システムの導入費用に加えて、基幹系システムとの連携費用も明確に示していただくようにしました。これはシステムを安価に導入しても、基幹系システムとの連携費用が思ったより高くついてしまった――ということを防ぐためです。この手法については今後も続けていきたいと考えています。
提案内容とともに姿勢を評価
――TKCのシステムを採用いただいたポイントを教えてください。
山本 最も大きな理由は最適なコストでの導入が可能だった点です。特に、TKCは当市基幹系システム (運用:株式会社カシックス 開発元:株式会社RKKコンピューターサービス)との連携実績を有していたため導入コストが抑制でき、かつ安心感にもつながったのは非常に大きかったと思います。さらにサーバーが設置されるデータセンターについても、自社のデータセンターで自社社員が24時間365日体制で監視保守を行っているという点もプラスでした。
加えて、システムのバージョンアップについても、追加費用なしで定期的なレベルアップの仕組みがあるという点も評価しました。
押見 それ以外にも、追加提案に入っていた、タブレットを使った証明書発行支援システムも非常に魅力的だと思いました。
今回の選定では、サブシステム的な要素も含めて、私たちの要求事項を汲み取り、真正面から答えてくれたのがTKCだったという印象ですね。
――今後のご計画を教えてください。
山本康太 主査
押見 平成32年には新庁舎への引っ越しを計画していますので、そのタイミングで総合窓口を導入できないか検討しています。ただ、一口に総合窓口と言ってもさまざまなやり方があるので、新庁舎のレイアウトも含めて最適な方法は何か、今から考えていきたいと思っています。
植木 マイナンバーカードのさらなる普及策についても検討していきたいと考えています。例えば、マイナンバーカードを提示することで割引や無料になるといった方法であれば、券面の利用だけで済みますので比較的実現しやすいのではないかと考えています。それに比べICチップや電子証明書を使ったサービスについては、まだ具体的な案はまとまっていません。他団体の事例を参考にしながらじっくりと考えていきたいと思っています。
そういった意味でも、TKCには他団体のカード活用事例などの情報提供を積極的にお願いしたいですね。また、お金がかかることでも、最適なコストで住民サービス向上につながることであれば大歓迎ですので、そういった提案も期待しています。
掲載:『新風』2016年7月号