導入事例 CASE STUDY
株式会社SRI 様
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本社社屋
統合型会計情報システム(FX4クラウド) ユーザー事例
業績予測の精度を高め飛躍する
文書管理のスペシャリスト
誤って廃棄してしまった、担当者の異動で所在がわからなくなった……。散逸しがちなオフィス文書の管理を一手に引き受けているのがSRIである。保管文書をブラウザー上で閲覧できるサービスが伸長。関連会社もクラウド型の会計システムへ移行し、グループ全体でシナジーを高めようとしている。
調査分析活動に注力し顧客の課題を的確に抽出
──文書管理にまつわるサービスを、幅広く展開されているそうですね。
北村社長 企業の機密文書の保管から抹消処理までワンストップで手がけています。取引先の大半は上場企業で、約1,000社にのぼります。
個人情報保護法が施行された2005年を境に、機密文書の保管を外部の専門会社に委託する動きが広がり、多岐にわたる業種の企業から引き合いをいただくようになりました。おかげさまで24年12月期は、売上高、経常利益ともに過去最高額を見込んでいます。
──主な要因は?
北村 文書の電子化ニーズの高まりに応えるサービスを提供し、実績を着実に積み上げてきた結果ととらえています。当社では、お預かりした契約書情報をウェブ上で管理できる「BUNTANリーガル」というサービスを提供しています。新潟県内の情報管理センターで契約書原本を1件単位でバーコード管理し、契約書の閲覧や廃棄、PDF化の指示を容易に行えるのが特長です。また、さまざまな電子契約システムで締結された契約書情報を、BUNTANリーガルのデータに連携させることもできます。
──顧客から重要書類を預かるとなると、信頼をいかに獲得できるかがカギとなりそうです。
北村 われわれの強みは、これまで蓄積してきた文書管理のノウハウを生かして、顧客目線で解決策を提案できるところです。そのためにも顧客が抱える課題や、ニーズを的確に抽出する調査分析活動に力を注いでいます。ファイリングデザイナー資格を有する文書管理コンサルタントがオフィスを訪問し、文書の管理状況を詳細に確認した上で、課題解決策を提案しています。総務担当者だけでなく、営業、製造担当者など、さまざまな部署の社員に文書管理の課題をヒアリングすることも多いです。
──経営理念に「全員参画型経営」をうたわれていますが、取り組みを教えてください。
北村 代表に就任した17年以降、全社員に経営計画策定に携わってもらっています。経営陣のみで策定した経営計画では、社員は必ずしも納得して動いてくれません。社員が1〜2カ月ほど議論して部門目標を決め、行動計画に落とし込んでいます。
3カ月に一度、実施している「振り返り面接」で、部門目標の進捗状況や課題を経営層へ報告し、課題への打ち手を討議。さらに、例年2月に金融機関支店長など社外の方を招いて「成果発表会」を開催しています。各部門の社員が目標達成に向けた施策を発表しており、情報共有と学びの場となっています。
また、新潟、東京、千葉の各事業所に勤務する社員が、オンラインでミーティングを開催したり、出張時に交流したりして、他の部署の業務に対する理解が深まり、部門間の連携を促進できたと感じています。
オリジナル資料をつくり部門責任者と業績共有
──税理士法人近藤まこと事務所と税務顧問契約を結ばれたいきさつをお聞かせください。
北村 取引金融機関から紹介され、10年に顧問契約を締結しました。当初は『FX2』(戦略財務情報システム)を利用していたのですが、服部先生や監査担当の内山さんからのおすすめもあり、8年前に『FX4クラウド』に切り替えました。
──システム移行の背景は?
小林取締役 この雑誌(『戦略経営者』)の記事で『FX4クラウド』は複数の拠点で利用でき、部門業績を柔軟に集計できることを知り、かねてより便利だと感じていたんです。事業所やグループ会社が複数あり、組織が今後拡大していくことを鑑みると、より柔軟に運用できるクラウド型のシステムの方が望ましいとの結論に至りました。
──部門業績はどのように管理していますか。
北村 文書管理の形式が紙から電子へ大きく移行するなか、ビジネスの現状にあわせて部門を再編しなければなりません。システムに登録する部門設計に関しては、服部先生と内山さんに相談しつつ最適な運用方法を追求しています。現在は9つの部門を登録し、かつ商品別の売り上げを把握できるようになっています。
服部税理士 以前、SRIさまの巡回監査を担当していたので、システム上にどのような部門を登録し、数字をどこまで細かく管理すべきか試行錯誤してきました。システム移行時に要望いただいたのは、皆が納得できる部門設計にすること。経理担当の方に負担がかかってしまうため、限りなく細分化すればいいというものでもありません。巡回監査や毎月開催されている経営会議で事業内容を精査して、部門設計、経費の按分方法を決めています。
──経営会議で話し合う内容は?
北村 中心テーマは直近の業績です。「マネジメントレポート(MR)設計ツール」を用いて『FX4クラウド』上の数字を集計して、目標値や過去数期分の実績と現在の業績をひと目で比較できるオリジナル資料をつくり、部門責任者に配布しています。
《365日変動損益計算書》で最も注目しているのは、利益額に直結する売上高の動向ですね。われわれが手がけているのは仕入れがあまり発生しないストックビジネスであるため、業績は比較的予測しやすいです。ただ、売り上げの変動が利益の増減に直結するので、大型案件受注時や売り上げの計上時期により業績が大きく左右されます。そのため、売上高の推移にこまめに気を配るようにしています。
「クラウド」へ移行しグループ業績把握が容易に
──業績を詳細に分析できるようになったと。
北村 『FX4クラウド』に移行して複数の事業所で仕訳入力できるようになり、グループ全体の数字をスピーディーにつかめるようになりました。「MR設計ツール」等の機能により業務を効率化できたのが、システム移行の最大の効果であると感じています。
服部 経営会議に監査役として出席していつも感心するのは、営業部門の責任者から精度の高い業績予測が発表される点です。そうした予測値をオリジナル資料に盛り込み、経営の意思決定に活用できるようになったのは大きいです。
──システムの運用面はどのあたりが変わりましたか。
小林 情報管理センターのある新潟と東京本社、新潟市内のグループ会社の3カ所で仕訳入力できるようになったのがひとつ。それから、グループ会社も『FX2』から『FX4クラウド』へ移行したことで、グループ会社で経理業務を行っているときにも、全社業績をタイムリーに確認できるようになりました。業績見通しなどを質問された際、迅速に対応できるので助かります。
松原経理担当 日々システムで会計処理を行っていますが、「エクセルからの仕訳計上」機能を活用しており、入力する仕訳はゼロといっていいほど減りました。TKC主催のオンラインセミナーを視聴して、経理業務の効率化に役立ちそうな機能があれば随時取り入れています。
内山監査担当 巡回監査の前後で、SRIさまの業績面で気になる箇所がある際、事務所にいながらデータを確認できる点は重宝しています。
──今後の事業の方向性を。
北村 当社グループにはSRIロジテムなど関連会社が3社あり、23年には構築物の非破壊検査を手がける北日本非破壊検査と資本業務提携しました。今後は各社の顧客情報を共有し、サービスをトータルで提案できる体制に進化させ、グループとしてのシナジーを高めていきたいと考えています。
企業情報
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「BUNTAN リーガル」の利用料金は
月額3万円から
(簡易版essentialプラン)
株式会社SRI
- 業種
- 文書管理業
- 設立
- 1996年11月
- 所在地
- 東京都中央区日本橋本石町3-1-2
- 売上高
- 7億4,000万円(2024年12月期)
- 従業員数
- 52名(パート含む)
- URL
- https://www.sri-net.co.jp
顧問税理士 税理士法人近藤まこと事務所
代表社員 近藤 信
- 所在地
- 新潟県新潟市西区山田3081番地6
- URL
- https://www.charisma-z.com
(『戦略経営者』2025年2月号より転載)