ドミノ・ピザ那珂店 様

ドミノ・ピザ那珂店

左から増山英和顧問税理士、末長圭介社長、増山乃里佳監査担当、鈴木康郎監査担当

統合型会計情報システム(FX4クラウド)ユーザー事例

会計事務所とコラボしながら
緻密な計数管理体制を確立

茨城県北部、那珂市の幹線道路沿いに店舗を構えるドミノ・ピザ那珂店。末永圭介社長のかじ取りのもと、活気あふれる店舗を運営している。また、増山会計事務所によるきめ細やかな創業支援と巡回監査を通し、計数管理に基づく経営が定着しつつある。書き入れどきを迎えた昨年末、店舗で末永社長に話を聞いた。

スタッフ間の交流を深め地域に根付くFC店へ

アクセス至便なロードサイドにある

アクセス至便なロードサイドにある

末永 店舗自体は以前から営業していて、2019年2月末にFC店としてリニューアルオープンしました。幹線道路沿いにあり、自家用車で来店し、テイクアウトされるお客さまが多いのが特徴です。
 私自身は店舗クルーから社員になり、仙台市と東京・神田の2店舗で店長を経験しました。社員時代に学んだ事柄をしっかり守りつつ、FC店ならではの取り組みを意識しているつもりです。

──具体的には?

末永 那珂市で暮らすのが初めてということもあり、地域住民の方々にまずは〝顔を売る〟活動を大切にしています。例えば勝田駅前でチラシを配布したり、地元商工会に顔を出したりしてきました。今後は、近隣で開催される花火大会やお祭りなどのイベントへの出店等も検討しています。

──那珂店では何名の方が働いていますか。

末永 私以外は全員アルバイト(クルー)で総勢15名です。ふだんは適正な人数だと感じていますが、年末年始などの繁忙期は働き手が足りず、短期間のアルバイトスタッフを雇用して対応しています。
 ただ、求人サイトに募集告知を掲載しても反応はあまり芳しくありません。そのため、いま力を入れているのはクルーからの紹介。いわゆるリファラル採用ですね。安心して採用でき、店舗の雰囲気に早く溶け込んでくれるのも利点です。

──定着率を高めるのもカギになりそうですね。

末永 クルー同士のコミュニケーションがもっとも大切だと思っています。私が直接指導するのは原則、勤務歴3年以上のベテランクルーのみ。接客や調理方法、効率的な配達ルートの情報などに関しては、クルー同士で教えあう仕組みづくりを目指しています。

──近年飲食店では、ソーシャルメディアに不適切な画像を投稿する「バイトテロ」対策が課題になっています。

末永 採用時にSNS利用に関するルールを定めた誓約書に署名してもらうほか、スマートフォンから閲覧できる動画ツールを用い、教育を行っています。過去の損害賠償事例などを解説すると、身近な問題としてより実感がわくようです。

──社員からの独立時、どんな点が大変でしたか。

末永 FC店へのリニューアル日は昨年の2月24日とあらかじめ決まっていて、神田淡路町店を退職したのが1月末。とても慌ただしかったので、何が大変だったか正直よく覚えていません。実際のところ、会社設立の事務手続きや顧問税理士の増山先生との面談など、さまざまなスケジュールに日々追われていました。
 ゆくゆくは独立し、店舗を経営してみたいと社員時代から考えていましたから、店長時代の売り上げ目標達成を機に退職し、FC店オーナーになりました。郊外型と都心型という、タイプの異なる店舗の運営に携われたのは、大きな財産になったと感じています。

ビジュアルな分析資料が計数管理意欲を高める

店舗内写真等

──開業当初から『FX4クラウド』を利用されているそうですね。

末永 18年12月に増山先生と面談し、システムの利用を勧められたのが導入のきっかけです。事務室にあるパソコンに『FX4クラウド』と『PX2』(戦略給与情報システム)をインストールし、私が両方のシステムに入力しています。
 オープン日から逆算していつ法人設立すべきか、商号や資本金をどうするかなど、増山先生にさまざまなアドバイスを仰いできました。事業資金借り入れのため、地元金融機関を紹介いただいたのもとてもありがたかったです。

増山税理士 当事務所では金融機関の融資担当者を招いた相談会を定期的に開催しています。末永社長にも店舗オープン前に参加してもらい、融資交渉を行いました。

──社員時代に会計システムを操作された経験はありましたか。

末永 システムはおろか、パソコンを操作するのも初めての状態でした。毎月の監査時に監査担当の増山(乃里佳)さんや鈴木(康郎)さんに質問しながら、仕訳の入力方法や会計データの見方などを少しずつ学んできました。

増山監査担当 当初から数字に強い方だなと感じていました。最近は『FX4クラウド』を活用し、業績を詳細に分析されていて、面会するたびに会計に関する知識が深まっているのを実感しています。

鈴木監査担当 監査補助として私が訪問するのは3カ月に1回のため、末永社長の計数管理意欲の向上をなおさら感じています。

──日中、店舗オペレーションを行いつつシステムを確認するのは大変では?

末永 売り上げデータに関しては「仕訳連携機能」を活用して日々POSシステムから『FX4クラウド』に読み込んでおり、おもに営業時間内のアイドルタイムに業績をチェックしています。ちょっとした時間を見つけ、システムの画面を眺めるのが習慣になりました。システムを利用してまもなく2年目に入るので、業績を前年同月比で分析できるようになるのを楽しみにしています。

──ふだんどんな財務指標をチェックされるのでしょう。

末永 店長を務めていた際、売上高に加え「FLPコスト」といわれる食材費と人件費、そしてクーポンによる値引きを特に意識してチェックしていました。独立後、入念に確認しているのは、そうした項目と月単位で利益を生んでいるかです。
 想定していた利益額と実績の差が激しい場合、システムで原因を探ります。そうするとクレジットカード払いの売り上げの入金やドミノ・ピザ本部への支払いなど、いわゆる期ずれの問題が見えてくる。特に《売上速報グラフ》は売り上げの推移をひと目で判断できるので気に入っています。

PC作業風景

──経営計画は立てていますか。

末永 創業時に立てた計画を単年で予算化し、システム上で予実比較を行っています。コスト管理にとどまらず、その先にどのくらいの利益を見込めるのか、利益をどう活用するかなど、広い視野で将来を検討できるようになりました。決算月が1月のため、現在、次期の計画を練っているところです。

増山税理士 これは私の持論ですが、何事も成果を収めるには学ぶ、気づく、動く、続けるという4つのステップが必要です。末永社長は『FX4クラウド』の《365日変動損益計算書》等で最新業績を確認し、課題を抽出して対策を施すという、一連のステップを着実に実践されています。

増山監査担当 ドミノ・ピザのFCオーナーを関与している、TKC会員事務所を対象にした勉強会に昨年参加し、システムの活用方法などについて情報交換しました。オールTKCによる、手厚い支援体制があるのも心強いです。

──『PX2』の使い勝手はいかがでしょう。

末永 給与支払明細書を電子メールで送信できる「Web閲覧機能」は重宝しています。クルーの年齢層が若いため、ウェブ上で給与明細を閲覧するのに抵抗感はないようです。以前「電子メールを利用していないのでLINEで送信してほしい」と要望されたこともあります。さすがにそのときはメールアドレスを取得してもらいましたが。

──今後の展望は?

末永 1店舗だけで終わることなく、2店舗、3店舗……と拡大していきたいと考えています。2店舗目を開店した暁には、『FX4クラウド』に新店舗として登録し、部門別に業績を管理する予定です。経営計画に基づく経営を進め、新店舗出店の適切なタイミングを見極めていきたいです。

企業情報

合同会社末永製作所(ドミノ・ピザ那珂店)

合同会社末永製作所(ドミノ・ピザ那珂店)

設立
2019年2月
所在地
茨城県那珂市菅谷1588-1
社員数
15名(アルバイトを含む)

顧問税理士 増山会計事務所
税理士 増山英和

所在地
茨城県水戸市千波町1258-2 増山ビル2F
URL
http://www.ma-g.co.jp/

『戦略経営者』2020年2月号より転載)