ユー・イー・エス様

ユー・イー・エスの皆さんと多田裕二監査担当

統合型会計情報システム(FX4クラウド)ユーザー事例

利益確保を至上命題に輸入レーザー加工機を販売

米ユニバーサルレーザーシステムズ社製のレーザー加工機を日本で販売する正規代理店として、黎明期から市場を引っ張ってきたユー・イー・エス。業界のマーケットリーダーとの呼び声が高い同社の平林幹博社長(63)は、5部門それぞれに予算目標を持たせての「予実管理」体制を敷く。

納品後のアフターサービスを会社の「強み」にする

──米国製の小型レーザー加工機を輸入販売されているそうですね。

平林幹博社長

平林幹博社長

平林 レーザー加工機とは簡単にいうと、(1)切る(2)彫る(3)しるしをつける(マーキング)の3つの機能をもった工作機械です。ただ、対象となる材料には向き、不向きがあり、硬い金属はどちらかというと不向きで、アクリル、ゴム、木との相性がよいです。

──具体的には、どんな用途で使われているのですか。

平林 日本では当初ハンコ屋さんがゴム印をつくるのに使われることが多かったのですが、やがて看板(サイン)関係にも広がり、さらには建築模型の分野にも浸透していきました。それ以降も、文具店の名入れサービスに利用されるなど、新しい用途がどんどん広がっています。

──御社の年間の販売台数は?

平林 約150台といったところです。会社を設立してからの12年間で累計2,000台以上売った実績があります。町工場やレーザー加工ショップのほか、最近は学校に納品するケースも増えており、工業系の専門学校や、美術系の大学で導入するところが出てきています。

──現状の経営戦略をお聞かせください。

ユー・イー・エス

 

平林 レーザー加工機というただの鉄の箱をいかに「玉手箱」に変えるかという、無限の可能性を提案することは以前から力を入れてきたことですが、それに加えて新しいレーザー加工商材(材料)の提案にも努めています。アクリル、ゴム、木だけにとどまっていると、そこで成長が止まってしまうからです。
 われわれが提案する新しい加工商材には、たとえば白いアクリルの上にブルーのABS樹脂を塗装した二層版があります。レーザーでこれを彫るとへこみができ、地の白色があらわれる。従来は彫った部分に色を入れる必要がありましたが、二層版なら彫りっぱなしでいいわけです。同様に、アルミ板のうえにアルマイト塗装をした材料もあります。
 当社では、これらのレーザー加工商材を1,000アイテム以上取りそろえていますが、これだけの数をきちんと在庫をもって販売しているところはおそらくうちだけ。他社と差別化できる部分だと思っています。

──納品後のアフターサービスも会社の強みだとか。

平林 メンテナンスに従事するスタッフの数は、営業スタッフよりも多いくらいです。東京と大阪の二つの営業拠点から、要請があれば北海道でも沖縄でもほぼ翌日には飛んでいきます。これを電話で片付けてしまう会社も中にはあるようですが、顧客との継続的な関係を築くうえでも、しっかりとしたアフターサービスが大切だと考えています。「安心」「信頼」「丁寧」の3つのキーワードをとりわけ大事にしており、製品をご購入いただいた時点がお付き合いのはじまりだと考えています。

──レーザー加工機の黎明期だった十数年前と比べて、いまの経営環境はだいぶ変わりましたか?

平林 うちでは会社設立当初から、米ユニバーサルレーザーシステムズ社の製品を輸入販売しています。その価格は1台あたり数百万円といったところですが、最近はそれよりもずっと安い中国製のものが国内市場に入ってきています。その意味では、経営環境はずいぶん変わってきています。私が一番おそれているのは、「値崩れ」を起こすこと。マーケットリーダーとしての自負があるわれわれとしては、いかに適正価格を維持しながら販売していけるかを経営の重要テーマにしています。

会社の成長に合わせて自計化システムをレベルアップ

──TKCシステムを使い始めたいきさつを教えてください。

平林 毎月の巡回監査を担当してくれている駒田会計の多田さんからの提案で、2002年の会社設立後すぐに『FX2』を導入しました。

多田裕二監査担当

多田裕二監査担当

多田裕二・監査担当者 自計化を実践し、会社がどれだけ利益を獲得しているかをリアルタイムに把握することは、成長をめざす企業にとって欠かせません。システムの導入は当初から勧め、その後、『FX3』を経て、昨年11月に『FX4クラウド』に切り替えました。会社の成長にあわせてシステムもレベルアップさせている感じですね。

平林 じつは多田さんと私、そして経理を担当する山岡(取締役/総務部部長)の3人は以前、都内の有名百貨店で一緒に働く仲間でした。私と多田さんがバイヤーで、山岡が売り場のサブマネージャー。その3人が今はこうした関係になっているのは、何だか不思議ですね。

──『FX4クラウド』を実際に使ってみての印象はいかがですか。

山岡美由紀さん うちには東京本社のほか、大阪営業所、物流センター(堺市)、加工センター(調布市)の各拠点があります。どの拠点からもデータ入力等の「遠隔地操作」ができるところはいいですね。また、サーバー運用のメンテナンス負担がなくなったこともうれしい点。クラウドシステムなので、そもそも専用サーバーを持つ必要がないのです。

──日々の業績を管理をする上で、意識していることはありますか。

平林 売り上げた「台数」ではなく、どれだけ「利益」を捻出できたかに注視しながら業績判断をするように心掛けています。私も時々、大阪の営業担当者と電話で話す際、台数のほうを"共通言語"にしてしまいがちなんですが、本来は利益で物事を考えていくべきなんですよね。輸入品をあつかっている関係で、仕入れコストが為替に左右されることもあり、売った台数だけを気にしていてもダメなんです。やはり利益をベースにしていかないと。

──利益率を良くするための工夫といえば……。

平林 実はこれまで、つい値引きに走ってしまうことがよくありました。でも値引きに走ると、その分利益が減るし、先ほど申し上げた適正価格の維持を自ら崩すことになる。だから今は、とにかく値引きを削減するように努めています。
 その代わりによく行っているのが、たとえば自社であつかうレーザー加工商材をおまけで付けるといった工夫です。10万円分の値引きをする代わりに、アクリル板などを10万円相当分サービスで付けたりするわけです。あるいは、通常は2年間の無償メンテナンスの期間をもう少し延長することにして、お客さまの将来的な金銭的負担を軽減してあげたりする。このほうが単なる製品の値引きをするよりも、当社らしいと言えるかもしれません。

《365日変動損益計算書》で予算達成状況を把握

──部門別管理は?

東急ハンズに直営ショップを出店

東急ハンズに直営ショップを出店

平林 (1)営業部、(2)技術(メンテナンス業務)、(3)商材(レーザー加工商材の販売)、(4)加工(レーザー加工の受託サービス)、(5)東急ハンズ(直営レーザー加工ショップ)の5部門に分けて管理しています。
 ちなみに東急ハンズの池袋店、渋谷店、新宿店にテナントで入っている直営ショップでは、『レーザー彫刻工房』の店名で、表札の作成や名入れ等のサービスを一般消費者向けに行っています。

──「予算」にもとづく経営はされていますか。

平林 それぞれの部門に予算目標を設定するかたちで行っています。その予算目標の達成を目指して、各社員が1年間頑張っていきます。毎年3月の第1金・土曜日に「政策発表会」を開いており、その場で社員は自分の数値目標をみんなの前で発表します。

山岡美由紀さん

山岡美由紀さん

山岡 その目標の到達度合いを賞与の評価とリンクさせています。

──《365日変動損益計算書》はご覧になっていますか。

平林 毎月、月次決算を終えたあとに必ず見ています。予算目標に対して、各部門の実績がその月どうだったかをチェックするうえでも貴重な資料となっています。

──独自帳表をスプレッドシートで作れる「マネジメント・レポート(MR)設計ツール」は活用されていますか。

山岡 残念ながらまだですが、スプレッドシートを使えば、グラフを使ったビジュアル的にもわかりやすい資料が作成できるので、いずれは使ってみたいと思っています。

──今後の抱負はいかがでしょう。

平林 顧客の視点に立ってあらゆるブランドのメンテナンスサービスを手がけることも視野に入れています。「商品を売ったらそれっきり」という業者もあって、それで困っているお客さまもいることから、ブランドの垣根を越えたメンテナンスサービスが求められているのです。
 いずれにしても、レーザー加工機への注目は今後ますます高まると思っています。3Dプリンター、CNCルーター、レーザー加工機の3つを、デジタル加工機の「三種の神器」と呼ぶ声もある。その普及に、私たちも積極的に関わっていきたいものです。

企業情報

ユー・イー・エス

ユー・イー・エス

代表者
平林幹博
設立
2002年3月
所在地
東京都武蔵野市中町1-6-7
朝日生命三鷹ビル6F
TEL
0422-36-5111
売上高
約5億円
社員数
34名
URL
http://www.uesltd.co.jp/

顧問税理士 駒田 誠
駒田誠税理士事務所

所在地
神奈川県横浜市青葉区青葉台1-5-2-115
TEL
045-532-3757
URL
http://www.komada-kaikei.jp/

『戦略経営者』2014年1月号より転載)