ニュースリリース

新世代TASKクラウド(番号制度対応版)で特許取得。外字・異体字の検索・作成をかんたんサポート

平成26年12月15日

 株式会社TKC(本社:栃木県宇都宮市/代表取締役社長:角 一幸)はこのほど、全国の市町村向けに提供する「新世代TASKクラウド(番号制度対応版)」の漢字検索・外字作成に関する特許を取得しました。
 これは、人名に用いられる「漢字」を“手書き文字”からかんたんに検索・作成できるようにする仕組みで、「新世代TASKクラウド(番号制度対応版)」の機能(漢字オンラインブック)として提供するものです。

 人名には、常用漢字のほか人名漢字、異体字(*1)など多様な漢字が使われており、市町村では情報システムに標準搭載されていない文字については外字を作成していますが、この作成作業に加え、該当する文字を部首や読みから探し出すのに多くの時間と手間がかかっていました。当社はこの点に着目し、手書き文字の字形情報をもとに類似した文字を探し出し、その中から適切な文字を容易に見つけられる工夫を考えました。

 これにより、市町村では「住民基本台帳ネットワーク統一文字」約2万2000件、あるいは「IPAmj明朝フォント」約6万件(*2)の中から該当する文字を簡単に検索・作成し、また参照・比較機能により類似字形の誤入力を防ぎ、より効率的な処理が可能となります。

 今回の特許技術を活用した漢字オンラインブックは、平成27年3月より提供を開始する「新世代TASKクラウド(番号制度対応版)」へ搭載します。新世代TASKクラウドは全国の市町村が共同で利用する単一のパッケージシステムで、自治体クラウドでは導入実績No.1を誇る「TASKクラウドサービス」の後継に位置づけられるものです。

 TKCでは、今後とも利用者にとって使いやすい技術の研究・開発へ積極的に取り組み、特許取得を通じて企業価値の向上を図ります。

*1)異体字 渡邉の「邉」や齋藤の「齋」など、標準の文字と同じ意味・発音でも表記が異なる文字のこと
*2)IPAmj明朝フォント 戸籍統一文字などに含まれる漢字を収録し、行政機関の文字情報基盤としての活用を想定して整備された文字フォント。

特許概要

 名称   手書きを利用した文字検索システム
 特許番号 第5651798号
 出願日  平成24(2012)年7月1日
 取得日  平成26(2014)年11月21日

「新世代TASKクラウド」の漢字オンラインブック機能について

手書き文字検索(特許)
 ブラウザ上にマウスで書いた文字の字形情報をもとに、「IPAmj明朝フォント」が持つ類似字形のひも付けデータを使い「住民基本台帳ネットワーク統一文字」から類似した文字を検索・表示します。

類似字形の参照・比較(特許)
 類似した文字の色を変え、重ねて表示・比較することで、その違いをひと目で確認することができます。

類似字形の参照・比較
 任意の文字から読み込んだ必要な部品(部首等)を組み合わせて、外字をかんたんに作成することができます。

【ご参考】
特許取得の背景:国・地方公共団体など行政機関での外字問題
 氏名には多様な漢字が使われており、国・地方公共団体等の行政機関では、情報システムで適切に氏名を扱うために標準搭載されていない文字を外字として作成するなど、さまざまな取り組みを行ってきました。

 これは住民の「氏名を正確に表記したい」という要望に応えるためのものですが、その外字作成や管理に手間がかかっているのが実情です。
 また、市町村に向けて提供される「住民情報システム」では、住民基本台帳ネットワークに即した文字セットのほかに、ベンダーごとに市町村が独自に作成した外字を登録する領域が設定されており、他ベンダーのシステムへ移行する場合に移行にかかる作業・コストを増大させる一因となっていました。

 こうしたことを背景に、平成22年度に内閣官房(情報通信技術(IT)担当室)、総務省、法務省、経済産業省、文化庁などが参加する「文字情報基盤推進委員会」において戸籍統一文字や住民基本台帳ネットワークシステム統一文字を網羅した氏名漢字5万8712文字のフォントと画数などの文字情報を整備。その後、関係府省等による検証作業を経て、平成23年10月に「IPAmj明朝フォント」が公開されました。

 「自治体クラウド」の普及とともに、IPAmj明朝フォントに対応した新たな住民情報システムの利用も広まりつつあるものの、これに含まれない異体字はまだ存在し、また漢字の検索・作成に対するニーズも高いことから、当社では今回の特許取得および漢字オンラインブック機能の提供を行いました。

 以上

当リリースに関するお問い合わせ先
株式会社TKC 東京本社 経営管理本部 広報部
TEL:03-3266-9200