金融機関との交渉
一口に金融機関と言っても、都市銀行や地方銀行、信用金庫だけでなく、国民生活金融公庫、福祉医療機構などの公的融資も見逃すことはできません。種々の制約はあるものの、これら公的融資は返済期間が長い上に固定金利の場合が多く、現在のような低金利時代には有利な選択肢だと言えるかも知れません。民間金融機関も一行のみでなく、数行を訪問して、幅広い選択肢の中から慎重に判断することをお勧めします。
金融機関との交渉に当たり、次の点に留意しましょう。
1.借入れに関する基礎知識を身につけておく
固定金利と変動金利、元金均等と元利均等、人的担保と物的担保等の基礎知識を一通り理解しておきましょう。
2.長期と短期のバランスを考える
返済期間は長ければ長いほどよいというものではなく、「設備投資のための資金は長期で、運転資金は短期で」というように、長期・短期のバランスを考えた資金計画を立てること。
3.長期借入れには担保や保証人が必要
不動産に対する抵当権など十分な担保を確保しておきたい。
4.誠実な態度で、経営姿勢を明確に
金融機関との交渉には、院長の人柄と診療所経営に向かうビジョンと熱意を理解してもらうように誠実な態度で臨みましょう。
5.事業計画の提出と説明が不可欠
厳しい融資情勢の中で、事業計画を提出し、事業としての将来性があることを納得してもらうことが不可欠。経営者として、事業計画を説明できる基礎的な財務知識は身につけておきたい。
6.金融機関の選別基準
融資条件は言うまでもないが、通常借入先がメインの取引銀行となるため、開業予定地の近くにあること、安全性に問題がないことなども選別基準となる。