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医療法人の経営情報等報告の義務化について

医療法人の経営情報報告義務化

新しい報告制度が始まっています

令和5年5月の医療法等の改正により、医療法人は運営する病院・診療所の経営情報等を、毎会計年度終了後3月以内に都道府県知事宛に報告することが義務化されました(公認会計士又は監査報人の監査を受けなければならない医療法人は、会計年度終了後4月以内)。

従来からある事業報告書等の決算届に代わるものではなく、追加での報告が必要となります。新しい報告制度では報告内容が詳細になり、医療従事者の賃金等も報告することとなりました。

厚生労働省ホームページでは「今後、生産年齢人口の急激な減少や医療資源の地域格差などの課題が存在しています。こうした課題に対応し、医療提供体制の確保に必要な政策の企画・立案に活用するとともに医療の実態等について国民の理解に向け丁寧な説明を行うため」とその目的を説明しています。

制度の詳細、報告書の記載方法等を解説する動画を以下から視聴可能です。

厚生労働省:医療法人の経営情報データベース」の在り方について

解説資料ダウンロード

報告対象は全ての医療法人。報告は病院、診療所の施設単位で行います

医療法人は原則として全てが報告の対象となります。社会保険診療の所得計算の特例を適用して所得の金額を計算した場合(いわゆる「四段階税制」を適用した場合)は当該会計年度に係る報告は対象外となりますが、その場合でも「報告対象外医療法人」報告書を提出する必要があります。

また、報告は施設単位で行います。1つの医療法人に複数の病院・診療所が有る場合、施設毎に報告書を作成します。下図のような場合は□□□診療所、△△△診療所、◎◎◎病院の合計3つの報告書を作成します。

※介護老人保健施設等は今回の報告は対象外です。

報告対象

どうやって報告するのか(報告の方法)?

報告の方法は以下のいずれかとなります。

①医療法人が医療機関等情報支援システム(G-MIS)から様式をダウンロードし、これに記入(入力)した上で、G-MISにアップロードすることにより報告する方法

②医療法人が事業報告書の届出と併せて、様式を郵送等により書面で提出する方法

なお、①のG-MISで報告する場合は、報告用の医療法人IDが必要となります。医療法人IDの発行については、ID発行依頼用の依頼票(Excel)にて、都道府県宛てに申請します。詳細は下記リンクをご確認認ください(発行には1~2カ月程度かかります)。

何で報告するのか(報告様式)と何を報告するのか(報告内容)?

報告様式は病院用(様式1)診療所用(様式2)報告対象外医療法人用(様式3)の3種類となります。

また、令和5年8月1日から令和6年7月31日までの間に終了する会計年度に係る報告については、報告事項の一部記載を省略した様式で報告することができます(「病院用(様式1-2)」「診療所用(様式2-2)」)。

報告様式はG-MISまたは厚生労働省ホームページからダウンロードすることができます。

科目の名称は病院会計準則をもとに定められています

様式1及び様式2の「経営状況に関する情報」の科目の名称は病院会計準則をもとに定められています。

お使いの会計システムが病院会計準則に対応していれば、集計が容易に行えます。

TKCの病医院用クラウド会計システム「MX2クラウド」は病院会計準則をはじめ、介護保険関連の会計基準などの施設別会計基準にも準拠した医療機関専用の会計システムです。電子帳簿保存法適格請求書等保存方式(インボイス制度)にも完全対応しています。


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これからは職種ごとの人件費管理が必要です

「職種別給与総額及びその人数に関する情報」では、医師、薬剤師、看護職員といった職種ごとに支給した給与及び賞与を、常勤・非常勤に分けて報告することとなっています。

なお、常勤・非常勤が区分できない場合や職種を詳細に区分できない場合は合計欄に記入することも可とされています。

「職種別給与総額及びその人数に関する情報」については、「任意」とされていますが、報告は義務(Q&A参照)となります。記載が困難な場合でも「職種別給与総額及びその人数に関する情報」を除いて報告することはできません。