導入事例 CASE STUDY
株式会社アズム 様
統合型会計情報データベース(FX4クラウド) ユーザー事例
クラウドシステムの特長を生かし
経理業務のリモート化を推進
リモートワークシステムやシンクライアントシステムなどの構築・運用を手がけるアズムでは、『FX4クラウド』で経理の効率化と綿密な計数管理を実践している。岡田修門社長と山本佳津江管理部マネージャーに、コンパッソ税理士法人の田中秀和統括本部長・税理士、朝倉基允税理士、小西教久監査担当を交え、『FX4クラウド』の活用方法を聞いた。
厳格な情報管理が求められる行政機関の導入に多くの実績
──情報通信サービスを幅広く展開されていますね。
岡田修門社長
岡田 今でこそ情報通信関係のニーズが根強いですが、創業当時のメイン事業はイベントの企画・運営でした。その後、2000年代前半あたりから情報通信関係の仕事を手がけるようになり、現在はイベント制作と情報通信サービスの2本柱で事業展開しています。
──情報通信サービス業に参入した経緯を教えてください。
岡田 いろいろとありますが、一つは03年に個人情報保護法が施行されたことです。これによって民間企業も厳格な情報管理体制が求められるようになりましたが、当社ではコンベンションや採用イベントといった法人向けのイベント制作を多く請け負っていたので、顧客情報は自社で構築したセキュリティー環境のもとで厳重に管理していました。当社の情報管理体制を顧客に紹介したところ、「うちでもこういった仕組みを構築できないか」という相談が多く寄せられたので、これを機に取引先向けのサービスとして外販することにしました。
その後、シンクライアントシステムやリモートワークシステムの構築・運用・保守など徐々にすそ野を広げていき、今に至ります。
──厳格なセキュリティー対策が強みであると。
岡田 当社では自治体や官公庁といった厳格な情報管理が求められる顧客が多いので、情報漏えいの防止はもちろんウイルス感染やサイバー攻撃等の脅威に晒されないよう、第三者機関の安全認証を受けた最上級のセキュリティーサービスを提供しています。
社内の体制も万全で、情報通信サービスを手がけて20年超が経ちますが、セキュリティー事故は今まで一度も起きていませんし、個人情報を適切に管理できていることを証明するプライバシーマーク(Pマーク)も9回連続で更新しています。
──足元の景況はいかがでしょう。
岡田 コロナ禍でイベントの売り上げが落ち込みましたが、リモートワークシステムの導入が相次いだことでイベント売り上げの減少分はある程度カバーできています。昨年あたりからイベント需要が復活しつつありますし、リモートワークのニーズもまだまだ根強いので、今期はコロナ禍で伸び悩んだ分を取り戻していきたいと考えています。
仕訳連携機能の積極活用で20~30時間分の入力業務が削減
──『FX4クラウド』を導入したきっかけを教えてください。
岡田 経理の責任者である山本が産休・育休から復職するにあたり、子育てしながらでも業務ができる体制を整えたいと考えたのが一番の要因です。具体的には自宅でも経理業務ができるソフトを入れたいと。このことを朝倉先生に相談したところ、お勧めされたのが『FX4クラウド』でした。
朝倉基允税理士
朝倉 『FX4クラウド』であれば場所を問わず仕訳の入力や業績の確認等ができますし、データはTKCのデータセンターで保管されるので情報の管理体制も盤石です。加えて経理業務を効率化する機能も豊富にそろっているので、きっと岡田社長の要望を満たせるだろうと思い、導入を提案しました。
──ということは、今はテレワーク中心の勤務体系ですか。
山本 いいえ、出社とテレワークが半々といったところでしょうか。時期によっては出社日が集中することもありますが、休暇に入る前と比べて自宅で仕事をする機会は圧倒的に増えましたね。先日も子どもが高熱を出したため、急遽テレワークに切り替えました。こういった突発的なトラブルが起こっても仕事を休まずに対応できるようになったので、すごく助かっています。
──日常業務はどのように進めていますか。
山本佳津江マネージャー
山本 売り上げや仕入れなど販売に関する取引は販売管理ソフトのデータをエクセル形式で切り出して『FX4クラウド』に読み込ませています。さらに、預金やクレジットカードの取引データは「銀行信販データ受信機能」を使って連動させているので、仕訳をいちから入力することが少なくなりました。以前は仕訳の入力に多くの時間を費やしており、入力漏れや誤りなども発生していましたが、現在はこういったミスも起きなくなり、業務効率が大幅に上がりましたね。
──ちなみに、ひと月あたりどれくらいの時間を仕訳入力に費やしていましたか。
山本 計ったことがないので正確な時間は分かりませんが、合計で20~30時間ぐらいかけていたように思います。
岡田 休業中は私が仕訳の入力業務を引き継いだのですが、「これだけの量を打ち込まないといけないのか」と、とにかく大変な思いをしました。と同時に、こんな面倒な仕事を復帰後にやらせるわけにはいかないと、急ピッチでソフトの入れ替えに取り組んだことを覚えています。
田中秀和統括本部長・税理士
田中 コンパッソ税理士法人では監査担当者のほか、システムの立ち上げを専任で行うスタッフが在籍しているので、『FX4クラウド』をお客さまの希望に沿った形に設定し納品することができます。アズムさまの場合も岡田社長と入念に打ち合わせを重ね、勘定科目体系の整理や業務システムとの連携等の設定を行うなど、スムーズかつ迅速な導入を目指しました。
──特に注視されている指標や帳表はありますか。
岡田 事業の性質上、受注から入金までにタイムラグが生じることが多いので、資金繰り予定表や計画表などの帳表はこまめに確認しています。入金のタイミングが少しずれるだけで、仕入先への支払いや借り入れの返済が滞ってしまいますからね。こういったことは絶対に起こしてはならないので、資金管理に関する帳表を入念にチェックしながら、キャッシュフローの見通しをしっかりと立てています。
──受注案件ごとの損益も緻密に管理していると聞きました。
岡田 はい。「プロジェクト管理機能」を使って商談ごとに予算の進捗状況を管理しています。当社では数百件にのぼる商談が常に稼働しているので、『FX4クラウド』に登録してあるプロジェクトの数も数百を超えます。すべての商談できちんと利益を生み出すためにも、予算の進捗や経費の消化状況を常に注視する必要がありますから、これらをこと細かに管理できるプロジェクト管理機能はとても重宝しています。
小西教久監査担当
小西 このほかにも「スマート業績確認機能」を活用し、外出先からも最新業績をこまめに確認されるなど、ありとあらゆる機能を積極的に使っておられます。
岡田 経理の効率化や経営判断を後押ししてくれる機能がそろっていますし、利用料を毎月払っているので、いろいろ試さないと損だと思って積極的に活用するようにしています。
1ユーザーとして感じるのは、『FX4クラウド』はこれが完成形ではないということ。例えば、ワンクリックでデータが連携するといったように、他の業務ソフトとシームレスに連動できるようになれば、ユーザーにとってもっと使い勝手のよいシステムになると考えることもあります。"職業病"かもしれませんね(笑)。
情報通信技術を駆使し生産性のさらなる向上へ
──10月からインボイス制度がスタートします。対応状況はいかがでしょう。
岡田 経理業務の面では「インボイス対応は『FX4クラウド』一つで万全」と聞いているので特に不安に感じていることはありません。インボイスの発行や管理方法といった社内の仕組みづくりについては、先日、小西さんからインボイス制度に向けた準備事項をまとめた文書をいただいたので、これに従って対応を進めているところです。
──今後の抱負を。
岡田 最新の情報通信技術を積極的に取り入れながら、社員の生産性をさらに上げていきたいと考えています。特に当社では営業スタッフの人手が足りていない状況が続いているので、『FX4クラウド』をはじめ業務管理ソフトをよりいっそう活用することで管理業務の効率化を図り、空いた時間や余った人員をお客さまへの対応にまわすことで、顧客サービスを拡充していきたいですね。
企業情報
アズムは情報セキュリティー体制
の厳格さが強み
株式会社アズム
- 業種
- イベント制作、情報通信業
- 設立
- 1989年8月
- 所在地
- 東京都港区南青山2-2-15ウィン青山2F
- 社員数
- 19名
- URL
- https://www.azm.co.jp/
顧問税理士 コンパッソ税理士法人
- 所在地
- 東京都渋谷区道玄坂1-10-5渋谷プレイス9F
- URL
- https://compasso.jp/
(『戦略経営者』2023年5月号より転載)