株式会社名優 様

左から2人目は経理担当の白鳥瑞弓さん。
右から2人目は安藤淳一さん

統合型会計情報システム(FX4クラウド) ユーザー事例

効率的な経理業務を実践する
「再生処理」のゲームチェンジャー

医療機器の販売業者として30年超の業歴を持つ名優。最近は使用済みの医療器具を再び使用可能な状態にする「再生処理」に力を注いでいる。山根貫志会長、山根優一社長に、中薗孝夫顧問税理士、浦田星菜監査担当を交え、『FX4クラウド』導入の効果について語ってもらった。

──医療機器の輸入販売業者として30年以上の業歴をお持ちです。

山根優一社長

山根優一社長

山根優一社長(以下社長) 医療機器のなかでも、主に手術室や耳鼻咽喉科系の機器を販売しています。「患者と医療者ともに肯ける医療の実現」を経営理念に掲げているとおり、医師や看護師といった医療者と患者の双方が幸せになるような、ユニークな機器を多く扱っている点が特徴です。

山根貫志会長(以下会長) 私が東京都内にある医療機器メーカーを経て、当社を設立したのは1993年10月のことです。以来、欧米のメーカーや国内外の医師たちと緊密な関係を築きながら、製品と市場を拡大してきました。例えば、体格の大きな患者さんでも楽に体位変換や移乗ができる「ホバーマット」や、滲出性中耳炎の治療機器である「オトヴェント」など、患者と医療者の負担や苦痛を軽減する機器を2,000点以上そろえています。販売先も北海道から沖縄県まで、全国をカバーしています。

──製品のラインアップや販売先を拡大するために取り組んでいることは?

山根貫志会長

山根貫志会長

会長 学会やカンファレンスなどのイベントに積極的に参加し、メーカーや医療者との関係構築に努めています。これらのイベントではメーカーの展示会が同時開催されることが多く、仕入れ面では海外の展示会に参加し、当社の理念に合致した製品を扱えるようメーカーに働きかけています。一方、販売面では国内の展示会に出展し、製品を医療者に紹介することで受注につなげています。

──足元では円安が継続していますが、何か対策は?

社長 為替予約などの対策を講じていますが、円安局面でも利益をしっかりと確保できるよう、製品ラインアップの拡充、売り上げに直結していない販売促進費の見直しなどにも適宜取り組んでいます。

日本の再生処理の品質を欧州基準まで引き上げる

(上)滲出性中耳炎の治療に用いられる「オトヴェント」。バルーンを鼻で膨らますことで水が中耳内に溜まっている状態を改善、(下)地域の小学生向けに実施した再生処理の体験教室。同社では再生処理の啓発を目的としたイベントを多数開催している

(上)滲出性中耳炎の治療に用いられる「オトヴェント」。
バルーンを鼻で膨らますことで水が中耳内に溜まっている
状態を改善、
(下)地域の小学生向けに実施した再生処理の体験教室。
同社では再生処理の啓発を目的としたイベントを
多数開催している

──最近は医療器材の再生処理事業にも注力しているそうですね。

社長 再生処理とは使用済みの医療器材を再び使用できる状態にすることです。各病院の中央材料室という部署で再生処理は行われており、洗浄・組み立て・包装・滅菌という4つの工程で構成されています。当社は「SALWAY」というブランドで、洗浄ブラシや滅菌コンテナ、滅菌確認デバイスといった再生処理に用いる機器の販売に加え、病院やクリニック、滅菌受託業者など再生処理に携わる事業者に向けた勉強会、業務改善や品質向上に向けた助言などを2023年から行っています。

──SALWAYを立ち上げた理由を教えてください。

社長 日本の再生処理は欧米より20年も遅れていると言われており、実際に洗浄や滅菌等の不良による事故が日本の医療機関で発生しています。再生処理は患者さんの命にかかわる重要な業務です。再生処理の品質を欧州基準まで引き上げたい。そんな思いから、「日本の再生処理を『再生』する」というコンセプトで、SALWAYを立ち上げました。現在は売上高の半分を占めるまでに成長しています。ちなみに、残りの40%は手術室関係の医療機器、10%は耳鼻咽喉科関係の医療機器が占めています。

売上高と限界利益を部門別に把握し足元の業績をつかむ

──中薗会計事務所とは創業以来の関係と聞きました。

中薗孝夫顧問税理士

中薗孝夫顧問税理士

中薗 当事務所の顧問先が主催する親睦会で、当時会社勤めをされていた山根会長と当事務所の先代が知り合ったと聞いています。その後、山根会長が創業されるタイミングで当事務所が税務顧問に就きました。以来、30年以上にわたって名優さんの経営を伴走支援しています。

──23年に『FX4クラウド』を導入されました。提案にいたった経緯を教えてください。

中薗 名優さんでは長らく『FX2』で経理をされていましたが、会社の規模が拡大するなかで取引量が増加し、複数の経理担当者で入力を分担するようになりました。また、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応が求められたため、『FX4クラウド』へのアップグレードを提案したところ、快諾をいただきました。

──月次の業績はどのようにして確認されていますか。

自社製品として売り出し中の結束バンド「EZTY」。先端にあるヘッドにバンドを止める機能(❶)とバンドを通す溝(❷)が付いている。バンドを溝に通し(❸)、もう一方のヘッドで留める(❹)ことで固定する

自社製品として売り出し中の結束バンド
「EZTY」。先端にあるヘッドにバンドを
止める機能(❶)とバンドを通す溝(❷)が
付いている。バンドを溝に通し(❸)、
もう一方のヘッドで留める(❹)
ことで固定する

社長 毎月末ごろに中薗会計の職員さんに来社いただき、経理処理のチェックと経営陣への業績報告を実施いただいています。現在は浦田さんとともに、直近の実績を前年同月などと比較しながら会社の現状を把握しています。

──注目している勘定科目や指標は?

社長 当社では「耳鼻咽喉科」「手術室」「SALWAY」の3部門に分けて業績を管理しており、各部門の売上高や限界利益の推移を重点的に確認しています。このほか、広告宣伝費や旅費交通費の推移にも注目しています。展示会はもちろんのこと、SALWAY部門では病院を訪問して商談するため、広告宣伝費や旅費交通費がかさんでいないか、費用対効果が適正かなどを、実績値や前期比較などを通して確認しています。

連携機能の積極活用で仕訳入力の約7割を自動化

──入力業務を効率化する機能も積極的に活用されています。

浦田星菜監査担当

浦田星菜監査担当

浦田 名優さんは取引量が多く、年間で約1万8,000件の仕訳を計上されていますが、預金やクレジットカードに関する取引については「銀行信販データ受信機能」を、経費については「他社システム(楽楽精算)からの仕訳連携機能」を活用することで、仕訳入力のおよそ7割を自動化しています。

──経理担当者の反応は?

浦田 特に「銀行信販データ受信機能」が好評で、「この機能には助けられている」と高く評価する声をいただいています。

──最後に、今後の展望をお聞かせください。

会長 これまではメーカー製品の販売が中心でしたが、近年は自社製品の製造販売にも力を入れています。その第1弾が、繰り返し使える結束バンド「EZTY」です。先端にあるヘッドの隙間にバンドを差し込み、もう一方のヘッドにバンドを留めることでケーブルなどの物をまとめることができます。余った部分を切断する必要がなく、長さも自在に調節できます。現在はECサイトを通して販売しており、医療機関だけでなく農家や一般の消費者にもご利用いただいています。今後はEZTYの販路をさらに広げるとともに、製品の認知度向上にも取り組んでいきたいと考えています。

企業情報

体位変換・移乗が簡単にできる「ホバーマット」。患者をつかんだり抱え上げたりする必要がないため、スタッフの疲労軽減、腰痛対策につながる

体位変換・移乗が簡単にできる「ホバーマット」。患者をつかんだり抱え上げたりする必要がないため、スタッフの疲労軽減、腰痛対策につながる

株式会社名優

業種
医療機器卸売業
創業
1993年10月
所在地
千葉県八千代市ゆりのき台3-9-2
売上高
9億9,000万円
従業員数
34名
URL
https://meilleur.co.jp

顧問税理士 中薗会計事務所
税理士 中薗孝夫

所在地
東京都台東区上野5-15-14 ONEST上野御徒町ビル9F
URL
https://www.tkcnf.com/nakazono-kaikei

『戦略経営者』2026年3月号より転載)