株式会社トーリーメイト様

株式会社トーリーメイト

統合型会計情報システム(FX4クラウド)ユーザー事例

12店舗をシステムでまとめ上げる
総合ペットショップチェーン

関東に12店舗のペットショップを展開するトーリーメイト。2012年に前会社から経営を引き継いだ三橋則昭社長は、まず、『FX4クラウド』などを活用した多店舗業績管理システムの構築による土台づくりを行った。そのかいあってか売上高は6%増加。三橋社長と顧問の西ヶ谷博行税理士に、店舗管理システム『ALFA-Palette(アルファパレット)』を提供するアルファテックスの平本剛氏をまじえて話を聞いた。

三橋則昭社長

三橋則昭社長

――ショップ・イン・ショップ型のペット店を12店舗展開されておられるとか。

三橋 『ミスターマックス』内の『ペッツマックス』を10店舗と、『スーパーバリュー』内に『ワンダーランド』を2店舗、計12店舗をいずれも関東に展開しています。

――いまの業態を手がけるようになったのは最近のことで、2012年だとお聞きしました。

三橋 実は私はもともと広告代理店をやっていて、経営上難があった当ペットショップの再生を引き受け、この業界に足を踏み入れました。そして、以前から面識のあった西ヶ谷(博行)顧問税理士など専門家の方々に相談すると、会社を分割して事業だけを引き継ぐ「第2会社方式」での再生を選択できるとのこと。負の遺産に悩まされることもなく、良い形のスタートが切れました。

顧客と密につながりながら高い付加価値を提供する

――近年のペットブームがやや収束しつつあるなか、着実に成長を続けておられますが、秘訣は?

三橋 財務資料を取り寄せ、西ヶ谷先生と検討した際に、だいたいの矛盾点は分かりました。簡単にいえばずさんな財務管理が不振の理由でした。それと、顧客管理やサービスにも問題があったようです。

――たとえば?

三橋 まず、ペットショップは売りっぱなしではなく、お客さまと密につながることが重要です。当社では、各店舗でしつけイベント(パピーパーティー)やトリミングイベントを頻繁に行っています。生き物を扱うわけですから、いつ何が起こるか分かりません。お客さまから頼りにしてもらうことが大切なんです。単なる安売りに終始して、あとは知らないではビジネスとして成り立ちません。
 たとえば、「毛玉がすごくて……」などと相談にこられれば、即座によい商品やケアの方法を紹介してさしあげたりもするし、ペットのために専属病院も近くに契約しています。とにかく、適切な付加価値を提供しながら、お客さまのニーズに細かく応えることが成功のポイントだと考えています。

――捨て犬・猫、近隣とのトラブルなど、問題点も出てきています。

三橋 まず、生き物を扱っているという意識を大切にすることでしょう。ペットをめぐるさまざまな問題や飼い主の高齢化による「取り残されるペット」も増えており、われわれ業界全体で対応していく必要が出てきているのかもしれません。まずは、これらの相談があった時はひとつひとつ声を聞き、誠実に対応していく姿勢が、リピーターを増やす秘訣だし、ひいてはペット業界存続のためのわれわれの義務なんだと思っています。

トリミングやホテル、ペット用品販売まで幅広く手がける

トリミングやホテル、ペット用品販売まで幅広く手がける

個別店舗から財務まで一気通貫に管理

――立ち上げ当初から『FX4クラウド』を導入されたとか。

三橋 とにかく財務システムをクラウドにすることは決めていましたから、西ヶ谷先生にお願いした時点で選択肢は一つでした(笑)。

西ヶ谷博行税理士

西ヶ谷博行税理士

西ヶ谷 当事務所では『FX4クラウド』しかありませんと……。なかば強制でしたね(笑)。いずれにしても計12店舗もの業績管理プロセスのタイムリーな見える化を実現するにはこのシステムしかないと考えていました。

三橋 以前は各店舗がスプレッドシートベースで管理していたものを本部で打ち直してまとめるスタイルでした。でも、それだとどうしても時間がかかるし現金残高を合わせるだけで精一杯です。経費などに異常値が出ても素通りでチェックのしようがありませんでした。そんな状況を改善し、とにかく店舗データから財務諸表までを一気通貫にし、タイムリーで経営に活用可能な信憑性のあるデータが自在に取り出せる環境をつくりたかったのです。

――『ALFA-Palette(アルファパレット)』も併せて導入されました。狙いは?

西ヶ谷 当初は、『FX4クラウド』に直接、各店から日々のデータを打ち込むことも考えていました。しかし、アルファテックスの平本(グループリーダー)さんから『アルファパレット』というシステムを紹介され、少し考えが変わりました。このシステムをデータ入力の入り口の部分で使えば、店長がこれまでの日報とそう変わらない形で管理データを打ち込むことが可能になります。それを『FX4クラウド』と仕訳連動すれば、売り上げ管理や財務分析までつながる仕組みをつくることができるのではと思いました。

アルファテックス 平本剛氏

アルファテックス 平本剛氏

平本 西ヶ谷先生を紹介していただき、三橋社長へのデモを経て、店長会議などで操作方法を説明するなかで、次第に手応えを感じるようになりました。三橋社長のご要望に添いながら、現場に負担がかからない形で現金や商品の動きの見える化ができるよう、たとえば、プルダウンで科目を選べるようなカスタマイズも行い、使い勝手のよいシステムを提供できるようこころがけました。

三橋 『アルファパレット』導入によって以前よりタイムリーなデータを元に、各店舗がそれぞれの対策を打つことができるようになったと思います。毎月初旬に開催される店長会議においても前月の反省点を踏まえ、当月の戦略につなげることが可能になりました。

――その『アルファパレット』と連動する『FX4クラウド』の活用はどのように?

三橋 自在に帳表をつくることができる「マネジメントレポート(MR)設計ツール」を使って、各店舗を横軸、業態別の売り上げ、利益、経費などの数字を縦軸にした資料を作成して分析しています。業態は、生体(犬・猫等)販売、ペット用品、トリミング、ホテル、フード手数料、保険など十数部門に分けられていて、それらのデータが各店舗ごとに重層的に管理されている形ですね。

〝生き物〟を販売する意識を大事にする

西ヶ谷 当事務所の梅田(優監査担当)が、毎月の巡回監査でMR設計ツールを使った帳表をもとに財務的な課題を社長と話し合います。正確な月次決算の確定データなので、月初の『アルファパレット』からのデータを使った店長会議と併せて、二重チェックの意味があります。
 それと、三橋社長自らが経営資料に精通し、予算との比較データなどによって会社の動向を正確につかみ、金融機関にもきちんと説明できる能力を身につけるツールとして『FX4クラウド』を利用いただけていると考えています。

三橋 「なんとなくもうかっている」「なぜか赤字になった」では経営者として失格ですからね。

――今後はいかがでしょう。

三橋 当店では狂犬病のワクチン注射を行ったり、殺処分減につながるマイクロチップを全頭に注入したりと、「生き物」を販売している意識を大事にしており、そのような姿勢を今後も貫いていきます。また、生体のみならず、トリミングや用品販売、保険など周辺業務をバランス良く手がけていくことも大事になります。
 あとはオリジナル商品の開発にも力を入れたいですね。近隣のホームセンターやスーパーなどの安売り競争に巻き込まれないブランド価値をつくれば、経営の一層の安定化につながるでしょう。そのためにも今、『FX4クラウド』と『アルファパレット』による〝土台固め〟が必要なのだと考えています。

企業情報

株式会社トーリーメイト

株式会社トーリーメイト

創業
2012年6月
所在地
静岡県静岡市清水区辻4-11-22
売上高
4億5000万円
社員数
98名
URL
http://www.smileysmile.co.jp/

監査担当 梅田 優
あさひ税理士法人

所在地
静岡県静岡市清水区辻4-11-22
TEL
054-371-3000
URL
http://nishigaya.tkcnf.com/

『戦略経営者』2015年7月号より転載)