株式会社チュウブ様

株式会社チュウブの皆さんと濱上税理士

統合型会計情報システム(FX4クラウド)ユーザー事例

多彩な事業を会計で統べる
“芝のスペシャリスト”

“芝のスペシャリスト”として、グラウンド緑化やメンテナンス事業など幅広いビジネスを展開しているチュウブ。巷の緑化ブームのなか、いまや年商50億円を超え、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。その多彩な事業をまとめ上げるべく、財務戦略のブラッシュアップにも余念がない。林津世志常務取締役と“ターフソムリエ”の呼称を持つ坂出伸一執行役員のお2人に濱上秀行顧問税理士をまじえて話を聞いた。

導入企業の声

顧問税理士の声

導入事例紹介ムービー

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きめ細かい対応で顧客のニーズを満たす

林津世志常務取締役

林津世志常務取締役

――近年の売り上げ拡大の勢いはすごいですね。

 小泉政権時に打ち出された「指定管理者制度」(民間の公施設における管理・運営代行を可能にした制度)に合わせる形で、平成18年頃から公営ゴルフ場の経営に本格的に乗り出しました。まず、米子市営のゴルフ場、翌年には神戸市営の2カ所、計3カ所を経営受託(公募)したわけですが、芝の専門家としてゴルフ場に長年かかわってきたノウハウと、それに基づく提案内容が評価された結果だと思います。加えて昨年は民間のゴルフ場の運営委託を受注し、大型のゴルフ場改修工事もこなしました。これらが近年、10億円単位で売上高を押し上げている理由です。

――そもそもは、芝の生産・販売がメーンビジネスだとか。

 鳥取県は芝の産地で、当社はその生産地組合として昭和39年に創業しました。その後、設計・施工、メンテナンス、ゴルフ場運営と業態を広げてきたという経緯があります。現在、鳥取県内と茨城県筑波市の計200ヘクタールで生産し、直営圃場では主に洋芝の「ティフトン芝」をつくっています。

――そのティフトン芝ですが、スポーツ界などからの評価が高いそうですね。やはりポイントは品質の高さですか。

坂出 雑草や病害が出ない、施工後の生育が良いなど品質面での優位性はもちろんですが、当社の場合、施工時の「工法」にも大きな特徴があります。
 そもそもティフトン芝は10年ほど前に、鳥取市内の運動公園の施工に際し、この芝の利用が決まり、はじめて直営で生産・納品しました。その時にオブザーバーとして招いていたJリーグ・FC東京のグラウンドキーパーの方から非常に高い評価をいただきました。その流れで、FC東京のフランチャイズである「味の素スタジアム」の施工を受注したのですが、この時に4日間で施工を完了して、その3日後に公式戦を開催するという離れ業を演じたのです。通常は工事に数週間、養生に数カ月かかりますからね。この実績がクチコミで各方面に流れて、以降、ベルマーレ平塚の平塚競技場、国立競技場、西が丘サッカー場、浦和レッズの駒場スタジアム、野球では広島カープのマツダスタジアムなど、次々と注文が入るようになりました。

――なぜ、速く、確実に施工を完了できるのですか。

坂出伸一執行役員

坂出伸一執行役員

坂出 『BIGロール』という幅76センチ×長さ1320センチ×厚さ3センチの大きな芝のロールに専用のインストーラーを使用して芝張り(リソッド工法)を行いますから、圧倒的に施工が速いわけです。30センチ角の芝をはり付けていく通常の工法と違って、1ロールで10平方メートルの施工が可能ですからね。また、他製品に比べて厚みもあるので完全に根付かなくても使用でき、さらに、土ではなく、鳥取の砂地で栽培することで施工時に不透水層ができず、水はけが非常にいい。自然の砂地で栽培しているのは日本で当社だけだと思います。これも評価の高い理由です。

――学校の校庭緑化やビルの屋上緑化にも実績を上げておられます。

坂出 校庭緑化でいえば、ここ5年間で、鳥取県内68施設、全国では250施設の扱い実績があります。とにかく、多様な地域・施設からのオーダーをいただくようになってきて、当社の生産能力も厳しい状況ですが、欠品状態にならないよう営業と綿密に話し合いながら、できうる限り注文をお受けしていきたいと思います。

安定感あるシステムで計数管理体制を立て直す

――昨年、『FX4クラウド』を導入されました。経緯は?

 とても複雑なので、説明するのも大変なのですが……(笑)。
 当社は生産、販売、メンテ、建設などさまざまな業態を持ち、財務のシステム化が非常に難しいという背景がまずあります。しかも、当社の大田英二社長には、かねてから会計を集中させ、迅速に分析資料が見たいという強い思いがありました。
 そんななか、販売管理や建設業向けなどさまざまなソフトを複数組み合わせてどうにかこうにか財務の集中化を機能させてきましたが、当然、それぞれのシステムがスタンドアローンなのでデータの整合性をとるのが大変だし、数字の収集等にも時間と手間がかかっていました。そのため、もう一段進めようと新たにERPを導入しようとしたのですが、これも当社には難しすぎてどうにもうまく回らない。ということで、濱上(秀行顧問税理士)先生に相談して『FX4クラウド』をご紹介いただいたと、まあそんな経緯です。

濱上秀行顧問税理士

濱上秀行顧問税理士

濱上 チュウブさんは30カ所もの拠点をお持ちで、ずっと経理面で大変なご苦労をされているのを見てきました。だったら、新しく出た『FX4クラウド』を導入して、効率化を図ったらどうですかと提案申し上げたのです。私の決算業務も楽になりますしね(笑)。

 以前は、濱上先生に決算資料を渡す際には、分かりにくくて申し訳ないなあと、せつない気持ちでいっぱいでした(笑)。

――導入の決め手は。

 「安定感のあるシステムで計数管理体制を構築し直したい」という気持ちでしたので、TKCの実績に裏打ちされた安定性が決め手になりました。あとは、濱上先生から当社の社長に押し込んでいただいて……。

濱上 私が押し込んだというよりも、プレゼンを繰り返すうちに、経理に携わる方々が、「このシステムでやりたい」という気持ちに徐々に傾いていき、それが大田社長に伝播して決断を引き出したというのが実際のところだと思います。

――導入されてみていかがですか。

 思い描いていた通りで、とりあえずの課題はすべてクリアできました。入力のわかりやすさ、帳表の見やすさ、それから「クラウド」ですからそれぞれの拠点から分散入力できデータの保全は万全だし、通信速度も速い。導入を決断して良かったと思いました。

さまざまな部門の収益を重層的に計数管理する

――部門別機能はどのように活用されていますか。

株式会社チュウブの皆さんと濱上税理士

右から2番目は山田直人ERP推進室長

 まず、チュウブ本体は、工事部、公園運営、ゴルフメンテナンス、ゴルフ場運営など8部門、それと、別会社のチュウブ緑地では芝部、緑化部資材部など5部門、計13部門に分けています。そして、各部門の下にさらに各事業所が属しています。たとえば「ゴルフ場運営」には4コース、「ゴルフメンテナンス」には15コースがぶら下がる形でそれぞれ損益計算がなされており、全部で50くらいの部門の収益を重層的に管理していることになります。

――それは細かい。

 『FX4クラウド』のなかに、さまざまな業態を一元的に取り込み、さらに、それぞれの部門の実績を横並びで比べたいというのがわれわれの願望ですが、その際に威力を発揮してくれるのが『マネジメントレポート(MR)設計ツール』で、この機能には大変重宝しています。自由に数字を切り出してきて、好みの資料をデザインできるわけですからね。

――前月の実績がまとまるのは?

 10日までにはまとめて、会議用の資料として配付しています。とにかく、大田社長の求めるものはスピードなので、「より早く」という限界を追い求めたいですね。

――今後はいかがでしょう。

 『FX4クラウド』は導入してまだ半年ですから、本領発揮はこれからだと思っています。枝葉の多い当社の財務をより効率的に集中させること。そして、その集中されたデータを細かく分析し、本当にマネジメントの役に立つ資料を『MR設計ツール』で自由自在につくることができる能力を身につけたいですね。そのためには、既存のゴルフ場の予約システムや販管システムと『FX4クラウド』を連携させる必要も出てくるでしょう。これは可能だと聞いていますので、近い将来実現させたいと考えています。
 ともあれ、末端から中央まで、ビジネスのはじめから終わりまで、一気通貫で無理なく管理できる理想の体制を構築する能力が『FX4クラウド』にはあるとわれわれは考えています。期待したいですね。

企業情報

株式会社チュウブ

株式会社チュウブ

代表者
大田英二
所在地
鳥取県東伯郡琴浦町逢束
1061-6
TEL
0858-53-1771
売上高
58億円
社員数
175名
URL
http://www.danketurf.com/

顧問税理士 濱上秀行
濱上秀行税理士事務所

所在地
鳥取県倉吉市上井町2-5-11
TEL
0858-47-4770
URL
http://hamagami-mocorin.tkcnf.com/

『戦略経営者』2012年7月号より転載)