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相続対策・遺産整理

相続対策Q&A<遺産分割の工夫による相続税等の軽減対策>

相続が発生した後においても、遺産分割の工夫次第で相続税等は軽減されるのでしょうか。

ポイント

相続税は親の世代から子への財産の承継に課せられる税金ですので、相続発生後でも遺産分割の工夫により、相続税等は軽減することは可能です。

相続の基本は、人の死亡によるその人の財産の次の世代への承継であるといわれています。実際には、同世代である配偶者への相続や同じ世代の兄弟姉妹のほか先の世代の親への相続もあります。夫婦間の相続においては、配偶者の税額軽減制度が設けられていることから、配偶者が相続税を納付しなければならないケースは少ないと思います。事例が多い配偶者と子のいる相続においては親の世代から子の世代に財産が承継されるときに、子に対して相続税が課されることとなり、子の世代にすべての財産が承継されてはじめて相続税の納税義務は完結することになります。 そこで、第一次相続(例えば父)が発生したときに、母がどのような種類の財産を、いくら相続するかは第二次相続(母)に大きな影響があります。 第一次相続における遺産分割の工夫は第二次相続対策の出発点ということができます。 相続対策は生前に時間をかけて行うのが理想ですが、不幸にして何の対策も講ずることなく相続が発生してしまうことも珍しくありません。しかし、相続発生後でも遺産分割の工夫等により相続税等を軽減させることは可能です。 相続発生後、税負担等の軽減を考慮した遺産分割をする場合、特に留意すべき点を4つ挙げると、(1)第一次相続の相続税の軽減、(2)第一次相続の相続税の有利な納税、(3)相続後の相続人の所得税の軽減、(4)次の相続税の軽減についてそれぞれ熟慮することです。以上のような点を考慮して遺産分割を行うためには、相続税の申告期限までに共同相続人による円満な協議分割ができることが前提となります。